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百物語87話目「お菊姫の話・中編」(実話怪談)

前回までのお話――。

番町皿屋敷で有名なお菊。そして、全国にはお菊という名で殺された女性がたくさんにいる。その中でも最強と言われるのが福岡の山田地蔵尊に祀られているお菊姫と母親とその侍女6人の怨霊。60人以上を取り殺し、九州一の怨霊と呼ばれている。

そのお菊姫が祀らている山田地蔵尊、ではない神社を調べたりしていたオカル友が、今度はお菊姫が命を落とした場所を探そうと調査を開始した。

ネットで見つけた手がかりは竹藪と土地の名前。ヒントを得たオカル友は今度はその情報を持って、現地の聞き込みを始める。

宗像大社のお土産屋さんとか、古そうなことを知っているご老人に聞きこんでいると、まさにピッタリの場所が浮上してきた。

それで、今度はその場所へフィールド調査に行こうとすると、例のスマホのロックナンバーを読み取れる霊感の強い女性Iさんもついてくるという。

そしてふたりが調べた場所へ向かうのだが、途中、現地に辿り着く前から足音がついてくるらしい。

Iさんは、怖いと悲鳴をあげる。

オカル友はもっと先に行きたいから強硬進軍!

が、途中で、ついてきていた謎の足音が止んだ。

「ぎゃあああ――――!!」

ついにIさんが大きな悲鳴を出して、逃げ出す。

それで、オカル友も一緒に退散することになった。

帰宅後、どうにも身体がおかしい。

物凄い寒気に襲われて、「うおおおおおお」と声に出さないと耐えられないくらいブルブル震える。

インフルも流行らない夏のことだ。

これはおかしいと思っている矢先、オカル友は夢を見た。

夢の中、自分は霧の道を進んでいっている。

すると霧の先に、白い光を放つ人影があった。少し小さい白い人を両脇に従えて、真ん中に立つ白い人は、オカル友に手招きしている。

そこに向かって、ふらふら進んでいくと、少し開けた場所へ出た。途端、白い人影は消える。代わりに目に入った光景は――。

大人2,3人くらいしか入れないような小屋。

中には人がみっちり入っており、外にまで人の列はつながっていた。しかも小屋の中からは、女性の取り乱した泣き声が、あたり一面に響き渡っている。

オカル友はそこで目が覚めたそうだ。まだ、ガタガタと歯の根が合わないように震えは続いている。

けれど、夢で見た白い人影に出逢った場所には覚えがあった。

それに、白い人影は手招きをしていた。

「行くしかない」

オカル友は奥さんが止めるのも聞かずに、ふらふらしながらも夢に見た場所へと車を走らせる。

白い人影に出逢った場所におりたったオカル友は手招きされて進んだ道を辿ると、夢と同じように開けた土地に出た。

そして、そこを調べてみた結果、ようやく菊姫たちの碑も発見する。

「ここだったんだ」

ところが、オカル友の寒気がおさまらない。

家に帰ってからも、ぶるぶると震え続けてしまう。

そこへ、何の連絡もしていないのにオカル友のオカル友仏壇屋さんから電話が入った。

続きの後日談は、また次回――!!

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