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【じーじは見た!】後編:電力料金値上げ申請の公聴会を見てみた⁉️

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

今回は、みなし小売電気事業者(10社)の1社である東京電力エナジーパートナー株式会社の電気料金値上げ申請の公聴会を見ています。

本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。


✅電気料金値上げのプロセスについて

前編では、公聴会で示された資料の目次だけを示しましたがその中からいくつか資料をみていきましょう。

まずは、公聴会と聞いて「電力小売りは自由化になったハズなのに、公聴会があって良かった。企業努力もないまま一方的に値上げを通告されて、はいお終いよりはましだ。」と思われませんでしたか?

公聴会 資料5より抜粋

2020年4月以降も電力小売り価格の規制が解除されていなかったのですね。

今回、値上げのプロセスが国民に示されて、東京電力エナジーパートナー株式会社がどういう状況なのかの情報が示されて、値上げは困るけれど問題が可視化されて、国民側でも分析できるのは良かったです。

東京電力ホールディングス(TEPCO)は、次の4社の持ち株会社です。
①火力発電事業会社が、東京電力フュエル&パワー株式会社
②再エネ発電事業者が、東京電力リニューアブルパワー株式会社
③送配電事業会社が、東京電力パワーグリッド株式会社
④電力小売事業会社が、東京電力エナジーパートナー株式会社

これは、経過措置料金という経産大臣の認可が必要な規制料金であることから取られている措置なのです。

前編で説明したみなし小売電気事業者が東京電力エナジーパートナーです。公聴会資料には、TEPCO(ホールディングカンパニー:親会社)の名前もあります。

(みなし小売電気事業者の特定小売供給約款)
第十八条第一項 みなし小売電気事業者は、附則第十六条第一項の義務を負う間、特定小売供給に係る 料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、特定小売供給約款を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

公聴会 資料5より抜粋
公聴会 資料5より抜粋

つまりこの公聴会は、価格改定に関する経産大臣の認可を受けるための大切なプロセスなのです。

✅企業努力ではどうしようもないか?

公聴会の資料にはありませんが、公開されている値上げ申請書の中には、結構細かなデータが示されていました。

申請書類等 「経営効率化への取り組みについて」より抜粋

これだけでは、よく分かりませんが、とにかく人数を減らして人件費はまがりなりにも削減してきたというデータを準備しています。

申請書類等 「経営効率化への取り組みについて」より抜粋
申請書類等 「経営効率化への取り組みについて」より抜粋

9億円の人件費削減を含めて2,642億円のコストダウンをやってきましたが、2021年度の実績に対しての購入電力費の増加が、2兆8,363億円👇なんですから東京電力エナジーとしては、値上げするしか方法がありません。

企業努力ではどうにもならない状況なのです。

公聴会 資料6「規制料金値上げ申請等の概要について」より抜粋

✅どうしていけばいいのでしょうか?

公聴会 資料6「規制料金値上げ申請等の概要について」より抜粋

凄いでしょ東京電力エナジーパートナーの電力仕入れ価格の上昇?

仕方ないですよね。化石燃料が全部上がっていますからね。
LNGで2倍、原油で3倍、石炭で4倍の価格になっています。

公聴会 資料6「規制料金値上げ申請等の概要について」より抜粋

原発事故直後との違いは、再エネ(FIT)が増え、重油ボイラーとガスボイラーの比率が減って、石炭依存が増えているということです。

世界から「脱石炭」を求められているのに、石炭ボイラーの電力を調達せざるを得ないのは、TEPCOの問題というよりも、発電事業者の電源構成の問題であり、日本の中でも電力需要の一番大きな関東地方を担っているのに系統が融通しあえない日本の電力政策の問題なのです。

おそらく、原発事故の後、FIT制度を立ち上げて再エネ電力を求めてきたものの、JERAや東京電力フュエル&パワー株式会社の火力発電に依存しなければ、経済を維持できなかったのです。

再エネ最優先と言うは易し行うは難しで、原子力をどうするかも曖昧にしてきたので、LNGの買い負けもあってもはや一電力会社の問題ではどうしようもありません。

電気料金がかつての倍に上がるのなら、計画的に再エネや日本が先行してきた水素を活用しておけば良かった。そうすれば、同盟国並みのエネルギー費で済んで、ロシアの天然ガスに依存することもなかったのにと今になって思ってみても後の祭りです。

でも、遅くはありません。そういった全体像を決めて、今からやっていけば、10年後の未来には違った姿になっているハズです。

日本の政治家はどうして目先の既得権益者の利益優先で、目の前の選挙目当ての世間ウケの良いことしか言わないのでしょうか?どうして未来の日本の競争力を左右するような重要なことを先送りし続けるのでしょうか?

あれだけの原発事故を起こした後、政権交代が起こりました。

しかし、政権交代が起こって戻った政権は与党自民党であって、元のさやに収まっただけで、系統だとか容量市場だとか、排出権取引市場といった市場の力で現状を変えていくということに政治は後ろ向きでした。

その結果が、今の電気料金の値上げであり、30年給料が上がらない社会なのだと思います。

せっかく、こういった情報が公表されているのですから、若い人にこそいろいろと考えてもらいたいものです。

頑張れZ世代!

☆☆☆
(感謝)

▼中森学さんの「【紹介】(後半) noteの世界に溢れる素敵な言葉。~「これは名言だ!」と思った言葉を集めてみた~」の中でじーじを紹介いただきました。学さん、素敵なnoterさんと一緒にじーじも紹介いただき、本当に嬉しかったです。ありがとうございます。

いつの時代もイノベーターたちは、
既得権益者の常識を打ち破る「逆張り」をして成長してきました。

【じーじのもろもろ】逆張りの経営の凄さ⁉️

▼月曜日におめでとうございます!通知をいただきました。これも読んでいただいている皆さんのスキ応援のお陰です。どうもありがとうございます😊

【note川柳】#52:お題は「G7」(256~260)

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