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長谷さんとユキノくんが歌う『壊レタ世界ノ歌』

先日、私が応援するアイドルグループ「GEMSCOMPANY(通称:ジェムカン)」(公式サイト)に所属する長谷みことさん(@HasaMikoto)と赤羽ユキノくん(@AkabaYukino)による歌ってみた動画がYouTubeにて公開されました。
楽曲は、『Weight of the World/壊レタ世界ノ歌』(日本語歌詞版)。


……って、ゲーム「NieR:Automata」のメイン曲ではないですか!好きなゲームの好きな曲!
ということで居ても立っても居られず、かといってツイッターでは圧倒的に文字数が足りないので、noteで感想を書いてしまいました。
あくまでも自分のために書いており、読みにくい部分やちょっと何言ってるのかわからない部分もあろうかと思いますが、ご容赦ください。さらに、結果から言うと結構長くなってしまっているので、お暇なときにでもお読みいただければ幸いです。
……と言いますか、これを読んでいる暇があるのならばその時間、繰り返しお二人の歌を聞いてください!本当にいい歌唱ですので!



1.この歌唱にたどり着くまでの道程

さて、ジェムカンとニーアシリーズ、双方の知識が多少ないとわかりづらいこの歌ってみた動画までの流れを改めて整理しようと思います。
そもそもなぜ長谷みことさんと赤羽ユキノくんのお二人はこの歌を歌ったのか、歌うことができたのか。この後記載するように関係性は結構深いのですが、それだからこそ逆に中途半端な状況では歌わせてもらえなかったのかなと推測しています。
まあ本当のところはこちらにはわからないので、自分の備忘用に情報を書き残すだけ、くらいのつもりで書いていこうと思います。(なお本note全体を勢いで書いているため、抜け・記載不足はあるかと思います。ご了承ください)

まずはこの3点です。
●『Weight of the World/壊レタ世界ノ歌』がメインテーマとして使われている作品「NieR:Automata」は、スクウェア・エニックス社がリリースしているPS4他向けのゲームです。鬼才・奇才などとも称されるクリエイターのヨコオタロウさんがディレクターを務めていらっしゃる作品であり、有名な、より正確に言うのであれば有名になったゲームなので、ここはあまり細かい説明はいらないかもしれませんね。
付け加えますと、この曲の日本語歌詞はヨコオさん自らの作詞によるものです。
●そしてそのニーアシリーズのプロデューサーでスクウェア・エニックス社の取締役でたがり、よーすぴさんこと齊藤陽介さんが今プロデュースしているアイドルが「GEMSCOMPANY(ジェムカン)」になります。
●また、ニーアシリーズのゲーム内楽曲は岡部啓一さんを中心にMONACAのクリエイター陣によって作曲されていて、『壊レタ世界ノ歌』も岡部さん作曲の歌なのですが、ジェムカンのオリジナル歌唱曲もMONACAのクリエイター陣によって製作されています(主に瀬尾祥太郎さん、田中秀和さん)。

以上の3点をつなぎ合わせるだけでも関係性は十分にあるところですが、さらにきちんとしたつながりがあります。

●まずそもそも、長谷さんとユキノくんのお二人はジェムカンのメンバーの中でもオートマタやヨコオさん作品に造詣のある、作品が好きな子たちである。(配信等でも話している)
●そのためか以前(2019年の前半頃)、VTuber化したゲームのディレクターのヨコオさんと3人で「闇のジェムカン」というユニットを組んでいたような、いないような。

なお現在、闇のジェムカンは長谷さんとユキノくんのお二人で活動して(?)います。ヨコオさんの休止脱退の理由は、「ヨコオさんが叫び過ぎで喉をやられて歌えなくなった」「実はデスメタルバンドだったのだが、メインヴォーカルの座をめぐる争いがあった」「とある場所で歌った替え歌の『マクラマクラ』がまずくて、よーすぴさんが激おこぷんぷん丸」など諸説ありますが、真相は闇に包まれています。「闇のジェムカン」だけに!(渾身のギャグ)

●さらに、その縁なのか他の要因か、2019年7月に公演された「舞台ヨルハ Ver1.3a」(「NieR:Automata」の世界の始まりとなる演劇、そのアレンジバージョン)にて、劇中歌の『ガダルカナル』と『ノルマンディー』(どちらも岡部さん作曲)の歌唱をお二人が担当。
●それらのうち『ガダルカナル』は、YouTubeにて動画が公開されています。
一方の『ノルマンディー』は、2019年12月に開催されたGEMSCOMPANYのワンマンライブ「Magic Socks」において、お2人が「特別な衣装」を着て披露して下さいました。


●時系列が前後しますが2019年の10月~12月には、「NieR:Automata & GEMS COMPANY」ミニイベント全4回が開催されました。そのうち、東京開催の第2回にユキノくんが出演しています。
●さらにさらに2020年3月、上述の舞台の凱旋公演である「舞台ヨルハ Ver1.3aa」でも引き続き劇中歌の歌唱を担当。しかも今回は全公演生歌唱での参加という、舞台により深く関わる形での出演となりました。
(ただし、例のウィルスの影響のために残念ながら公演は全て中止となってしまいましたが……後日、無観客で撮影収録したものが配信されただけ、まだ恵まれているほうかもしれません)

以上のような流れがあり実績を積み重ねた結果、今回『Weight of the World/壊レタ世界ノ歌』を歌った、歌うことができたのだろうと推測しています。
ニコ生で収録配信が2020年4月22日までチケット販売中(本noteの投稿日現在)の「舞台ヨルハ Ver1.3aa」でも、ジェムカンメンバー所属事務所:ディアステージの先輩である河野万里奈さんによる『Weight of the World/壊レタ世界ノ歌』の本家歌唱が流れる場面がありますので、宣伝に良いタイミングだったというのもあるのでしょうね。
いずれにせよ、お二人が歌いたい曲を歌えたのだと思うと、ファンとしては素直に嬉しくなってしまいます。

さて、前置きの記録はこのくらいにしまして。
以降はただのオタクの思い込みと妄想に基づく感想になります。


2.2人が紡ぐ、壊レタ世界ニ響ク歌

まずは一言。

大切に歌われている

どうしても感想を一言で、と言われたならば、私はこう答えます。

この『Weight of the World/壊レタ世界ノ歌』は「NieR:Automata」のゲーム内におけるメインのヴォーカル曲で、大事なところで英語版・日本語版・造語版・合唱版と様々なバージョンが流れます(詳細はネタバレ防止のため省略)。そのため、ゲームをやった人間にとっては自然と思い入れが深くなる曲だったりします。
そういった曲だからでしょうか。お二人もゲームであったり直近で関わった舞台であったりからくるご自身の思いをそれぞれ込めて、大切に歌唱をされているのだろうなと感じます。
ですがそれにしても、本当に一音一音、一語一語が大切にされているなと感じました。それは一音一語を大切にした歌唱ができるということで、技術的な面でお二人の歌唱力がどんどんと向上している証左でもあるのでしょう。そういった技術的な面もさることながら、やはりお二人にとって大事に歌いたい曲だったのだろうなと勝手に想像しています。

さて、もう少し細かく視聴していきましょう。
(著作権など色々と不安なので、歌詞引用は最低限でいきます)

>イントロ・ビジュアル
曲がピアノの音で静かに始まると、原曲の音源っぽいな!いいぞ!とワクワクしつつ、まず目を引くのはビジュアル。前述のライブ「Magic Socks」でも着用されていた、2Bと9S(ゲームの主人公キャラクター)のヨルハ部隊衣装に身を包んだ長谷みことさんと赤羽ユキノくんが凛と立つ姿はクールでかっこいいです。
ただし後は、曲名などの文字とゲーム内でも表示させることのできたサウンドインジケータのみで、色味も白黒と実にシンプルにまとめられています。この後動画を通して動くのも、曲に合わせて振幅するサウンドインジケータのみと徹底していますね。
ある意味、普段の明るいアイドル姿やカラフルなMVとは真逆とも言えるクールさですが、その対比と表裏の二面性的表現、無機質なビジュアルとそこにエモーショナルな歌が流れるという雰囲気、これが楽曲やゲームの世界観には実によく合っています。編集者さんのこだわりを感じるところです。

そして重要なのは、お二人の歌の力があってこそこういった表現ができたのではないか、ということです。派手なビジュアルや動きで目を引くことができず、自然と歌をじっくりと聞かせるような表現方法になってしまいますので、どうしても相対的に歌唱の比重が大きくなってしまいます。一定以上の歌唱力がないと取れない手法、とでも言いましょうか。(綺麗な見た目の表現が悪いですとか他を否定する意味合いではなく、表現方法の違いへの言及です。念のため)
そして実際に聞き終わったとき、素晴らしい!とPCの前で拍手をしてしまうような動画になっていました。ライブを重ねる毎に、新曲が出る度に、普段の配信などで歌う度に、お二人の歌唱力の向上は感じられていたところですから、もうこのぐらいはできるということなんでしょうね。もちろん、口で言うほど簡単なことではないですし、生半可な努力でできることでもないと思いますが……

>1番
まだお歌も始まっていないのに早口で長く語ってしまいました(汗)。続けます。
1番のAメロは長谷さんの歌唱から。その後ユキノくん、また長谷さんと交互にお一人で歌いながらサビへと向かいます。1番はやや静かで、歌い方もどこか淡々とした印象です。曲の伴奏からして、2番以降と比較するとサビまでは楽器の音が抑えられているので余計にそう聞こえると言いますか、そもそもそういった曲なのですが、その2番以降のより感情を感じる歌声と対比すると無機質感が強めです。
この時点で、おお、と思いました。機械的・アンドロイド的な表現、ゾクゾクします。そんな中にも内に秘めたものは感じさせながら、1番のサビをデュエットで入って盛り上げます。このあたりからは大分歌唱に感情が入ってきて、曲調と合わせてこちらも心を揺さぶられてきます。そしてサビのラストの静かなパートを優しく強く、情感を込めて歌い上げる長谷さんは、感嘆のため息が漏れる美しさでした。

>2番
そしてより感情が発露されてくる2番。伴奏の楽器の音も厚くなり盛り上がる中、お二人の歌唱の熱量も上がってきます。

ユキノくんの歌唱から感じるのは、落ち着いた声音の中の強い意思と儚さ。無価値でも叫び、無意味でも願うという歌詞に代表されるような、この曲の歌詞世界を体現するような表現に感じました。
一方の長谷さんの歌唱から感じるのは、どこか優しく包み込むような雰囲気。叫び願う者を包む聖母のような温かさ、というと少々大袈裟かも知れませんが、印象としてはそれです。

こちら、ゲームの想い出補正の入った感想な気がする、という自己分析ではありますが、偽らざる本音ですので素直に書いておきます。
なぜこう言うのかと申しますと、ゲームや舞台、その他イベントなどにおけるシーンの記憶の数々を持っていると、お二人がそれぞれ着ている衣装のキャラクター、その心情に寄り添った歌唱をされているようにどうしても感じられてしまうからです。
すなわち、長谷さんは2Bの、ユキノくんは9Sの心情に寄り添って歌唱されているのかな、とオタクの思考がフル回転してしまうのですね。オタク、そういうとこある。
(わかる方にだけわかる表現をしますと、「本編」が始まってからの9Sと、水辺のあの機械から流れる音声の時の2Bの雰囲気をそれぞれ感じる)
この『Weight of the World/壊レタ世界ノ歌』の日本語歌詞は、ゲームで流れる場面や歌詞の内容から、特に9Sの心情の歌なのではないかとファンの間では言われていたりします(実際のところは作詞のヨコオさんに聞いてみないとわかりませんが……)。ですので、ユキノくんが歌詞の心情をストレートに歌い、長谷さんが一歩引いた見守るポジションで歌うというのは、衣装ビジュアル的にもしっくりきてしまうのですね。まあさすがに、オタクの深読みが過ぎるという感じがしますが、そのように妄想させてもらえる素晴らしい歌唱であることだけは確かです。

さて1番→1番サビ→2番→2番サビと盛り上がっていき、2番ではサビのラストの静かな部分をユキノ君が担当。歌詞の「優しいまま」のあたりの強さがありつつも揺らいだ歌唱がたまらないです。

>落ちサビからの、最後のサビ
そして情緒的な間奏を挟んでの静かな落ちサビ。
まずは長谷さんのソロ。ここの歌唱に感じる母性のようなものは本当に震えます。メンバー最年少、ぶりっ子担当などと自称されているのにこれはいったい……いやすごい……
歌詞の「今」や「叫ぶ」の少し高くなる部分の柔らかさや、「ああ」や「壊レタ世界の」の後に一瞬のためを作った後の「歌」の部分を歌う時の、本当にほんの少しだけ嗚咽のような声の揺らぎが入るところ、心がぐっと掴まれるとともに涙腺にきます。本家歌唱の、わざと感情を入れ過ぎにして崩して歌っているところにも通ずるものがありました。
その歌唱を受けてのユキノくんのソロ。こちらはストレートに心を突き刺してくるような歌唱でした。「無意味でも願う」「キミとの未来を」という果たせなかった願いの歌詞を歌う声は、曲の盛り上がりと合わせた力強さがありつつも、同時に悲しみを感じさせるもので。
男性的な、イケメンなところを出すだけであればある意味いつものユキノくんであり、その少しハスキーがかった中性的な、それでいて色気のある声での歌唱を存分に活かせばよいということになります。ただこの歌ではそこを活かしつつも、陰りや悲しみ、願いの儚さのようなものが必要で、実際にそういう要素が加わっていることによる印象の違いがとてもよくて、最後のサビに向かってテンションが高まります。

最後のサビは終始お二人でのデュエット。ラストシーンにふさわしい大きな盛り上がりをみせながら、叫びや愛、願い、祈りをお二人で歌い上げていきます。ここはもう難しいことは考えずに、お二人の少しずつ違う歌い方を楽しみながら浸るところですね。
そしてサビの、曲の最後。お二人で「赦しを得られずとも」と歌った後の、楽器の音すら止めてためを作った後の「僕は」。
それでも僕は……という悲しみの中で立つ姿を幻視させられる、この曲の最大の見せ場と言ってもいい部分。初めて聞いたときは鳥肌が立つほどの、低めで力強い響きの声。そしてここだけ、二人分の声なのに一人の人間(もしくはアンドロイド)のようにも聞こえる、お二人で合わせた発声も素晴らしく、見せ場でしっかりと魅せてくれるお二人に感動しました。

以上のように、動画の全編を通して聴きごたえあり、感動ありで、何度もリピートして堪能させていただきました。改めてお二人とジェムズ君たちスタッフの皆さんには、素晴らしい「歌ってみた」を視聴させていただいたことに感謝を申し上げます。本当に、本当にありがとうございました。


終わりに

ここまでお読みいただいた方は、どうもありがとうございました。

しかし、うーむ、おかしいなあ。好きなゲームの好きな曲の「歌ってみた」だし、1曲の感想を感情に任せてサラッと書いて記録を残しておこう、なんて思っていたはずが、なぜこんなに長い文章になっているんだろう……もう日曜のこんな時間だし……
ええとまあ、それだけ語りたくなる、いい「歌ってみた」だったということですね!(強引なまとめ)

世の中は何かと騒がしく、ジェムカンの皆さんもライブをはじめとするイベントどころか日々の配信でも苦労をされているご様子ですが、そんな中でもこうして素敵なお歌や楽しい配信を届けていただいて、私個人としては日々の活力になっています。ありがとうございます。微力ながらこれからも応援しております。
それでは、おつみこでおつちょりですー。

今日も今日とて。