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テクノコント、僕なりの振り返り

 こちらのノートでは、先日のテクノコントを僕なりに振り返りたいと思います。有料部分は僕の日記です。テクノコント終わりに大阪に呼んでいただいたライブについて書いております。2年ぶり、のべ2日間の大阪滞在日記です。



 先日、テアトロコントspecialテクノコントvol.1「mellow Yellow Magic Orchestra」が終演いたしました。 ご来場くださった方々ありがとうございました。

 このテクノコントという企画は、テクノロジーとコントを融合させたらどうなるのかという新たな試みです。つまりテクノロジーを使用したコント、あるいはテクノロジーから生まれたコントを計10本上演いたしました。映像を使用したコントなどは実際にあったりはしますが、AR3兄弟さん[プロのAR(拡張現実)開発者]と共にコントを作るという企画は後にも先にも史上初の試みであると思われます。

 史上初ということで、どこから考えていいのか、コントからか、テクノロジーからか、手探り手探りの企画会議を定期的に行っていきました。時にはAR3兄弟長男である川田十夢さんから教わるテクノロジー授業を受け、ただただ「ひい〜!そんなんあるんですか!」「ひい〜!なんでそんなんできるんですか!」「ひい〜!それなんなんですか!」などと芸のない感嘆詞をあげるだけの会議もありました。 僕が「ええ!?そんな技術があるんですか?未来すごいですね〜」などと言えば、十夢さんは「これは僕らが10年前に作った技術なんですけど」と言い、再び「ひい〜!10年前!?」とまた感嘆する。

 テクノロジー講義を聞くだけでも、それはそれは楽しいものでありました。例を紹介したいですが、もしかしたらテクノコントvol.2でも使うかもしれないので、とりあえず伏せさせていただきます。

 僕はテクノロジーとコントの合わせ技というものは無限の可能性を秘めていることを確信しました。それはテクノロジーが文明を切り拓いてきたように、お笑いの世界も切り拓いていくのではないかという希望も含まれます。


 テクノコントを作っていく上で、様々なアプローチがありました。まずはテクノロジーは人間の欲望を叶えるために発展したと言っても過言ではありませんから、僕とラブレターズ塚本さんが人間の欲望をたくさん書いてくる。それを十夢さんがこれならテクノロジーで解決できるというものを拾っていく、といったやり方をしました。40ぐらいのある欲望のうち40叶えられるといい放った十夢さんは天才以外の何者でもありませんでした。十夢さんの異名、通りすがりの天才は伊達ではなかった。しびれました。

 そして自分たちの持ちコントを拡張しようというアプローチ。元々AR3兄弟さんが持っているテクノロジーを使用してのコント作成というアプローチ、伝統芸能とテクノロジーを掛け合わせようというアプローチ、現存しているテクノロジーで、近い将来このように進化していくという未来を占うアプローチ、などなどです。

 今まで経験したことのないコントの作り方でした。脳みそのつかったことのないみそを使っている感覚でありました。これでいいのか?こういうことなのか?などと考えることは見えない不安にのしかかられつつも、とてもおもしろく、そして楽しい作業でした。

 そこから徐々にコントが形を為していきました。そしてテクノコントを実際に上演するにあたり、予算を決め、劇場を決め、演者を決め、物販を決めていきました。この舞台をする上で不可欠な事項が決まっていくに従い、テクノコントという舞台も形がくっきりしてきたのです。

 そして2018年、5月25、26日にテクノコント、ジャンルまるごと旗揚げ公演(十夢さんの言葉借ります)「mellow Yellow Magic Orchestra」が上演するに至りました。

 ここでメンバー紹介。

作・出演:ラブレターズ、男性ブランコ、ワクサカソウヘイ

開発:AR3兄弟

構成・制作:おぐらりゅうじ

原案・企画:川田十夢

ユーロライブ制作:小西朝子

(敬称略すこと鬼の如し)

そしてババちびるほど、音や照明のきっかけが多いものをすべて完璧にこなしてくれた音響さん、照明さん、おしゃれもおしゃれチラシデザイナーの方、手伝ってくださったナツノカモさん、スタッフの皆さんありがとうございました。何よりご来場くださった方々に感謝御礼を申し上げます。

 ここから演目を僕なりにふわりと振り返っていきたいと思います。

【演目】

1.心霊写真

出演:塚本さん、溜口さん、浦井

心霊写真をAIで解析したらどうなるかという視点で心霊番組に切り込んだコント。写真は構成のおぐらさんの写真が多用されておりましたね。浦井のアナウンサー感、溜口さんのどこか愛嬌のあるいかがわしい霊能者は素敵でしたね。最後のオチは、客席からも「ひゃっ」と声があがったようなちょっと怖いものでした。

2.数学泥棒

出演:男性ブランコ

こちらは僕らのコンビのネタをテクノロジーで拡張していただけました。まさしくテクノコントでやるために作られたコントと言っても過言ではないでしょう。これはまたYoutubeなどでUPさせていただきますので、是非チェックしてみてください。

3.自撮り

出演:塚本さん、溜口さん、浦井

ものすごい長い自撮り棒をつかって撮った自撮り写真を加工していき、徐々にその加工がエスカレートしていくというコント。最終的にはウィアー・ザ・ワールドなオチになりました。ラブレターズさんお二人のやりとりを浦井が関西弁でズバッと切って行く様は気持ちの良いものでした。

4.ヒューマンスカウター

出演:男性ブランコ、ラブレターズ、ワクサカソウヘイ

こちらは面接官が、就活生をヒューマンスカウターという覗くだけで、その人間のステータスを見ることができるというドラゴンボールのスカウターをモチーフにしたアイテムで就職面接をするというコントです。メガネにカメラがついており、実際に舞台上に立っている人をスクリーンに映し出していました。そのリアルタイムさがテクノ感を醸し出していました。

5.テクノ落語

出演:浦井

テクノロジーと落語を融合させた演目。落語ができなくてもテクノロジーを使えば誰だって落語ができるという落語界に一石を投じるネタでした。落語ができなくてもと言っても、しっかり落語ができないと成立しないネタを浦井は見事に演じきりました。このために落語アプリを開発したそうです。

6.現物いいね

出演:溜口、平井、ワクサカソウヘイ

現在はTwitter、Instagramなどなど言葉や写真に誰でもいいねのような評価をつけられます。このコントはそれが現実にそこにある物に評価がつく時代が来るのではないかという推測を元にしたコントです。溜口さんのキャラがとてもおもしろく、僕は笑いを堪えながらやりました。ワクサカさんは見事な柴田恭兵っぷりを発揮しておりました。今後ともやり続けてほしいと思っています。

7.VR

出演:ラブレターズ

これはラブレターズさんお二人の素晴らしい演技力が爆発しているコントだと思います。エロかと思ったらほっこり。

8.フューチャーミニチューアー博物館

出演:平井

これは演者は僕一人でしたが、ミニチュアにスマホのカメラをかざすと他の演者が立ち所にスマホのカメラ内に出現します。この技術を使って、将来、博物館や美術館でスマホを展示物にかざすとそこからコントを見ることができるようになれば、どれだけ楽しいことでしょう。目標はスミソニアン博物館です。

9.金ちゃんの仮想通貨大賞

出演:溜口さん、塚本さん、ワクサカさん、浦井、平井

言わずもがな欽ちゃんの仮装大賞をモチーフにしたこのコント。唯一テクノロジーは使用していないものの、テーマが仮想通貨という今を切り取ったコントです。仮想通貨だけあって、点数の上がり方も折れ線グラフなのがとてもいいですよね。ストーリーもとても好きでした。

10.捨てスマートスピーカー

出演:ラブレターズ、男性ブランコ

締めのコント。塚本マジックにかかれば、こんなおもしろく、涙ありのコントができあがるのです。すべてのコントで使ったテクノロジーを回収する技は見事でした。それを瞬時にコントに組み込んだAR3兄弟さんの技術も卓越している証し。公演によっては、テクノロジーが緊張してセリフを飛ばした場面があったのですが、塚本さんが最適なフォローを繰り出しました。

テクノロジーに救われていた人間が、テクノロジーを救った瞬間でした。歴史的瞬間でした。塚本さんの技力に圧倒されました。

テクノロジーと人間が共存しているということを痛感しました。



すごいざっと振り返りました。

もっと書きたいこと、書かなければならないことがあるような気がしてなりませんが、僕は人間。昨日食べたご飯を思い出すのも覚束ない男ですから、とりあえずこのぐらいにさせていただきます。脳みそをパソコンに繋ぎ、記憶をすべてハードディスクに保存する時代が来たら、上記のような悩みもなくなりそうです。そうなると違う悩みが出てきそうではありますが。

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