Lido Financeのスラッシング事例リポートまとめ

Lido Financeのスラッシング事例:460万円相当のETH没収、Lidoが損失を補償

Lido Financeは、2023年10月12日未明に、イーサリアムの分散型ステーキング・プロトコルであるLido Financeで「スラッシング」と呼ばれる罰則イベントが発生しました。この事件に関与したのは、Lidoの分散型ネットワークの一部であるLaunchnodesによって運営される20のバリデーターで、暗号資産(仮想通貨)であるイーサリアム(ETH)の約20ETH(約460万円相当)が没収されました。

スラッシングの概要:
スラッシングは、ブロックチェーンネットワークにおいて、バリデーター(ノード運営者)がダウンタイム、不正行為、責務不履行などの理由で罰則を受けるプロセスです。イーサリアムの公式規定によれば、ステークしたETHの1/32(最大で1ETH)が即座に破壊され、その後36日間の削除期間中に追加のペナルティが計算されます。

スラッシング事例の原因:
今回のスラッシング事件に影響を与えたのはLaunchnodesと呼ばれる20のバリデーターで、トラブルの原因は「インフラストラクチャとWeb3サインアップ構成の問題」に起因しています。関与するバリデーターは、問題のトラブルシューティングのために一時的にオフラインになりました。停止期間が長引けば、スラッシングの影響も増加する見込みです。

Lidoの対応:
Lido Financeは、このスラッシングによる損失を全てカバーし、stETHの保有者に対して追加の損失が発生しないことを明言しました。スラッシングの影響を緩和するために、Lidoはカバーファンドに約6,200 ETH(約15億円相当)を蓄積しています。具体的な損失規模は後日判断され、Lido DAOカバーファンドが影響を受けたホルダーに対して補償すべきかどうかはコミュニティで議論・決定される予定です。

影響:
Lido Financeはイーサリアムの分散型ステーキングプールプロトコルで、ユーザーがイーサリアムを預け、プロのバリデータによる運用を受け、受益トークン(stETH)を受け取り、さまざまなDeFiプロトコルに参加することができるプラットフォームです。バリデーターによる問題が発生した場合、stETHホルダーは損失を被る可能性があります。しかし、Lidoが損失をカバーするという方針により、stETHの価値にはほとんど影響がありませんでした。

LidoはDefiLlamaによれば、現在もっとも大きなリキッドステーキングプロトコルで、同プロトコルにロックされた総資産の価値は約2兆円に上ると報告されています。

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