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おもしろ募金箱(その2)

募金をもっと楽しんでもらえるための仕掛け募金箱をつくり、後編です。


■シンプル型の進化
その1の最後で、コインが1本道にすべるだけの「シンプル型」を試作しました。これを実際に使ってもらうと、「子どもにはコインの動きが速すぎる」という意見があったので、傾斜をぐっとゆるくした「シンプル型Ⅱ」を作りました。また、「お金が入る容量を増やしたい」という声もあったので、経路の板の下に、コインが入るスペースも増やしました。

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こうした改造によって変わったところをまとめてみます。
(1)同じサイズの中で、道の「3回カーブ」が「5回カーブ」に。投入したコインは10秒近くかけてゆっくり落下する。
(2)傾斜がゆるくなったことで、1円玉など軽いコインはわずかな摩擦でも停止してしまう。募金箱を立てるスタンドを改良。奥行きを調整し、ほぼ垂直(85度以上)で立てるようにした。
(3)コインの収容量を上げるため、2.5mmのMDF板を3枚重ねから6枚重ねに増やし、コインの貯金エリアに奥行きをつくった。
(4)貯金エリアに奥行きを作った結果、縦線デザインの隙間からコインが隙間から抜け落ちるようになってしまい、格子状のデザインに変更。
(5)コインがたくさん貯まるので、貯金エリアの裏に取り出し口を作った。
(6)取り出し口の構造はいくつか試して、決定した。
(7)貯金エリア内にわずかな傾斜をつくって、取り出し口側から先にたまっていくようにした。

言葉だとけっこうわかりづらいですね。(2)(3)(4)(7)についは次の図解で補足してみます。

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そんなこんなで、まとまった最終形。

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■シンプル型へのシフト
利用してくれる団体と話したり、意見をもらったりしていると、当初目指していたパズル型の募金箱よりも、シンプル型の方が人気。なので、プレゼントとしては、こちらのシンプル型を中心に考えるよう、シフトしました。

【転換】元々はシブヤ大学の講座後における参加者の滞留時間をイメージしていたので募金箱で遊ぶ人が不連続にいるような場面を想像していました。ところが、いろんな活動団体にプレゼントしようと発想したことで、多くの場合は歩き去っていく人たちに募金してもらうシーンが重要に。募金者1人が長時間遊んでも流れが悪くなります。お金が落ちていくようすを数秒くらい楽しめる。そんなシンプル型の特徴がニーズにマッチしていたようです。

募金箱が欲しいと言ってくれていた、「Asian Beauty Project」さんと、「ドリームタウン」さんに、それぞれのロゴをいれて、募金箱をプレゼントすることができました。

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板橋区内に、レーザーカッターや3Dプリンターを使って何かを作ったり届けたりしています。また、そうした道具を使える人を増やしたいという思いで、講座などもちょいちょい開催しています。サポートいただけた場合は、こうした機材費や会場費などに利用させていただきます。