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【食品表示法】アレルゲンの表示

アレルギー反応は抗原抗体反応とも言い、体外からの異物たんぱく(抗原)に対して体内でそれを排除するための抗体がつくられることをいいます。ウィルスに対するワクチンも、この体の仕組みを利用したものです。
アレルギー反応の原因となる抗原のことを「アレルゲン」といいます。

特定の食物に対してアレルギー症状を持っている人は、対象の食物を摂取すると様々なアレルギー反応を引き起こします。症状には、かゆみ、じんましん、唇やまぶたの腫れ、嘔吐などがありますが、時に血圧低下、呼吸困難、意識障害などの重篤な症状を引き起こすことがあります。この重篤な症状は「アナフィラキシーショック」と呼ばれ、最悪の場合死に至ることもあります。

したがって、食物アレルギーを持つ人にとっては、購入する食物にアレルゲンが含まれているかどうかは重要な情報であり、わが国でも2001年にアレルゲンの表示が義務付けられました。

特定原材料

食物アレルギーを引き起こすことが明らかな食品のうち、特に発症数、症状の重篤度から判断して表示の必要性の高いもの7品目を「特定原材料」として定め、表示が義務付けられています。

えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生

特定原材料に準ずるもの

食物アレルギーを引き起こすことが明らかな食品のうち、症例数や重篤な症状となる人の数が一定数みられるが、「特定原材料」に比べると少ないもの21品目を「特定原材料に準ずるもの」として定め、可能な限り表示するように努めるとされています。

アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、
キウィフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、
バナナ、豚肉、まつたけ、もも、山芋、りんご、ゼラチン

アレルギー表示の対象

食品表示基準では、加工食品についてアレルゲンを含む旨の表示を義務付けています。対象には、一般消費者向けの加工食品だけでなく、業務用加工食品、加工食品の原材料、添加物も含められ、食品流通の全ての段階において表示が必要となります。

ただし、以下に該当する場合においては、アレルギー表示の対象外もしくは免除対象となります。

・設備を設けて飲食させる場合(飲食店)
・食品を製造・加工した場所で、容器包装に入れないで販売する場合
・最終食品に含まれる特定原材料がアレルギーを発症しないレベルに少量
・商品の輸配送に使用される通い箱等の運搬容器(別途情報伝達は必要)

アレルギー表示の方法

アレルギー表示は、対象となる原材料や添加物の表示の直後にカッコ付きで表示する「個別表示」を基本としています。
原材料の場合には「〇〇(~を含む)」、添加物の場合には「〇〇(~由来)」と表示し、乳の場合には「乳成分を含む」「乳由来」と表示します。
  しょうゆ(大豆・小麦を含む)
  カゼインナトリウム(乳由来)
  調味料(アミノ酸:いか由来)

コンタミネーションについて

意図しない混入のことをコンタミネーションといいます。特定原材料を使用しない加工食品であっても、同じ工場で製造する別の商品で特定原材料を使用している場合には意図せずに混入してしまう可能性があります。

コンタミネーションの可能性がある場合、製造設備の徹底した洗浄や器具等の使い分けによって混入を防止する管理を行うのが基本です。しかし、洗浄や管理を行っても混入の危険性がある場合には、注意喚起を行うことが望ましいとされています。

コンタミネーションが発生するパターンには以下のようなものがあります。
 ①同一の製造設備の使用によるコンタミネーション
 ②原材料の採取方法によるコンタミネーション
 ③えび・かにを捕食している魚を使用することによるコンタミネーション

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