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紙で描かなかった理由。

雑紙が出て半月ほど経過しようとしています。

ありがたいことに、いろんなかたから援護射撃的に「購入報告」をいただいて、がんばって雑紙にアピールしたかいがあったなぁ、とじんわり、感動しています。ありがとうございます。

それでちょっと真面目な話でも、と思い、noteに来ました。

私が雑紙で描かなかった理由です。
それはまぁ「なかなか載らない」などもあるのですが、それなりに理由がありました。

1) 載らない

最高に正当な理由だと思うんですが、雑紙には連載・ベテランの他に中堅や新人・読み切り枠など満遍なく掲載できる「枠」が存在しています。その席を取り合いしているのが漫画家の業界です。私は最初はその取り合いの激しい大手出版社メジャー誌にいたので、なかなか載らず、といっても、デビューはしまして、数作載ったのですが、頻度的に漫画家を名乗れるわけもなく、志半ばで雑紙を去りました。
というか、去ろうとした頃に携帯コミックでの注文が来ていたのと、デビュー時編集長だった方のアドバイスから(同人誌・コイバナさん参照)、携帯コミックに移動?移籍?したのです。
また、こう言うと、やる気が無いようにも見受けられますが、「目指していた好きな雑紙で3回載った(そしてこれ以上は鳴かず飛ばずだろう)」というので、私の中で折り合いが付いたということもありました。

2) 〆切がある

更に掲載3作目はどなたかの代理原稿で、掲載されるのに〆切が新人には無理!みたいな期間で描いたため、なかなかトラウマになっておりました。つまり、紙雑誌の場合、絶対的な〆切があり、落とせないんですね。
電子書籍というのはこの辺がゆるいんです。
ゆるいと言っても落とせば怒られるし仕事無くなりますから、〆切を破ることはしないんですが、4年前に発症した小麦アレルギーによって、「迂闊に摂取した場合、倒れる」を数度やってしまいました。
直接影響したのは2度ほどかな、まだ小麦アレルギーが原因ともわかっていなくて、病状がうまくつかめず何科に行くのかわからない状況の中、数日から1週間くらいどうしようもない時がありました。正直そのときに描いたマンガは、つらくて見返せないし、ミスも多い…。
そんな感じなので、今でこそアレルギー対策OK、多少の症状は耐えられるようになったものの、雑紙から去って、掲載のチャンスが5年くらい前からはあったものの、これが理由でためらっておりました。

3) 電子の条件が良い

これが一番なんですが、1の過去との折り合いが付き、2のリスクを抱えながらも、紙の条件が良ければしがみつくことはあったかも知れません。が!結構そうでもなく、電子のほうが条件が良いことが多いです。ほんとに。
これは紙がダメというわけじゃなくて、いや、数字を比べたらそうなんですが笑。たまたまこの、私のいるティーンズラブというジャンルと電子書籍というのが相性が良すぎたのでしょう。オトナが読みやすい・買いやすいという偶発的なもので、そこに籍を置けたのも偶然ですが、結果的に良かったな、と思っています。

で、この3つを総合すると「なぜ今紙雑誌に戻ってきたのか?」って事になるんですが、最近やっぱりツイッターなんかでも「電子がいいのか、紙がいいのか」なんて盛り上がってますね。個人的にはどっちでもいいですし、できれば手元に置きたい本はメジャーマイナーにかかわらず手元に置いて紙で読みたいです。かといって、自分のいるティーンズラブの本は家にいっぱい起きたくないのもあって、あまり積極的ではなかったんですよね。そういうジャンルだって。だからこのままでいいとは思ってたんです。

なので、今すごくこれが言いたい!

こんなにいろいろあって電子に落ち着いたというのに、やっぱり世の中は紙なのかよ!!!

そう、世の中が、そうじゃなかったんです。

電子書籍でもツイッターマンガでバズっても、なぜか「書籍になりました!」が読者の心を打つという現状があると思います。
これって、ほんと、逆に言うと「書籍がない作家はいまいち」っていうことなんですよね、これ、すごくこわい。こわいな、漠然と怖いな!と思い始めまして。
「アレは流行ったけど、書籍化はしなかったね」
そういう評価があるんですよね。なのでどんなに読みやすくても、ものが増えなくて便利でも、他の電子の利点を叫んでも、そういうこと。
「電子で当たる」=「書籍になる」
の構図だったんです。

そんな方向に持って行かなくてもよかったのに…!

なので、そういうわけで、この夏は雑紙や紙への猛アピールをして、掲載して頂くことになったわけです。

ちょっとセキララに描きすぎましたね笑。

とはいえ、この傾向を見つけても、今年の前半に仕事が少なく…というか、準備していた新連載が中断したり、今年がデビュー15周年だったりと、なんとなく「動こうかな」というスキマができなければ、これをうだうだ思っているだけで、実行はしなかったと思います。去年まではさっぱりその予定も無かったわけだし…。とは言え、わたしのマンガは単行本化してないので、そういう評価の世の中の中で、ハマってくれた読者さんにはちょっと申し訳ないな、なんて思ったりして…、すみません…。いろいろがんばります。WEBも雑誌形式のとこがいいのかなぁ。(←最近の悩みです)

この辺の話は、11月25日開催のコミティアで本にしようか、ちょっと悩んでおります。時間あれば良いなぁ。

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