麻雀・基礎から学ぶ押し引き講座02

今回から本格的に押し引きの基準について説明していこうと思います。まず押し引きに限らず、麻雀を覚える上で重要なのは「はじめは大雑把な基準を覚えて、徐々に細分化していくこと」です。

麻雀では考えるべき要素がたくさんあります。自分の手牌のシャンテン数、打点、受け入れ枚数、切る牌の危険度、巡目、点数状況、場況読み、親か子か…全ての要素を加味して最適な一打を打つのはトッププロでも天鳳位でも難しい。だからいきなり完璧を求めてもうまくいきません。

まずは「この要素が一番大事」と優先順位を決めてしまい、はじめのうちはそれだけを考えて判断します。

徐々にそれに慣れて、素早く判断できるようになったら少しずつ考える要素を足していけば良いんです。だから、まだ扱える要素の少ない初心者と、扱える要素の多い中級者以上では、同じ場面同じ手牌に対する正解が違うこともありえます。

これは一見するとおかしいこと(だって基本的に正解はある程度は1つに絞れるはずですからね)なんですが、段階を踏んで効率的に勉強するという観点からは自然なことです。むしろ初心者のうちに「これは相手の切り順的にこの牌が非常に危険で、点数状況も加味したら・・・」みたいな「正解」を教えられても理解できないし役に立たない。

まずは少ない要素で大雑把な基準を作る、このことを理解しましょう。この講義でもまずは大雑把な指標を示した上で、後半の講義でより精度の高い細かな判断を見ていきたいと思います。

まず押し引き基準を覚える上でもっとも重要な要素は「自分の手牌のシャンテン数」です。簡単にいうと

自分がテンパイなら押し!2シャンテン以上ならオリ!です。

話はそれますがシャンテン数の「以上」「以下」ってややこしいですよね。どちらが正解かはわかりませんが、ここでいう2シャンテン以上は2シャンテンや3シャンテンという意味です。

1シャンテンの場合は他の要素も用いた微妙な判断になってくるので次回以降で詳しく扱いますが、まずテンパイしていたら押すし2シャンテン以上ならオリる。これを徹底しましょう。これだけで(これが徹底できていなかった人は)成績めちゃくちゃ上がります。

では例を出してみます。

画像1

シャンテン数以外の要素から、この手で追いかけリーチをするのが不安になる人もいるかもしれません。

打点・・・自分の手はリーのみだけど大丈夫?

危険度・・・相手のリーチ宣言牌は4pだけど2pは危なくない?

ドラ・・・ドラが1枚も見えてないから相手の手は高いのでは?

その他・・・そもそも他の二人の捨牌わからないし…

と、考えようとおもったらいくらでも考えることはある。それはわかります。けれどそういうのを全てひっくるめて

テンパイだからリーチ

これで良いんです。

もう1ついって見ましょう。

画像2

今度は自分が仕掛けています。上家の發の斜線マークは鳴かれた牌って意味です。

リーチの場合は一発や裏ドラ、メンゼンツモなどの役が複合して自分の手はもっと高くなる可能性が十分にありますが、副露手の場合は正真正銘の1000点です(といっても相手のリーチ棒があるので和了れば2000点もらえるんですけどね)。

したがって先ほどよりは押しづらい・・・のですが、これも

テンパイだからプッシュ!

でOKです。もちろん放銃して手痛い失点になるかもしれない。けど逆にオリたせいで四暗刻ツモられるかもしれないわけですよ。なので結果論は気にせずにテンパイなら勇気を持って押すようにしましょう。

もちろんテンパイだけどオリる手牌、というのもあるにはありますが、それを語るには巡目や危険度など上級レベルの要素を踏まえて考えなければいけないので、講座の後半でお伝えします。

逆に言えばそれだけ、テンパイだけど押さない局面というのは少ないんです。なのでまずは「テンパイならゼンツ(放銃を恐れずなんでも押すこと)」と覚えてしまってOKです。まずはここから徐々にオリるべき手牌を覚えていきましょう。

画像3

今度はどうでしょうか。ドラと赤ドラがありますが、形はバラバラです。

こんな手から「満貫手でオリるのはもったいないから、とりあえずスジの8mを切って・・・」と考えてはいけません。未練を断ち切って4pを抜きましょう。これが

2シャンテン以上ならオリ

ということです。仮にツモってきた牌が2枚切れの字牌など安全な牌だとしても先に4pを切ってしまいましょう。もし誰かの追いかけリーチがきたときにその字牌を切って対応できるようにするわけです

スジなど比較的安全な牌を切りながら回る打ち方は、上級者には重要な技術ですが、様々な要素を適切に判断しなければならない難易度の高いテクニックです。まずはオリると決めたらとにかく手の中で一番安全な牌を切る、これを徹底しましょう。

画像4

今度は現物がありません。自分の手はドラと赤ドラがあり打点もそこそこなので「どうせ安牌がないんだからまっすぐ打つしかないだろ!」なんて言って9mを切る人も見かけますが、やはりここは

2シャンテン以上だからオリ

なのです。オリるというのは「手牌の中で一番安全な牌を切る」ということ。この手で言ったら1sのアンコ落としです。もちろん、放銃のリスクはありますが、別々の牌を3枚切るよりはマシで、これが一番放銃率を下げる選択となります。

今回の講義はここまでです!

【本日のポイント】

テンパイなら押し!2シャンテン以上ならオリ!を徹底しよう!

次回はいよいよ1シャンテン時の押し引きについて考えていきたいと思います。

なおこの講座は初級向けを想定しています。もっと上級レベルの「テンパイしているけど相手の手牌を読んでオリたり、点数状況による複雑な判断が知りたい!」という方には、下記の書籍で詳しく扱っております。宣伝になってしまい恐縮ですが、ご興味ございましたらぜひどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?