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風邪をひくと絶望する

タイトル通り、私は風邪をひくと絶望します。

みなさんはどうなんでしょうか?私は風邪をひくのが本当にイヤなんです。ちょっとでもイヤなんです。ちょっとでもゾゾゾっとしたら、すぐに葛根湯を飲みます。葛根湯は風邪をひいてしまってからでは効かない薬だと思うんですが、私は葛根湯を飲むベストタイミングが分かります。ここぞというタイミングで葛根湯を飲むんです。だから風邪を未然に防ぐことも多いんです。

でも、風邪が未然に防げないこともあります。水の様な鼻水が垂れてきたら、ウイルスに突破されたなと思います。ノドが痛くなってきたら、関所が破られたなと思います。咳が出始めたら本丸を落とされたなと思います。

基本的にウイルスとの戦いを、関ヶ原の戦いみたいにイメージしています。ウイルスは兜を来て馬に乗っていますし、私の免疫も同じ格好をしています。完全に風邪をひいた時、私の体の中には戦いで殺された免疫の兵士の死骸で溢れているイメージになります。痰の中に無数の死骸を感じます。

そして私は絶望するんです。

ほぼ毎回絶望します。生まれた時からこの倦怠感で、今後一生この倦怠感と付き合うんだな、とすら思います。大げさなんです。

少しでも前向きに風邪をとらえたいと思い検索すると、野口晴哉さんという方が書かれた『風邪の効用』という本が出てきます。この本には「風邪をひく方が健康である」ぐらいの事が書かれています。「風邪をひかない人は逆にコロッと死んじゃう」みたいなことも書いてあります。私はこの本を学生の頃に買って読んだことがあったので、私は学生の頃から風邪をひくと絶望していたんでしょう。

風邪をひくと、私はビタミンCを大量に飲んだり、熱い風呂に入ってからすぐに布団に入って大量の汗をかいたり、ありえないほど高いユンケルを買って飲んだり、ものすごくジタバタします。

毎回同じページを検索して、同じところを読んでいます。「風邪は1週間〜10日ほどで完治する」というページよりも、「風邪は3日〜1週間で完治する」と書いてある方を信じます。

さらに、普段だったら躊躇するA5ランクの和牛やウナギを買って食べたりもします。いますぐにでも風邪を治したいから、そんな無茶をしてしまう一方で、「ヤケクソ」「八つ当たり」「自暴自棄」だったりもします。「もうどうなってもいい」という気持ちです。絶望してますから。

明日地球が滅亡するぐらいの絶望感なのに「ウナギを食べる」程度の自暴自棄っておかしいですよね。たぶん、風邪をひいたのをいいことに、自分すらをも騙して、風邪を言い訳に食べたいものを食べているだけなんでしょうね。大げさというか、セコいというか。まあ、絶望してますから。

それにしても、私は何で風邪をひくと絶望するんでしょうね。私の周りで働いている人を見ていても、みんなマスクをしながらも普通に仕事をしていたりします。咳が辛そうに見えたりしますが、絶望しているようには見えません。「みんな、メンタル最強だな。」と感心します。

ちょっと調べてみると、精神を安定させているセロトニンという物質が、風邪をひく事で不足し、精神的に不安定になると書いてあります。私はそれの極端な症状が出るってことなんですかね。

私は普段、他の人よりも幸福感が強いんじゃないかと思っています。社会の中で働いているのに、ストレスゼロと感じている時間がかなり長いですから。普段からセロトニンの量が多いから、風邪でそれが一気に不足すると、「気分が乗らない」をすっ飛ばして、絶望してしまうのかもしれません。

風邪をひくと毎回、どうやって早く治すかを徹底的に検索して、普段食べられないものを食べて、仕事がある事に腹を立て、この世の終わりばりに絶望しているうちに、風邪って治っちゃうんですよね。あんなに絶望してたのに。

治っちゃうとその風邪の総括をすること無く、日常に戻ってしまいます。「この戦争はなぜ起きたのか?」という総括がないんです。あっという間に「もはや戦後ではない」と言い出します。ものすごい勢いで復興していきます。ウェーイと言って飲みに行きます。バブルの始まりです。

毎回、反省と総括と、未来に向けた提言がないんです。しっかりと過去を振り返れば、あそこで鼻をほじった、あそこで汗が冷えた、あそこで葛根湯を飲み忘れた、あそこで飲みすぎた、という「ポイントオブノーリターン」がわかるはずなんですが、毎回それをしないんですね。「ポイントオブノーリターン」て初めて使いましたけど、使い方あってますかね。

もしかしたら、風邪のウイルスが私の体から消える時に、絶望の記憶を消して行くのかもしれません。散々私の体の中で分裂してウイルスを繁殖させた後に。そして、人間が牧場の家畜を見ているように、ウイルスは我々人類を家畜の様に見ているんじゃなかろうか、とも思います。コントロール可能な生き物として。

と、今回は風邪について書いてみましたが、「私もnoteやりたんですけど、私の日常なんて平林さんみたく面白いことがあるわけじゃないから、何も書くことがないんです。」という方々へ。「起きたことではなく、思ったことを書けば、いくらでも書ける。」というサンプルのひとつになれば良いなと思っております。

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