見出し画像

昆虫を好きになって世界平和を

かなり大きく出たタイトルですが、私は幼児期から昆虫と接することで、差別が減り、世界が平和になると思っているんです。本気で思っています。

私たち人間から見たら、昆虫はかなり遠い存在なんだと思います。骨の周りに筋肉があるのではなく、殻の中に筋肉があります。幼虫、サナギ、成虫とかなり大きく姿を変えます。羽根が生えます。サナギなんて何でしょうあれ。中身がドロドロに溶けて再生されますからね。どういう工程で進化したんだと思ってしまいます。

まあ、昆虫の定義はいいとして、私がいつも思っていることがあるんです。「昆虫は子供の一番身近にいる他者」だと思っています。アリ、ハチ、ハエ、蚊などはすぐそこにいますし、イモムシや毛虫だって割と目にすることが多いです。

それらの昆虫に対して、子供の親が大げさに騒ぐことで、子供が昆虫嫌いになります。イモムシを見たらギャーッ!ハチを見たらギャーッ!ゴキブリを見たらギャーッ!セミを見たらギャーッ!カブトムシを見たらギャーッ!

小学生の子供ならまだしも、幼児期の子供は完全に「昆虫恐怖」が刷り込まれると思います。「昆虫は怖いもの」「自分の近くにいてはいけないもの」「排除すべき他者」として認識していくと思います。

それがエスカレートして、「見たくないもの」「目の前から消えていいもの」「駆除すべきもの」「殺すべきもの」となって行く気がします。

子供にとって「一番身近にいる他者」である昆虫を、「醜悪なものとして認識する」「存在を否定する」「目の前から消す」が習慣付くと、人間に対してもそう思うクセがつくんじゃないかと心配になります。

もちろん、昆虫と人間はまったく別物なので、「昆虫は嫌いだけど人間は好き」という人が多いと思いますが、昆虫が嫌いな理由を考えてみると、割と遠い話ではありません。

昆虫の中でも、明らかに人間に危害を加えるのは、オオスズメバチなどのハチの仲間とか、チャドクガなどのドクガの仲間とか、そんなに多くは無いと思います。世界に目を向けたらもっと危険な昆虫がいると思いますが、日本ではそんな感じだと思います。

それにも関わらず、昆虫と言えばなんでも嫌いという人が本当に多いです。その理由は「気持ち悪いから」「得体が知れないから」「何を考えてるかわからないから」だったりします。これらの理由は、人間を差別する時と同じ理由です。

私は昆虫嫌いに育ってしまった大人も、昆虫好きになるべきだとは思いません。たぶんもう手遅れだからです。何十年もかけて刷り込まれてしまった恐怖心や嫌悪感を変えるのは大変なことだと思いますし。

でも、わざわざ恐怖感や嫌悪感を刷り込まれなくてもいい子供たちに、大人の態度によって刷り込んで欲しくないと思います。

私は昆虫が大好きなので、昆虫好きな人間が増えたらいいなと思っているのもあるのですが、昆虫好きにならなくてもいいので、少なくとも昆虫を毛嫌いする大人を量産しなくてもいいんじゃないかと思うんです。

だから、幼児期の子供を育てている親御さんは、自分が昆虫が大嫌いで、見たくも触りたくもないかもしれませんが、昆虫が目の前に現れたからと言って、ギャーッ!と大騒ぎしないで欲しいと思います。子供はそれの繰り返しで昆虫に恐怖を覚え、嫌悪感につながって行き、「存在を否定していい存在」として認識してしまいます。

自分に危害を与える存在ではないのに、存在を否定していい存在として認識してしまうんです。自分に危害を与える存在ではないのに、醜悪だとレッテルを貼っていい存在だと認識してしまうんです。自分に危害を与える存在ではないのに、目の前から消していい存在として認識してしまうんです。

私は幼児向けの教育コンテンツをよく作っているので、その現場でも声を大にして言っていますが、マーケティング的に、昆虫はマイノリティであり、どちらかというと否定される存在だったりします。昆虫を全面に出すと親が嫌がるから出せないんです。見られなくなるんです。売れなくなるんです。「昆虫が出て嫌悪感を感じた子供が、私たちの作った映像を二度と見てくれなくなったら困るんです。」と言われます。

私はそれでも孤軍奮闘して、事あるごとに言っていますが、「あの人、特殊だから…」「昆虫が好きな人だから…」「マニアだよね?」という視線を感じざるを得ません。もう慣れっこですけど。「あの人、ま〜た同じ話してるよ…」とも思われてる事でしょう。

私はあえて「昆虫」という書き方をしてきましたが、もっと言うと「ムシ」と言われているもの全般ですね。昆虫以外の方が嫌われている種類が多いかもしれません。ムカデ、ヤスデ、クモ、ゲジゲジ、ナメクジなんかは、かなり嫌われてますね。ハリガネムシとか寄生虫周りも、かなり嫌われていると思います。

いや、私はこういう古くから気持ち悪いとカテゴライズされてきた「ムシ」すらをも好きになって欲しいとは思ってません。この辺の「ムシ」は、人間のDNAに刷り込まれたレベルでの「忌避感」だと思いますから。

でも、カブトムシや、トンボ、バッタ、カマキリ、テントウムシなんかで、いちいちギャーッ!と言わないで欲しいと思います。これは「子供の前で」です。大人が一人で勝手にギャーギャー言ってる事に関しては、何とも思いません。ムシ嫌いな大人にならないために、子供たちの前でギャーギャー言わないで欲しいと思ってるんです。

ここのところ、差別が正論の顔をして歩いている気がしたので、前々から思っていたことを書いてみました。

昆虫大好き!

サポートして頂けたら、更新頻度が上がる気がしておりますが、読んで頂けるだけで嬉しいです!