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ノンストップライティングを音声入力で爆速化する


アイデアに溢れた日々を送っていますか?

音声入力を使って、思考の速さでメモを取ってフィードバックし、アイデアを爆発させましょう!

デフォルト思考法に使えるノンストップライティング

アイデアを出すときに使える便利な思考法として、ノンストップライティングという方法があるのをご存知でしょうか?。
止まることなく書き続けることで、高速にアイデアを出しつつ、自身の批判さえも振り切って自由な思考を展開するという手法です。
アイデア大全という発想法の本で紹介されたので、知っている方も多いのではないかと思います。私もデフォルトの思考法としてノンストップライティングを使っています。
自分が考えていることをとにかく書き出すという方法は、いつでも使えることや批判を振り払えるというメリットがあります。
また、何かしらアウトプットし続けることでアイデアが思いつきやすくなるというメリットや思考の流れを振り返って脱線を防げるメリットもあり、とても便利です。
漠然と浮かんでいるアイデアをはっきり言葉にして書き出すことで、頭をスッキリさせる効果もあると思います。
何かを考え始めるときに、全体の下地を作るのに向いていて、デフォルトの思考法として重宝しています。

ただ、この優秀なノンストップライティングにも1つ弱点があります。
それは、思考内容の記述スピードが思考に追いつかないということです。
手書きではもちろんのこと、キーボード入力においても、考えた内容を全部書き出すことは困難です。
特に、高速で記述するノンストップライティングにおいては、キーボード入力の速さに思考が制限されてしまって、書きたいことが書ききれずにもどかしい思いをすることもしばしばです。
そこで本記事では、その弱点を克服するために音声入力を用いることを推していきます!

ノンストップライティングを音声入力で行う

やり方は簡単で、ずばりノンストップライティングを音声入力で行うだけです!
名付けてノンストップ音声入力です。そのままですね。
考えたことをそのまま止まらずに喋って、音声入力で書き出していきます。高速でアウトプットできれば、なお良しです。
PCとマイクがあれば、誰でも簡単にできてしまいますし、スマホでもできてしまいます。

最近の音声認識は優秀で、滑舌が良ければほぼパーフェクトに聞き取ってくれます。
多少の認識ミスはありますが、そこは従来のノンストップライティング同様気にせず、句読点や改行も気にしないで入力していきます。
スピードの点も大丈夫で、早口で喋ってもちゃんと聞き取ってくれるサービスもあるので、高速で喋るノンストップ音声入力も可能になりました。

オススメの音声入力プラットフォームはGoogle音声入力です。
PCでchromeのブラウザを使っていれば、Googleドキュメントのアプリを開いてすぐ使うことができます。
Google音声入力は変換精度が非常に高く、滑舌を保てる範囲であればどれだけ早口で喋っても認識してくれます。ノンストップ音声入力中にアイデアのフィーバータイムを迎えても、高速で喋って全部出し切ることができて素晴らしいです。流石はGoogleと言ったところでしょうか。
アウトプットのスピードに思考が制限されない快適さは、一度味わうとキーボード入力による普通のノンストップライティングには戻れなくなるほどです。

ノンストップ音声入力のメリット

ノンストップ音声入力の大きなメリットの1つは、ノンストップライティングの良いところをまるごと引き継げるということです。
批判思考の除去、芋づる式に出てくるアイデア、思考過程の振り返り、頭スッキリ、といったノンストップライティングのメリットをそのまま引き継いで、恩恵に預かることができます。

そしてそれらのメリットに加えてさらにいくつかのメリットがあります。
まずは、入力が思考の速さに追いつくようになる、ということです。
入力スピードにおいて、思考の速さがボトルネックになっているとさえ言えそうです。
具体的な速さとしては、自分の場合だと、キーボード入力でのノンストップライティングだと10分で1000字程度でしたが、音声入力だと約2500字も書けていました。単純計算で2.5倍書けることになりますね。
もちろんアイデアの量が2.5倍になったわけではないのですが、アイデア網羅度の体感的には今まで70%しか書き出せてなかったところを100%近くにまで持っていくことができたように思います。
また、滑舌と思考のスピードが改善されれば、さらに3倍4倍と伸びていけるポテンシャルを感じています。

2つ目のメリットとしては、アイデアの量だけでなく質まで向上するということです。
思考のテンポがよくなったことによって、アイデアがさらに芋づる式に出やすくなります。
批判思考の制約もさらに弱まり、アイデア大全で言うところの「ヤバい考え」がより突拍子もなくクリエイティブになって出てくるようにも思います。

3つ目のメリットは、音声として自分の思考を聞くことで、今自分が何を考えているかをメタ認知できることです。
自分が目的に沿って考えられているかどうかを、より客観的に判断することが可能になりました。
また自分の思考を目からだけでなく耳からもフィードバックすることで、考えた内容がより記憶に残りやすくなるとも思います。

4つ目にして最大のメリットは、ノンストップ音声入力をデフォルトの思考法として利用できるということです。
今までデフォルトの思考法として使用してきたノンストップライティングと比べても、より自然に考えてアイデアを記述していくことができ、新しいデフォルトの思考法としてうってつけです。
とりあえず何か考え始めたいというときに、とりあえず使える思考法として、どのようなテーマでも役に立つはずです。

一方で、ノンストップ音声入力には長所だけでなく短所も1つあります。
それは、喋れる環境が必要だということです。周りに人がいて静かにする必要がある職場環境や図書館などでは、音声入力が使えないということです。
周りに聞かれて困る内容は外では音声入力しにくいということもあります。
そのようなシーンでは、キーボード入力によるノンストップライティングを用いることになるでしょう。
逆に言えば、喋れる環境を用意できれば、ノンストップ音声入力は有効な思考法となるでしょう。

音声入力サービスの比較

今回ノンストップライティングに音声入力を用いるにあたって、どの音声入力サービスで音声入力を行うのが最も良いかを比較検討しました。
具体的には、① Google音声入力、② iPhoneの音声入力、③ AmiVoiceSP2、という3つの音声入力サービスを試しました。

最もノンストップ音声入力に向いていたのは、先述の通り① Google音声入力でした
早口で喋っても、滑舌が保たれている限り聞き取ってくれます。これはノンストップ音声入力に適した特徴と言えるでしょう。
ノイズがあっても聞き取れるように音声認識をトレーニングしているらしく、1000円くらいの安いスタンドマイクでもちゃんと聞き取ってもらえました。音声入力自体は無料なので、導入コストがほぼかからないというのも素晴らしいですね。
ただ、高いマイクにすると、口からマイクが離れても聞き取ってもらえやすくなるように感じたので、マイクに投資するのはありかもしれません。
Google音声入力は、GoogleらしくYoutubeなどのビッグデータと優秀なエンジニアが揃って音声認識精度を急速に高めているのでしょう。これからさらに精度が良くなることが期待されます。

Google音声入力を用いることができるサービスとして、Googleドキュメントの他にspeechnotesというサイトもあり、こちらも有望です。どちらもGoogle音声入力サービスを用いているということで、音声認識精度は同等のようです。
両者のメリットとデメリットを比較してみます。

Googleドキュメントのメリットとしては、入力した文章がすぐにGoogleドキュメントに保存され、データが失われにくいです。
音声認識の微妙な間違いは右クリックから他の候補を選び修正することができます。
文字数カウントも容易です。
一方でデメリットもあり、Gooleドキュメントに保存されるということでプライバシーが保たれない不安があります。
音声による句読点の挿入や改行が日本語版だとできない点ももどかしいです。ただし、ノンストップライティング同様、句読点や改行は気にせずにアウトプットするのが良いので、あまり気にする必要はないとも言えます。
音声入力が途中で途切れてしまうこともあります。

speechnotesのメリットとしては、入力内容がローカルPCに保存されるので、プライバシーが保たれるという点があります。
音声入力でピリオドや改行を挿入することもできます。
音声入力が途切れずにずっと入力し続けることができます。特に、ブラウザのタブを切り替えても音声入力が途切れず有効なので、他の作業をしながら音声入力で思考を記録し続けられるという画期的な使い方もできます。
デメリットとしては、ファイルとして保存するのに一手間かかるという点があります。
修正も右クリックから候補を選ぶようなことはできず、自分で手直しする必要があります。
文字カウント機能もなく、毎回他のサービスで調べるのが少し手間です。

Googleドキュメントもspeechnotesも一長一短であり、目的に合わせてサービスを使い分けると良いでしょう。

音声入力サービス② iPhoneの音声入力は、Google音声入力と比較しても悪くない音声認識精度でした。
ただし早口になると、Google音声入力と比べて認識精度が落ちる傾向があるように感じました。
普通に喋る速度での入力であれば、十分と言えるかもしれませんが、高速で喋るノンストップ音声入力の場合だと向いていないので、Google音声入力に次ぐ順位としました。
iPhoneを持っていれば無料で利用できるのは嬉しい点です。
出先でも利用できるのは1つの長所ですね。
なお使用したマイクとしては、今回の検証のためにPCとiPhoneの両方で使えるものを購入して、同一のマイクで調べました。以下にリンクを貼っておきます。

サンワダイレクト マイク 高音質 24bit/96kHz ハイレゾ 録音 【MFi認証】 Lightning接続 & USB接続対応 単一指向性 400-MC010


音声入力サービス③ AmiVoiceSP2は、ほぼ使い物になりませんでした
アナウンサーのような比較的ゆっくりかつ聞き取りやすい滑舌の音声入力ならば聞き取ってくれるのですが、ノンストップ音声入力で求められている早口での入力は壊滅的な認識精度でした。
AmiVoiceSP2は有料ソフトウェアであり、決して安くない買い物であるということも敷居を上げています。
他の音声入力サービスと比べて、最新の語彙が入っていないというのも欠点と言えるでしょう。Google日本語入力も扱っているGoogleには流石に太刀打ちできないということでしょうか。
ただし、唯一のメリットとして、入力する場所を選ばず音声入力できるという点がありました。お気に入りのメモアプリに直接入力することもできるというのは大きな強みとなり得るでしょう。

ノンストップ音声入力のコツ

ノンストップ音声入力をしているうちに気づいたコツがありましたので、いくつか紹介します。

まず1つ目のコツは、目的をもって話すことです。
高速で話す分、ともすれば話が脱線しがちになってしまうのですが、目的を常に意識して考えるようにすると、脱線せずアイデアも浮かび上がりやすくなります。
ドキュメントのタイトルに目的を書いておくのが一つの手です。

2つ目のコツは、止まらずに喋り続けることです。
普通のノンストップライティングと同様に、もうダメだと思ったら「もうダメだ」と口に出す感じです。
多少の認識ミスや滑舌の悪さは気にしません。文脈で内容が分かれば良しと考えます。
目的を意識しつつも、止まらずに何かしら喋り続けることで、アイデアが出てきてくれるようです。

3つ目のコツは、音声入力しながらリアルタイムに下線引きを行うことです。
これはGoogleドキュメントでの音声入力限定とも言える技なのですが、重要だと思われるアイデアを述べる際に予めCtrl+Uを押して下線引きモードにし、述べ終わったら下線引きモードを終わります。
こうすることで、後から重要なアイデアに対して下線を引く手間を省けるようになります。
また、ノンストップ音声入力の最中にもアイデアの履歴が確認しやすくなり、流れを見失いにくくなります。
ただしこの方法には欠点があり、音声入力による変換が終わるのを2秒ほど待つ必要があります。

4つ目のコツは、ラバーダッキングという説明方法を最初に行うことです。
ラバーダッキングとは、状況を整理して解決案を見つけるための手法の1つです。
おもちゃのアヒルに対して状況を1から説明していくことで、頭の中が整理され、解決案が思いつきやすくなるというものです。
この手法をノンストップ音声入力の最初に持ってきます。
ノンストップ音声入力においていきなり高速で喋りだすのは負担となりますが、誰かに状況を説明するようにして思考を開始すると、無理なく喋り始めることができます。
だんだん状況が整理されてくるにつれて、思考が加速していきアイデアもたくさん生まれてくるでしょう。
おもちゃのアヒルとは違って、実際に音声認識によって話を聞いてくれるというのも相性の良い点ですね。
「ねえGoogle、ちょっと聞いてくれよ……」といった出だしで話し始めると、もしかしたらスタートの心理的抵抗感が少なくていいかもしれません。

5つ目のコツは、ポモドーロテクニックという時間管理法でメリハリをつけることです。
ポモドーロテクニックとは、集中する時間と休憩する時間を決めて交互に繰り返すことで、集中力を長く保つ手法です。
ノンストップ音声入力を行う際にも、時間を15分や25分などと決めて、その間集中して思考を巡らすことで、アウトプットの密度を濃くすることができます。
また休憩の時間中にも、ぼんやりと目的なく思考している際にアイデアが浮かぶことがあります。
時間を決めてメリハリをつけることで、ノンストップ音声入力時のアイデアが質と量ともに高まります。

ノンストップ音声入力後のアイデアのまとめ方

ノンストップ音声入力を行って大方のアイデアが出尽くした後に、アイデアをまとめる方法を説明します。
出来上がった文章はたいていカオスなものになっていますので、まずは主要なアイデアを抽出するために下線引きを行います。
リアルタイムで下線引きを行っていた場合はこの作業が楽になります。
次に主要なアイデアを箇条書きにします。オススメの方法はOneNoteに内容をまとめていくことです。OneNoteに箇条書きすることで、そこから階層構造をもたせてアウトラインにするのが容易になります。
主要なアイデアは出尽くしており下地ができているので、まとめるのが非常に楽です。
さらにそこから別の形式に変換する際には、従来のノンストップライティングの手法がそのまま使えます。読書猿さんの例を以下に置いておきます。

ノンストップ音声入力まとめ

ノンストップライティングを音声入力で行うことによって、思考と同等のスピードで思考内容をアウトプットし、テンポよく思考を深めることができます。
簡単に始めることができ、デフォルトの思考法としてもうってつけです。
是非日常で使って、アイデアに溢れた日々を過ごしましょう!

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