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【じーじは見た!】後編:人材版伊藤レポート2.0に見る伊藤邦雄さんの想い⁉(人はコストじゃねえ!)

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉

人材版伊藤レポートバージョン2「人材版伊藤レポート2.0」は、人的資本経営の実現に向けた検討会の報告書として2022年5月13日に公表されました。

冒頭の伊藤邦雄さんのコメントを通してバージョン2に込めた想いを確認しています。

本編は後編です。前編から読んでいただくと話が繋がります。

✅人材版伊藤レポート2.0の策定に寄せて③

第1は、コーポレート・ガバナンス改革の文脈で捉えること。日本は 2010 年代に入りガバナンス改革を進めてきた。人事・人材戦略もそうした大きな枠組みの中で議論する必要があった。

第2は、持続的な企業価値創造という文脈で議論すること。今や企業価値の決定因子は有形資産から無形資産に移行した。その無形資産の中核が紛れもなく人材である。したがって、人材の価値を高めれば,無形資産の価値が高まり、それが企業価値を持続的に押し上げることになる。

第3は、人事・人材変革を起こすのに、資本市場の力を借りようと試みた。なぜなら先進的な投資家は近年、人事・人材戦略に強い関心を寄せている。その証拠に人事部門の責任者(CHRO)と直接対話を始めている機関投資家も少なく ない。今まで見られなかった光景である。こうした観点から、代表的な投資家の 方たちに研究会のメンバーになっていただいた。

人材版伊藤レポート2.0より引用③

要するに戦後復興モデルにおける「人材」はムラの住民としてコスト削減に貢献する働きバチであって人財と呼ばれる「人」であっても「コスト」と考えられてきたのです。

コストはミニマイズするべきものですからずっと「人を安く雇う競争」をして企業は生き残ってきました。

それをいきなり企業で働く人は「人的資本」だとか、社員のスキルや能力という人材の価値が「伸び縮みする無形資産」だとか、「企業価値を持続的に押し上げる原動力」だと言われても、そんな風に考えてこなかった経営者も多く、そう簡単に変われるものではありません。

✅人材版伊藤レポート2.0の策定に寄せて④

叱責されるのを覚悟であえて言えば、これまでの人事・人材をめぐる議論は人事部門の世界に終始し過ぎてきたのではなかったか。「管理思考」の議論の域をどれだけ出ていただろうか。

経営変革、人材変革、企業文化変革というもっと広い文脈で議論してきただろうか。 人材は「管理」の対象ではなく、その価値が伸び縮みする「資本」なのである。 企業側が適切な機会や環境を提供すれば人材価値は上昇し、放置すれば価値が縮減してしまう。人材の潜在力を見出し、活かし、育成することが、今まさに求められている。

こうした視点を内包した人材版伊藤レポートでは、「3P・5Fモデル」を提唱し、3つの視点と5つの共通要素を提示した。なかでも「経営戦略と人材戦略が同期しているか」という視点を強調した。一見当たり前のように実践されていると思っていたことが、実はそうではなかった。不都合な現実が次々と浮かび上がってきた。多くの人事部門の方たち、CHROが自己反省と悶絶を始めた。

自社の企業文化が果たして組織や個人の行動変容を促すようなものになって いるか。「メンバー」である社員の間の「一体感」を楽観し、企業文化の変革を断行してきただろうか。

中長期的な経営戦略と現有人材との間のギャップを可視化してきただろうか。感覚的には分かっていても、可視化しなければ確かなる手は打てない。そうしたギャップを埋めるために、「リスキル」を推奨した。従来、戦略的なリスキルの場や機会を企業は社員に本気で提供してきただろうか。

人材版伊藤レポート2.0より引用④

「3P・5Fモデル」の概略を知りたい方は上記をご覧ください。👆

伊藤邦雄さんは「人的資源管理」(人件費というコスト管理)に主眼を置くのではなく「人的資本経営」(人を無形の資産としてその能力や意欲を伸ばす経営)を目指しましょうと言っておられるのです。

✅人材版伊藤レポート2.0の策定に寄せて⑤

レポートは 2021 年6月に公表された「コーポレートガバナンス・コード」の 改訂に反映された。同改訂で、「人的資本への投資と開示」が強調されるに至っ たのである。

人材版伊藤レポートはパラダイム変化を迫るための問題提起をした。しかし、 問題を受け止めただけでは、人材価値は高まらないし、企業価値も高まらない。 多くのセミナーで参加者から、具体策について質問を多く受けた。「具体策は自分たちでどうぞ考え抜いてください」と言い放つのはもちろん可能であるが、皆さんの人事改革に何とか着手したいという問題意識と真摯さに突き動かされる ように、私たちは再び 2021 年7月に「人的資本経営の実現に向けた検討会」を立ち上げ、より議論を深め、皆さんを実践的にガイドするようなアイディアや施策や視点を提示することにした。それとともに、先進的な取り組みをしている企 業の事例集も盛り込もうということになった。それが「人材版伊藤レポート 2.0」 として結実した。

9回にわたる検討会は毎回、2時間があっという間に過ぎるほどエキサイテ ィングで内容が濃かった。委員の皆さんの多様性と専門性の高さと経験の深さ が、議論の醍醐味を生み出した。検討会の多様性は、ある意味で企業組織にも通ずる象徴的なものとなった。やはり新機軸は多様性と専門性の掛け算によって生まれる。それを体感した検討会だった。

人的資本の価値の最大化には、従来の雇用慣行やパラダイムから脱却するこ とが求められる。個人も主体的に、そして自律的に変わり、会社も社員一人ひとりと丁寧に向き合い、多様性を大事にし、更に高めるための支援や施策を推し進めていただきたい。そうしてこそ個人と組織が互いに選び選ばれる関係が構築できる。

本レポートが日本における本格的な人的資本投資と経営変革の触媒になって ほしいと願うばかりである。
2022 年5月
人的資本経営の実現に向けた検討会
座長 伊藤邦雄

人材版伊藤レポート2.0より引用⑤

いかがでしたか?

伊藤邦雄さんは、『個人は主体的に、そして自律的に変わり、会社は社員一人ひとりと丁寧に向き合い、多様性を大事にするように変わり、個人と組織が互いに選び選ばれる関係構築』『そのためには従来の雇用慣行やパラダイムから脱却』こそが日本復活の鍵だとまとめられています。

興味を持たれた方は、是非レポート本文も読んでみてくださいね。

☆☆☆
(感謝)

▼きしゃこく先生のしゃかせん「毎昼12時」でじーじの記事を紹介いただきました。記者国先生、どうもありがとうございます。人材版伊藤レポートを多くの方に知っていただけたら嬉しいです。

【じーじは見た!】前編:人材版伊藤レポート2.0に見る伊藤邦雄さんの想い⁉

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