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波乱度を左右するJRAの思惑【WIN5攻略】

今回はレース番組を作っているJRAの意図を読むことで、攻略につなげることができないか考察してみた記事です。

WIN5の対象レースを見て、その日のシナリオを考えるという読み

WIN5と向き合うとき、ひとつひとつのレースを丹念に予想するのも大事ですが、ちょっと頭を上げて俯瞰で眺めてみることも重要だと思っています。

というのは、この日どういう番組が組まれているかによって、なんとなくではありますが、流れが見えることもあるからです。

JRAが意図的に番組を操作することはあり得ない!陰謀論だ!といわれてしまいそうですが、JRAも売り上げを上げるために試行錯誤し企業努力を重ねているはずです。

最後の5レース目がGⅠレースでしかもイクイノックスのような有力馬がいるときは売上が伸びる。こういう日に前の4レースも堅い軸馬のいるレースを並べてしまうと配当の期待ができない。だから馬券ファンの財布のヒモを緩めるために、多頭数になりやすく、波乱の可能性も高いダート戦や芝の短距離戦を置くことも多いのではないでしょうか。売り上げを最大化してWIN5の面白さが伝わるような番組作りをしているのは陰謀論とかではなく当たり前の努力。なので、そういうJRAの意図を汲み取って予想に活かすことも戦略のひとつと思うのです。

筆者の感想をいくら述べても、説得力に欠くので、ここからはデータも交えて説明していきたいと思います。

そうすれば、WIN5の対象レースを見て、その日のシナリオを考えるという戦略の有効性も理解していただけるはずです。

WIN5対象レースの1番人気成績をクラス別でみてみると以下のようになります。

クラス別1番人気勝率

1勝:30.1%
2勝:31.1%
3勝:30.1%
OPEN非L:30.5%
OPEN(L) :24.7%
G3:23.2%
G2:33.7%
G1:34.1%

G1、G2は順当決着が多い。一方でオープン特別やG3は人気馬の信頼性が低いということが読み取れます。

少し範囲を広げて1~3番人気までを見てみると。

クラス別1~3番人気勝率

1勝:20.1%
2勝:20.7%
3勝:20.2%
OPEN非L:20.7%
OPEN(L):18.4%
G3:19.0%
G2:22.9%
G1:21.8%

やはり、GⅠ、GⅡでは人気馬の信頼感が高く、GⅢやオープン特別での人気馬の信頼感が落ちるのが見て取れます。

G2が組まれる日を考えてみましょう。

「阪神大賞典&スプリングS」「神戸新聞杯&オールカマー」といったように、1日に2鞍組まれることがよくある。古馬の王道路線と3歳のクラシックトライアルという組み合わせがよくあるパターンですが、いずれも次のGⅠを見据えた有力馬が出走することが多く、前述のデータと考え合わせると、力の抜けた馬が出走することが多く人気決着になることが多いと予測できる。

なので、こういう日は後半2つのG2は人気馬を信頼して、前の3レースで配当の押し上げる穴馬を探したほうが得策と思われます。

これが最後がハンデのG3になる日は、そこで絞って勝負するのが難しい。そこに至るレースも難解で波乱要素の大きいレースばかりだと、予想が難解過ぎて買い目の収拾がつかなくなり、購入を諦める人も出てくるのでは。それは避けたいので、(JRAの思惑を先回りして推測すると)前のほうに予想のしやすいレースを組んで難易度を調整しているのではないでしょうか。

勝ち馬の平均人気

最後がG1:WIN1[3.6]WIN2[3.5]WIN3[4.1]WIN4[3.7]WIN5[3.4]
最後がG2:WIN1[3.1]WIN2[3.4]WIN3[4.5]WIN4[3.6]WIN5[3.3]
最後がG3:WIN1[3.0]WIN2[3.4]WIN3[3.7]WIN4[3.6]WIN5[3.6]

データで見ても、最後がG3の日は前半の3レースの勝ち馬の平均人気が低く、順当なレースが多いことがわかる。もう少し違う角度からも見てみましょう。

平均出走頭数

G1:WIN1[13.2]WIN2[13.7]WIN3[14.9]WIN4[14.7]WIN5[16.9]
前4レース平均出走頭数 14.1頭

G2:WIN1[12.7]WIN2[13.6]WIN3[15.0]WIN4[14.3]WIN5[13.7]前4レース平均出走頭数 13.9頭

G3:WIN1[13.5]WIN2[13.7]WIN3[13.8]WIN4[14.1]WIN5[15.1]前4レース平均出走頭数 13.8頭

前の4レースの平均出走頭数を最後のレースのクラスによって分けてみると、最後にG3が組まれている日が一番少ない。もっといえば一番波乱が起きやすく鬼門を言われる3レース目も最後にG3が組まれる日は平均出走頭数が少ない。これは筆者には偶然には見えません。売り上げを最大化するために魅力的な番組作りをした結果だと思うのです。

一方で、最後の5レース目が重賞ではなく、オープン特別や条件戦という日もあります。こういう日もキナ臭い(笑)ここまでの筆者の主張からすると、何かしらの意図があってのことだと思うのです。そこで、最後の5レース目のクラス別に分けた平均配当を見てみたいと思います。

クラス別平均払戻金(カッコ内は施行回数)
G1:17,926,002円(260回)
G2:20,370,963円 (104回)
G3:15,368,262円(208回)
OP:32,304,226円(64回)
条件戦:24,284,712円(37回)

総計:19,230,228円(673回)

平均配当を波乱の起きやすさと考えたら、5レース目に重賞以外のレースが組まれた日の平均配当が高いのがわかります。

その次に波乱度が高いのは最後がG2の日でちょっと意外ですが、これはこれまで述べて来たように、G2自体は人気馬が強く、しかもそれが2レース組まれることもあるので、その前のレースに波乱になりやすいレースを配置しているからではないでしょうか。一方、最後がG3の日は前述の検証からもわかる通り前半に予想の簡単なレースを配置することが多いので結果的に配当が跳ねないのかもしれません。

こういうデータを元に番組を眺めていけば、どこが堅くてどこが荒れそうか目星をつけることができるのではないでしょうか。

似たような観点で、ハンデ戦が多く組まれると荒れやすいのかもしれないので、ハンデ戦が組まれた数と平均配当の関係も調べてみました。

ハンデ戦回数別平均払戻金(カッコ内はキャリーオーバー回数)
0鞍:19,738,047円(0回)
1鞍:18,558,862円(1回)
2鞍:20,734,336円(4回)
3鞍:17,330,066円(2回)
4鞍:5,811,183円(0回)

ハンデ戦のほうが荒れやすいのかもしれないですが、ハンデ戦の数が多ければいいというものではなさそうです。

次に、1番人気の平均オッズ別の払戻金を見てみましょう。

1人気平均オッズ 平均払戻金(カッコ内はキャリーオーバー回数)
1.50~1.99倍:3,302,315円(0回)
2.00~2.49倍:4,939,115円(0回)
2.50~2.99倍:19,073,992円(3回)
3.00~3.49倍:25,341,698円(4回)
3.50~3.99倍:18,873,902円(0回)
4.00~4.49倍:24,795,402円(0回)

さすがに、こちらは5レースの1番人気の平均オッズが低いほど配当が低くなる傾向が見え、堅い決着なりやすい。当然といえば当然なのですが、予想をする際、気に留めることで目指すべきゴールのイメージが掴みやすくなるのではないでしょうか。

というわけで、いろいろと見てきましたが、5レースの番組の組み方を俯瞰でみることで見えてくることもあるし、それをもっと掘り下げて堅いか荒れそうなも推測できる。このようにその日のWIN5のシナリオを自分なりに考えてみることも的中への近道になるかもしれません。

みなさんに競馬を楽しんでいただくため、馬券の参考にしていただくため、頑張ります!これからもよろしくお願います!