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有料マガジンなんておこがましくて

先日、『どうでもいいことを書けばいい』というnoteを書いたら、たくさんの人からスキをもらいました。

Xでもいろいろな感想を頂ましたが、多くは「かしこまらなくていいんですよね」とか「肩の力が抜けましたと」とか、そんな感想が多かったです。たぶん皆さん、noteを書くにあたって、肩の力がガチガチに入ってしまってるんでしょう。

クルマの免許の取り立てのような緊張感があるんだと思います。ハンドルの上の方をガッチリ持って、前のめりに座って運転するイメージです。「首都高に乗るなんてとんでもない。まだ死にたくない。」とすら思ってることでしょう。

でも、運転を始めて1年も経つと、どんな風に緊張していたのかすら思い出せません。「クルマの運転が怖いとか意味わからん」という風になるものです。

noteも同じだから、さっさと始めて1年ぐらい続ければいいんです。そうすれば首都高に乗るのも怖くなくなりますし、ETCのゲートも突っ込んで行けます。

いやしかし!

首都高に乗れるようになったとしても、有料マガジンはハードルが高いんですよね。有料マガジンや有料の記事は海外でクルマを運転するようなものですから。比喩ばかりですいませんですけど。

日本国内でクルマの運転が出来ても、ほとんどの人は海外でクルマの運転をするなんてあり得ないと思ってるはずです。私も海外でクルマの運転はしたことがありませんし、郊外ならともかく、ニューヨークなんかの都市部でクルマを運転するなんてあり得ないと思ってます。

有料マガジンはそのぐらいの勇気と胆力と大胆さが必要なんです。必要なんですというか、必要だと思ってました。

私が有料マガジンを始めたのはワタナベアニさんに勧められたからです。何度か勧められましたが何度も断りました。それは「わたくしめの文章などを店頭に並べてお金を頂戴するなどおこがましいなんてもんじゃありません」と思ったからです。それは本気で思ってました。

今の私はもう麻痺してしまって、「有料ですが何か?」という顔をして書いてますが、始める前は本当に文章を有料で出すなんてあり得ないと思ってました。

一番気にしたのは、売れないことではありません。「才能のないオメエが書いた文章を有料で売るとかいい根性してるじゃねえかこのクソが」と思われるのが怖かったことです。たぶん、noteは書いてるけど有料に踏み出せない人はそういう人が多いと思います。「こんな排泄物みたいなものを店頭にならべて値札を付けるなんてとてもとても」と思っているはずなんです。

私もその意識が強くてとてもじゃないけど有料には踏み込めなかったんですけど、ワタナベアニさんから「有料にした方が変な人にからまれない」と言われて、それを大義名分にして始めたんです。

そういう大義名分って使い勝手いいんですよね。自分の決断ではなくて、「そういうことなら有料にしてみます。わたくしめの文章なんか売るに値しないことは重々承知してますが、変な人に絡まれなくなるなら渋々有料化してみます。ま、その方がいいですよね。不本意だけど有料化してみますよ。」と、やらされた感を演出できますから。

自分の意志ではなく環境がそうさせたという、自分と有料化の距離をグーッと離すことが出来るんです。「しょうがないね全く。絡んでくる人がいるなんてイヤな時代になったもんだね。」と人のせいに出来るんです。

この自意識過剰は強烈ですよね。noteの記事を有料にしようが無料にしようが、ハッキリ言ってどうでもいい話ですし、他人は全く興味がない話なんです。今の私だったらその当時の私にこう言います。

「自分の書く文章に価値があるとか無いとかそんな事ばかり気にしてるけど、オマエの書く文章には最初から価値なんて無いんだから。その自意識過剰やめろ。スーパーで米と刺身と酢を買ってきて、レシピ見ながら握る寿司みたいなものなんだから、価値があるとか無いとかそういうレベルの話じゃない。文章を書くプロの前でその自意識過剰出したら、ウンコを踏んだ革靴の底を見るような目で見られるぞ。」と。

有料化もそうですし、そもそもnoteを書くのも恥ずかしいと思ってる人は自意識過剰なんです。誰にも期待されてないんですからやればいいんです。「いや、オレに限っては期待されてると思う…」って、だからその自意識過剰w

自分が他の人をどう見ているか考えれば分かります。仕事仲間のあの人や、年下のあの人や、クライアントのあの人がnoteを始めて、言いたいことを言って、挙げ句に有料マガジンを作ったとしても、大して興味無くないですか?人って想像を遥かに超えるほど、人に興味ありませんから。

そして、ワタナベアニさんに言われた通り、有料マガジンで突っ込んだ話をしても変な絡み方をしてくる人はいませんでした。もっと言うならば、有料マガジンの内側は安全圏なので、気楽に本音を書くことが出来ます。

実は無料記事ってメチャクチャ緊張感ありますからね。無料ゾーンにいる方が危ないんです。

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