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オレのプライドが〜っ!

プライドとか自意識とか嫉妬とか、歳を取るとともにそのコントロールが大事になって来ます。

世の中で一番もてはやされるのは20〜40代でしょうか。50代以上になると人から「伸び」を期待されることはありません。50代以上になれば、すでに完成していると思われてるからです。私だって20代のころは、50代以上の人を見て完成している大人だと思ってましたからね。

完璧に完成していて、それ以上伸びるなんて1mmも思ってません。あの先輩方はもう上がった人で、そういう人生で、あとは滑空するように余生を過ごすんだなと思ってました。

いやしかし!

いまの私はその年齢なんです。現役生活という長旅を終え、あとは余生を生きると思っていた年齢なんです。社会的地位もそれなりにあり、葉山の自宅のローンも払い終え、3人の子供たちも成人し、今は奥さんと愛犬2匹に囲まれて、たまに昔の友人を呼んで浜辺でバーベーキューをしてる年齢なんです。

バーベキューと言っても、大きな鉄板でイセエビとかホタテを焼くとかじゃありませんよ。小さな七輪に最高級の備長炭を入れて、100g3000円ぐらいする葉山牛を80gぐらい食べるだけです。頂きもののオーパスワンで。

いやしかし!(2回目)

私、今だにコンテ描きに追われて手首が腱鞘炎になってますからね。「そのセリフ、意味がわからないんで修正して下さい。」「承知しましたっ!」というやりとりしてますからね。カメラの真横に陣取って、ブツ撮りの采配を最前線でやってますからね。合戦でハリセンを持って「行け〜っ!」ってやってますからね。

イメージしていた50代と現実の50代のギャップが凄すぎます。

いやしかし!(3回目)

それが出来ているのは、プライドがそれほど高くないからかも知れません。心の奥底のプライドという言うよりも、社会生活で使っている普段遣いのプライドがですね。仕事モードになると割と自分を下に置くクセがあります。それはずっと広告をやって来たからでしょう。CMディレクターはチヤホヤされる仕事でしたが、実は主体性のない立場でしたから。

企業が人たちが心血注いで作った商品で、CMの企画は広告代理店のプランナーが考えて、それをカタチにするのがCMディレクターの仕事です。実はゼロからイチを生み出してない仕事なんです。現場ですらOKを出すのはクライアントですから。監督の一存でOKなど出せません。いつも「カットっ!OK!ですかね…?」とクライアントの方を見るんです。そんな仕事だから、そもそもプライドなんて無いんでしょうけど。

いやしかし!(4回目)

普段遣いのプライドを使っていれば心穏やかでいられるんですが、おじさんはそんな生き物ではありません。「オレのプライドが!オレのプライドが〜っ!!!」と叫ぶのが野生のおじさんです。図鑑にも書いてありました。「性質:集団から追い出されないように、普段は若い個体に気を使うが、プライドが高く、しばしば「オレのプライドが〜っ!」と叫び、集団から追い出される事がある。50歳を超えたおじさんに顕著。」と。

そして、恐ろしいことにおじさんから吹き出す「オレのプライドが〜っ!」は、地下のマグマに触れた地下水が水蒸気になって吹き出す水蒸気噴火に匹敵する圧を持って噴出します。全力でその噴出を止めないと止まりません。

止めるのは誰か?噴出させているおじさん自身です。自分で止めるしか無いのです。全身全霊で止めるんです。じゃないと、集団から追い出されますから。

なぜ50代のおじさんがそんなに水蒸気を噴出させてしまうのかというと、50代はチヤホヤされないからです。誰からももう「伸びない」と思われているのでチヤホヤされないのです。つい最近までチヤホヤされていたのにです。

何なら社長が係長に降格したようなものです。だから、メンタルが維持出来ないんです。そして、「オレのプライドが!オレのプライドが〜っ!!!」と叫ぶのです。心の中で叫ぶのです。声に出して叫んだら集団から追い出されますから。「集団から追い出される」って言い方、霊長類みたいでいいですよね。

そんなおじさんたちに朗報です。「オレのプライドが!オレのプライドが〜っ!!!」という気持ちを一瞬で消滅させるマインドセットがあるんです。

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平林勇500円

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