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Outside United #1 ラッシュフォード完全復活を検証?

Outside United はじめます!

こんにちは、3 流ユナサポのひらきです。
僕は The Retreat Time !! というサッカーのポッドキャストをやっているサッカー好きのアラサーです。
このポッドキャストでは週 1 で欧州サッカーのあれこれを話しています。

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ポッドキャストとは別に、大好きなユナイテッドを月 1 くらいで追っていきたい & 文章として情報を整理してユナイテッドに対する僕の考えや感情を残していきたいと思い、この Outside United を始めてみます。
ちなみにタイトルですが Inside United という現地雑誌が由来です。
あくまで 3 流ユナサポ、アウトサイダーな立場として気軽にやっていきという気概を込めてこのタイトルとしました。

今回は個人的に気になっているラッシュフォードの完全復活の要因をインタビュー記事や FBref などのデータソースサイトを使って個人的に調べてみようと思います。
サッカーのデータサイトに関しては以下のサイトにまとめているのでぜひ!

※ この記事は 22/23 プレミアリーグ第 19, 20 節終了付近に書いたものなので情報に若干時差があるかもしれませんがご了承ください。

ラッシュフォードが完全復活を検証!?

好調のラッシュフォードですが、すでに昨季を超える活躍を見せています。
昨季は 32 試合 5 ゴール 2 アシストとユナイテッド加入後最低のスタッツでしたが、今季は 25 試合 15 ゴール 5 アシストとキャリアハイとなり得るような活躍ぶりです。(ちなみにベストは 20/21 の 21 ゴール、13 アシスト)

また記録も何個か作っており、ワールドカップ前にユナイテッドでの公式戦 100 ゴール達成やレジェンドであるルーニーの 7 試合連続得点記録を破るなどマンチェスター・ユナイテッドの歴史にも名を残しつつあります。

シティ戦も(疑惑のプレーはありつつも)決勝点をマークして好調ユナイテッドを支えるエースと言っても過言ではありません。
そんなラッシュフォードなんですが、本当に完全復活なのでしょうか?
急に得点を量産しだした要因なにかを調べていきます。

継続的に試合に出場

今季コンスタントに試合に出れていることが好調のベースとなっています。
意外にも今季はチームの中でデヘア、ブルーノに続いて、 3 番目に出場時間が多い選手となっています。

ユナイテッド出場時間ランキング

昨季に比べて変わった点が怪我です。
21/22 シーズン前に手術したのもありますが、昨季は怪我で 12 試合シーズンの約 1/3 の試合を欠場しています。
ユーロがあったり、今より交代枠が少なかったというものありますが、怪我によって活躍の機会を損なったといってもよいでしょう。

ラッシュフォードの負傷履歴

またメンタル面でも改善も大きかったと本人は語っています。

「正直言って、クラブ全体とトレーニング場のエネルギーが全く違うんだ。そのおかげで精神状態も良いし、モチベーションも高い」
「昨シーズンの僕は、その部分で苦しんでいた。自分のパフォーマンスというより、精神的なもの」
「ピッチ外でのこともあった。それが今シーズンとの大きな違い」

"ラッシュフォード「良い精神状態」" . https://www.manutd.com/ja/news/detail/marcus-rashford-says-he-is-in-a-different-headspace-this-season-after-scoring-against-west-ham

昨季はユーロで PK を外したことで誹謗中傷を受けたり、試合後にブーイングを受けたりと批判の的となり、ベッドから起き上がれない時期もあったそうです。
その経験をもとに彼が出版した本の中で自身のメンタルヘルス方法について紹介しており、メンタルケアにも日々取り組んでいることが伺えます。
寝坊でミーティングすっぽかしてスタメン落ちしても交代で入って得点するメンタリティには脱帽です。笑

怪我やメンタルに強くなったラッシュフォード。
これによりコンスタントに試合に出ることができ活躍する土壌を作ることができたのが今季好調の理由の一つとなっているのでしょう。

ゴール近くでのプレーの増加

次はスタッツを見ながら気づいたことを書いていきます。

まず、90 分あたりゴール数が彼でいう標準の値に戻ってきました。
まだ 22/23 途中なので 90 分あたりのゴール数を見ていくと昨季は 90 分あたり 0.29 点だったのが今季は 0.47 と 1.5 倍になっています。
これは 19/20, 15/16 シーズンについで 3 番目のペースです。
また PK なしの得点に換算すると 19/20 より高い値となり、キャリアハイのペースで得点していると言っても過言ではありません。

ラッシュフォード、プレミアリーグの成績

次にシュートに関する指標を見ると、「Dist」という指標が小さいことが見て取れます。
これはシュート地点とゴールの距離をシュートごとに平均取った値で、小さいということはゴールに近い距離でシュートを打てているということになります。

ラッシュフォードのシュートに関するスタッツ

これは CF としての起用が増えたことが原因しているのでしょうか?
sofascore のヒートマップを見てると(参考として 21/22 と比べ)中央でのプレーも増えていることがわかります。

ラッシュフォードのヒートマップ(右: 22/23、 左: 21/22)

次にポジション別のゴール数やスコアを見てみると、FW と AML(Attacking Midfilder Left) で差がほとんどなく、むしろ FW でプレーしたほうがスコアが高いことがわかります。
※ プレミアリーグのみのスコアを採用しているのと途中ポジションが変わったのは未考慮です。

ラッシュフォードのポジション別レーティングのスコアとゴール数
ポジション別レーティングのスコアとゴール数(AML … Attacking Midfeilder Left の略)
※ whoscore から独自に集計

今季はマルシャルが怪我がち & プレー時間が制限されていることにより CF 起用も増えたラッシュフォードでしたが、テンハグが慣れるまで我慢強く使ってた印象です。
これによって CF として成長でき、結果も残せてるんじゃないかと僕は思います。

後半戦のラッシュフォードにも期待

インタビューやデータを見てきましたが「怪我やメンタルに強くなったこと」「CF として成長してゴールのペースが戻ってきたこと」が好調の要因だと思います。
ここからは後半戦ラッシュフォードに期待したいことを

本来のポジションである左 WG としてのプレーに期待

1/14 にヴェグホルストの獲得が発表されました。
これにより CF のポジションはマルシャル、ヴェグホルストの 2 人で回していくようになると思います。
これはラッシュフォードが本来のポジションである左 WG としてプレーできる機会が増えると思います。
昨季は右に左に中央にポジションが定まらなかったのも不調の原因だった一つだと思われます。
後半戦はポジションを固定してさらなる活躍に期待したいです。

xG の低さについて個人としてチームとして改善に期待

90 分の xG でラッシュフォードは 0.42 ですが、リーグトップスコアラーは 0.5 以上の値を出しています。
xG はシュートを打った難易度によって数値が上下します。
低いということはある意味期待を裏切ってゴールを奪っているということになります。
今季は独力でなんとかしてゴールをするラッシュフォードが印象的でそれが xG にあらわれているのかと推測されます。
ただ、それだと継続性に欠けるのでより再現性があるゴールのまでの形をラッシュフォードだけじゃなくチームとして確立していってほしいです。

FBref: プレミアリーグ 22/23 xG/90
プレミアリーグ 22/23 xG/90

タイトル獲得に期待

現在のユナイテッドはというと、公式戦 9 連勝中で見える景色や目指すものが変わってきました。
特にカラバオカップでは準決勝に進出しており、一番タイトルに近い大会だと思っています。
他にもプレミア 4 位、FA カップ 4 回戦進出などタイトルの可能性を残している状況です。
これも大いにラッシュフォードの復活のおかげだと思っています。
ユース育ちのエースということで外部からの期待が高いかもしれませんが、身につけたメンタルヘルスで乗り越え、さらなる活躍をし見える景色をどんどん変えていってほしいです。

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