見出し画像

百物語6話目「座布団枕のSL」(実話怪談)

これは超怖い話に採話はされなかったけれど、最初に当時の掲示板に書き込んだ話で、編集の加藤さんに面白がられた話だ。

こたつに入ったまま、私はふたつ折りにした座布団を枕にして横になっていた。

突然、耳をつけていた座布団枕の中から

ポ――――ッ!!!

と、SLの汽笛の音が響く。

なんだ? これ?

と思いながらも、そのまま座布団枕に耳をつけたまま、続きを聞いた。

すると、ゆっくりと車輪がまわりだす音まで聞こえてくる。

重たくまわりだした鉄の軋みが、次第に早くなると、ガタンゴトンと枕が上下に揺れ出した。

まるで本当に汽車の中に座っていて、窓ガラスに頭をつけているような感覚。

ポ――――――ッ!!!

再び、大きな汽笛が景気よく鳴り響く。

それで、私は座布団枕から頭をあげた。

もう、音は聞こえない。

私の町に鉄道が通ったことはない。

このお話を気に入ってもらえましたら、ぜひ、NovelJam作品「帰りゃんせ」を投げ銭代わりにご購入願います。私の書いた怪談物語です。216円!

キンドル版など各電子書籍サイトからの販売リンクも上記にあります!
そして、チャット小説も始めました!

DMMTELLERさんでは公式作家でもあるのですが、その新作も出てます。
こちらもよろしく!全話公開されてます

よろしければ、スキ(♡)を押していただけるととても励みになります!!
スキは非会員でも押すことができます!

この記事が参加している募集

推薦図書

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?