オンラインで読める海外小説の原書

今回のnoteでは、ネット上に無料で公開されている海外小説の原書(英語)について書いてみたいと思います。

今年の春から夏にかけて、『ヘミングウェイで学ぶ英文法』(倉林秀男・河田英介著)と『英文解体新書:構造と論理を読み解く英文解釈』(北村一真著)が出版され、英文読解の良書として話題になっています。

どちらも、いわゆる昔ながらの英文法の知識に基づいた英文解釈を中心に据えた本で、近年のスピーキングやリスニングを重視する実用英語の風潮とは趣が違う二冊ですが、この二冊が売れる状況というのは、私は基本的にいいものだと思っています。

英語を話すにしても、聴くにしても、基本的な英文法の知識が必要で、良質な英文を読んで、その構造を理解し、正しく内容を解釈できる力が土台にないと、まともに英語を話すことも、聴くこともままなりません。

近年のスピーキングやリスニング重視の風潮の中では、英語を読むことの重要性が軽んじられがちだという印象があります。

しかし、英語を話すというのは「空気中に英語を書く」ということを意味していて、本質的に言って、良い英文を書けるようになるためには良い英文を読むというインプットの過程が必然的に必要になってきます。

そして、ネイティブの書いた質の良い英文を読むというのが、そのインプットのための有効な手段になります。

ネットが当たり前の社会インフラとなった今の時代には、ネット上に英語情報が溢れています。海外の報道機関のサイトには、英語で書かれた記事が無数にアップされており、英語で記事を書くことを専門としたネイティブのジャーナリストが書いた記事をいくらでも読むことができます。

私は国際政治に興味があるので、海外の各種メディアの英語の報道記事を日常的に読んでいます。そういう記事を読むと、その内容はもちろんですが、そこに書かれた英語の表現も本当に勉強になり、仕事の参考になります。

海外のメディア報道以外にも、今の時代にはネット上に無料で読むことができる小説や文芸作品もたくさんアップされています。

例えば、Planet Publishというサイトには、海外の有名な古典作品がPDF形式でダウンロードできるようになっていて、例えば、トルストイの『戦争と平和』ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』サマセット・モームの『人間の絆』など、不朽の名作の原書を無料で読むことができます。

ただ、こういった作品を読みこなすためには、かなり高度な英語力が必要であり、初級者・中級者には、例えば、短編小説名作100選(100 Great Short Stories)のサイトなどがお薦めです。

このサイトには、海外の有名作家の短編小説が紹介されており、比較的短い文章なので、上記のサイトよりも少し気楽に読めるのではないかと思います。

何度も繰り返しますが、今の時代、ネット上に無料で読める英語媒体が豊富に揃っているので、それを最大限に利用しない手はないと思います。

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