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石田徹也展@ソフィア王妃美術センター

マドリードのソフィア王妃美術センターで始まった『石田徹也展』のオープニングセレモニーに参加して来ました。

会場はピカソのゲルニカや、ダリやミロの絵が置いてある本館ではなく、ベラスケス宮殿という別館の方です。

ベラスケス宮殿は天井が高く、とても巨大な場所なのですが、そこに石田くんの作品だけが展示されています。

ものすごく贅沢な空間が取られていて、天井からの光が美しい、最高に素晴らしい環境での展示でした。

石田くんはワンルームの壁に大きなキャンバスを立てかけて書いていたので、ギャラリーで5メートルぐらい離れて見られることは想定していても、まさか30〜50メートル離れて見られるとは想像もしていなかったと思います。

もちろん、それだけ離れても絵の力が弱くなることは無いのですが、ワンルームで描いていた描き込みがもの凄いので、15cmぐらいまで近づいて見ても面白いんです。本当にもの凄く描き込んでますので。でも、15cmぐらいまで近づくと、学芸員の方が近づいてきて、もっと離れるようにと言われます。

私は若い時、石田くんと一緒に「毎日広告デザイン賞」という公募に応募したことがあり、一回目は優秀賞をもらい、二回目は奨励賞をもらいました。95%石田くんの力による受賞なのですが、若かった私たちが作ったものが、スペインのマドリードで、こんな余白を持った展示のされ方をされるとは夢にも思いませんでした。この下にある写真の絵は新聞30段のサイズになります。

今回のマドリードでは、美術関係の方々からいろんな話を聞くことが出来ましたが、ヨーロッパでこのレベル感で展示が出来るのは、並大抵の評価のされ方じゃないと感じました。日本では「悲劇の画家」みたいなストーリーで紹介されることが多かったのですが、海外の人は石田くんが生きてるのか死んでるのか、そんな事は関係なく、作品だけで評価しています。石田くんが海外に行きたがっていた理由もまさに「作品だけで評価される世界に行きたい」という事でもありました。

この巨大な美術館の正面に「Tetsuya Ishida」と看板に書いてあるって、すごいことだなと改めて思いました。

スペインでは当日に、早くもニュースになっていました。スペイン語なので、何が語られているのかわからないのですが。

今回は実質二日間しかマドリードにいなかったのですが、とても濃密な旅でした。ヨーロッパの人たちが石田徹也という画家を知り、今後さらにどんな展開になっていくのかとても楽しみです。9月までやってますので、マドリードに行かれる方がいましたら、ぜひ見に行って頂きたいと思います。

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