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13年分のWIN5データを分析し、驚きの傾向の変化を発見!

この記事は、WIN5の導入されてから23年7月2日までの673回のデータを分析し、WIN5のトレンドがどのように変化しているのかを読み取り、この先どういう流れが来るのか考察したものです。

1.WIN5の登場


2011年4月、新しい券種としてWIN5が導入された。全国の主要競馬場から選ばれた5レースの勝ち馬を当てるというシンプルながら、高額配当が魅力の馬券である。組み合わせ数の多さから億を超える配当が飛び出す可能性もあり、一攫千金が大きな魅力。

ここでは発売からこれまでの勝ち馬の平均人気や平均払戻の推移をまとめたデータをみて、傾向の変化を追っていきたい。

WIN5の年別のデータ

発売初日から毎週購入し続けた筆者の感覚を正直にいうと、「新しい馬券で馬券購入者が攻略法を知らないので、JRAとして難易度を下げて当てやすい番組構成を意図的に作って、なるべく多くの人にWIN5の楽しさを知ってもらおうとしていた」という感じです。というのは、初回の配当は約81万円で、筆者がイメージしていたものよりもかなり低かったからです。その後も218万、50万、763万と億はおろか1000万超えの配当すら出なかった。しかし、この認識が大きく間違っていました。WIN5という馬券はこれでも十分な好配当だったからです。5週目に1億4685万という配当が飛び出しますが、毎週のようにこういう配当が出ると思っていたので、初動を大きく誤ってしまった。億を超えるような高配当を夢見るあまり無理筋の穴馬をたくさん購入しハズレの山を築いてしまっていたからです。

年別のデータを並べて俯瞰で見ると、2011年の結果は、易しくもなく難しくもなくWIN5としては平均的な結果だったといえるでしょう。筆者はWIN5という馬券に期待しすぎていたのかもしれません。

2.大波乱時代の到来か?


2014年は勝ち馬の平均人気が4.1と他の年を比較すると波乱の決着が多かった、平均配当も2021年に次いで2番目に高い。億越え配当が7回、キャリオーバーが2回と波乱が相次ぎました。筆者はようやくJRAがイージーモードを解除してWIN5が本来の威力を発揮し始めたと思ったものです。しかし、そんな時代は長くは続かなかったですし、筆者に僥倖が訪れることももちろんありませんでした。

3.順当な結果が多い安定期

2015年から2017年にかけては、WIN5という馬券との付き合い方を多くのかたが理解し、攻略法が熟成していったのではないでしょうか。その結果、勝ち馬の平均人気から見た難易度は横ばいでも、平均払戻は下がりました。それが2018年になると平均配当が1000万を割り込んで485万まで下がってしまいました。ただ、2018年の平均組合せ数をみると、他の年よりも少なくWIN5対象レースの出走数が少なかったことで、難易度が下がったのかもしれません。

4.予想難易度が再び上昇

2019年以降は、再び平均組合せ数が増え、WIN5対象レースの出走数が増えたことで難易度が上がり、平均配当もそれに比例するように上がっていきました。

14年6月から、最高配当が2億円から6億円に増額されたのですが、なかなかそれをアピールする機会がなく、むしろ平均配当が下がっていたので、頭数を増やしてWIN5の破壊力を大々的に世間にアピールしようとしていたのかもしれません。真偽は不明ですが、2021年は5.5億、4.8億、3.0億、2.7億、1.0億の5回もの億越え決着が飛び出したのです。平均配当はこれまでで最高で、WIN5の破壊力を宣伝する絶好の機会となったのは間違いないでしょう。

5.そして今は?


2022年は前年の波乱の反動か、平均人気も平均配当も大きく下落。平均配当は2018年に次ぐ低さになっている。その堅い傾向は2023年も続いていて、億を超える配当は2021年の安田記念の日以降、出現していない。

ただ、平均組み合わせを見ると2022年よりも多く、予想難易度自体は上がっていると思われます。2023年は7月2日までのものなので、ここから大きい配当が飛び出す可能性は十分に考えられます。

予想テクニックみたいなものも、どんどん精度が上がっていて、攻略が進んで配当が跳ねにくくなったという説も考えられますが、筆者はこっちの説は支持したくありません。

平均配当の年月別推移を見てみる

下の表は、WIN5の平均配当を年月別で並べてみたものです。

WIN5の年月別データ

こうすることで、荒れやすい月や堅い月の有無や、季節ごとの変動。もしくは、波乱期と平穏期が周期的に交互に来るというのがわかるかもしれないと思ったからです。

最初に月別の平均配当に目をやると、1~6月の前半の配当が高く、7月が最も低い。7~12月の後半は荒れにくいのかもしれません。

7月の平均配当が低いのはベテラン競馬ファンのかたならすぐに察しがつくと思いますが、降級の影響でしょう。2019年に廃止となったのですが、それまではクラス替えで上のクラスの馬が下のクラスの降級し、この降級直後の時期は降級馬が勝ちまくっていました。そういう時期はWIN5も当てやすいのでしょう。今は降級はありませんが、その代わりに3歳馬が大活躍するようになっており、この傾向は今後も続く可能性があります。

これを足掛かりにさらに推測を進めると、降級前の条件戦は強い馬が勝ち抜けた後でドングリの背比べの混戦が多い。だから、1~6月のほうが荒れやすいのかもしれません。

ただ、2022年のデータを見ると、後半のほうが平均配当が高く、降級制度が廃止された今は、7~12月にもチャンスが眠っていると考えることができそうです。

月ごとの平均配当の推移をグラフで可視化

このグラフは、前章で紹介したデータを時系列順に並べ折れ線グラフにしたものです。

月別平均配当グラフ

これを見ると2017年以前はコンスタントに配当が跳ねていたことがわかります。2017年以降は波乱になったときに配当の跳ね具合は大きくなっているものの、全体的に平穏な時期が圧倒的に長くなっている。

発売当初の手探り状態だった頃よりも、データが蓄積され攻略法もどんどん開発されて予想困難な波乱が最近は起きにくくなっているということかもしれません。一方で、予想困難な波乱となったときの配当は昔よりも大きく跳ねやすい。最高配当が2億から6億に増額された影響もあるかもしれないですが、それは参加者にとってはプラスのことなので、前向きに捕えるべきでしょう。

ここ最近の配当のボラティリティ(変動度合い)が下がっているのは悪い傾向と考えがちですが、かなり難易度の高い馬券でも攻略法があるという証明とも考えられるし、依然として多くの妙味を秘めていることは間違いないので、さらに研究を続けていきたいと思います。


みなさんに競馬を楽しんでいただくため、馬券の参考にしていただくため、頑張ります!これからもよろしくお願います!