麻雀・基礎から学ぶ押し引き講座03

今回からいよいよ1シャンテン時の押し引きについて考えます。1シャンテン時の押し引きはめちゃくちゃ複雑で、多様なパターンがあるので、シャンテン数以外の要素もあわせて考えていきます。少し難しい内容になりますが、これをマスターすればもう一気に上級者の仲間入り、と言ってもいいくらい重要な内容なので少しだけでも覚えて帰ってください。

まず大前提として押し引きの考え方は「自分の手牌に価値があるなら押し、価値が低いならオリる」ということです。相手の待ちが読めない以上、見えている自分の手牌の価値によって放銃のリスクを背負うべきかどうか、を判断するわけです。

じゃあ手牌の価値って何で決まるの?という話ですね。もっとも重要なのがシャンテン数。そもそもテンパイしていなければ絶対に和了れないのですから当然で、だからこそ前回まずはじめにシャンテン数による分類をしたわけです。

では1シャンテンという微妙なシャンテン数の場合はどうやって決めるか。それが「受け入れ枚数」と「打点」そして「巡目」です。順番に見ていきましょう。

1シャンテンの押し引きを決める要素(1)「受け入れ枚数」

追いかけリーチしたあとなどのいわゆる「めくりあい」というのはくじ引きのような状態です。相手の当たり牌=当たりクジを先に引くか、自分の当たりクジを先に引くか。そう考えると、自分がノーテンの状態で押すというのは自分の当たりクジが入っていないのにクジを引くようなもの。すごく不利です。

なのでノーテン(1シャンテン)から無筋を押す場合は、できるだけすぐにテンパイするような手牌であることが重要です。

具体的にはリャンメンリャンメン以上の手牌であれば(受け入れ枚数の観点からは)押し有利であると言えます。

この「押し有利」というのは、この講座において「他の要素で明確に不利な要素が無ければ押して良い」という風に考えてください。押し引きは様々な要素が絡みあう複雑な問題なので「受け入れ的には押してOKだけど打点と巡目的にはNGだからトータルではNG」みたいなケースがあります。ややこしいですね。こういう判断についても最後に練習問題できっちり扱っていくので、まずは各要素に対する考え方をしっかり理解してください。

リャンメンリャンメンというのは

こんな手牌です。これより受け入れが多ければ良いので

こんな風にシャンポン受けが加わったいわゆる「完全1シャンテン」ももちろんOKです。

今度は8mを押すと4mと4pまわりの「くっつきテンパイ」と言われる形です。受け入れは当然リャンメンリャンメンより多いのでこれもセーフ。難しいのは次のような形です。

2sを押せば7mと4pまわりの「くっつきテンパイ」です。受け入れはリャンメンリャンメンより広くなりますが、5m7m9m2m4m6mという半数以上の受け入れで愚形テンパイになってしまいます。

このように「受け入れ枚数的には多いけれど最終的に愚形待ちになってしまうかもしれない」というケースは「押すか引くか微妙=他の要素次第」という評価になります。

言ってみれば先ほどのリャンメンリャンメン以上というのは、受け入れ枚数という教科において偏差値70、他の教科でよっぽどコケなければ志望校に合格できるよね、という成績の手牌。一方で今回の手牌は偏差値50。他の教科で点数を稼げれば十分合格はできるけど、逆も然り、といったイメージなのです。

同じように

この形も、受け入れ枚数はリャンメンリャンメンと同じ4種ですが、先にピンズを引いてしまうとマンズの愚形が残ってしまいます。これもやはり受け入れ枚数の評価としては「微妙」なので他の要素で決めます。

では簡単な練習問題をしてみましょう。もちろん実際には打点や巡目によって判断は変わるものですが、ひとまず今回は受け入れ枚数のみに着目して考えてみてください。

 この手、7sを押すと受け入れは1234m、1234p、の計8種。しかもどれを引いてもリャンメン待ちになるという受け入れ偏差値80の手牌ですから当然合格。7sを押します。

では次の問題はどうでしょうか。

受け入れ枚数は35p4sの3種と3s8sのシャンポン2種なので、枚数的にはリャンメンリャンメンと一緒です。しかし今回は「何を引いても愚形待ちになる」ことから先ほどの偏差値50ラインよりもさらに下であると言えます。

こうなると受け入れ枚数の評価としては「オリ有利」。言い換えれば「他の要素でよほど押し有利になる強い要素が無ければオリた方が良い」となります。なので今回の正解は「8sを切ってオリ」となります。

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