読書と、スマホと、まとまった時間。

日本で本を一ヶ月に一冊読む人は、全人口の半分以下という記事を少し前に見ました。特に若い20代、30代の若い世代ほど、読書しない傾向が強くなるそうです。

読書には訓練が必要です。特に分厚い専門書や小説を読むためには、内容を100%理解しなくとも、進んでいく体力や大雑把さが必要だと思います。そのためには多くのまとまった時間が必要です。そんな豊富な時間を確保しやすいのは、学生のときでしょう。だから若い世代に読書する人が減っていくと、読書習慣が身につかない人が増え、さらに本を読む人の割合は減っていくはずです。

ぼくが読書習慣を身に着けたのは、高校の終わりくらいから大学4年生にかけてです。今思うと、ドストエフスキーやカフカの長編小説を繰り返し読むなんて贅沢な時間の使い方は、あの時期以外には不可能だったと思います。

現在と同じ環境で、ぼくが大学生だったら、同じように本を読んでいたかというと疑問です。スマホやネットを通じて手軽に手にとることができるエンタテインメントがあふれているから。

いずれにせよ、本を読む、というのは一定のまとまった時間を確保する必要があることだと思います。
ぼくには、この「まとまった時間」がものすごく貴重になってきている実感があります。小さな子どもがいると、まとまった時間は子どもが寝静まった夜にしかとることができません。でもその時間もスマートフォンを始めとしたネットのコンテンツ、SNS やゲーム、その他のアプリによって細かく分けて、消費してしまっています。

1つのことをやり続けるって、快感もありますけど、基本的にはすぐに飽きてしまって苦痛なものです。だから色々なことをつまみ食いしていたほうが快感は得られやすい。でもそのまとまった時間を費やすことでしか得られない、考え方や能力、喜びもある。
どうやって、まとまった時間を確保するか、それを考えていかないと、あっという間に時間が過ぎてしまうと思います。

おわります。

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