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実感の本性を掴みたい

現在の暮らしや働き方を改良したり最適化するのでは、今の300年に1度とも思われる変革期には全然足らない。何をやっても「なんかちがう感」があるのは、そこだ。

人間の脳の世界の認知の仕方についての理解を出来る限り深めて、これまで地味すぎて見過ごされてきた暮らしや働きの中での喜びや手応えを生むために、予想もしなかった何かを発明するのだ。

そしてそれはカタチにしてしまえば特別に斬新なものではなく、ひとつひとつを解きほぐしていくと、なんのことはなく昔々から人間が感じていた手応えが、現代のツールやテクノロジーによって置き換えられたものであるだけのはずだ。だから実装されたら難しくもなんともなく、どんな人でもそのムーブメントの参加者になりたいと思うようなことになるだろうし、実際すぐに参加者になれる。

でもそれが新しい。これまでとは全く違った世界へようこそ、となる。それはラトゥールが言っていた「これまでの日常が全く新しい旅の日々になる」みたいなことだ。

それはマーケティングやこれまでのイノベーション手法では生まれない。センスを駆使して、手探りでひとつひとつ実感を積み上げて、どこかでそれを異化させて、ある程度固定できるようにする。その感覚を共有できる人との共同作業になる。哲学者ならこれをひとりでやるかも知れないけど、僕らがやるのは社会実装だからたくさんの仲間とキャッキャウフフできることを目指すのだ。

この前MUTEKの魔法学校で少し話に出てきたサイケの「クリエイティブの本性」にも通じる話なのだけど、人間の手応えや喜びや安心とかがどこで生まれているのかについて。

もちろん商品やサービスとかで生まれているのではない。でも実は多くの場合そうだと思われている。そこでそれらの「手応えの本性」を見つけるために、僕らはこれからフィールドワークして民俗誌を学んでいく。

で、それらの本性を発生させるのはわりかし簡単なところまでテクノロジーは来てるのに、我々は全くそれが「見えてない」のが現状だと思う。

ゴールは単純で、その本性が見えたらそれがたくさん発生するようにすればいい。それが新しい社会(のようなもの)になる。もしくはたくさん発生するにはなになにをこうしよう、いやこうしてみよう、こうしたらどうかな?やってみよう、あ、できた、とかできなかった、とかをやっていけばいい。
おそらくそれをやり始めたらすぐに「ちょっといい感じ」になって実感が伴うはずだし、さらに続けていくとどんどん世界が広がっていって充実していくだろう。

それを始める前は「見えない」から難解で何が面白いのか想像すらできない。見えないと言うか、見過ごされてる。で、全てのプロダクトやサービスとかにはその本性の破片が含まれている。なぜそのプロダクトなりが成立しているかと言うと、その本性の破片が含まれているからなのだけど、人はそのプロダクトなりが本性だと勘違いしてる。

だからいわゆる現状のデジ田やスマートシティのような「魂が入ってない」ことが多発する。なんなら本性の破片すらそこにはのこされてないケースも多いと見受けられる。もしそこに少しでも我々が生きていると感じる本性の破片があると、まるで壮大な装置によってそれが実現したかのようにプレゼンテーションしたり評価したりする。 そしてそれには多くの費用や工数がかかると思い込んでしまう。

ところが破片は破片でしかなく、本性をしっかり捕まえて、それがたくさん発生する状況をみんなで作り出せるところまで我々は今、来ている。そのために莫大な費用はかからない。テクノロジーは揃っているのに最適なツールがなく、その可能性をうまくいかせていないだけなのだ。

もちろん最新のテクノロジーなどなくても「それ」はできるんだけど、「見える」ようになった仲間とデザイン思考でワイワイやってる日常が動き出すと、まさにダイナミックな日常の旅を生きていくことになる。これは間違いない。

だからデザイン思考2.0にANTを統合してツールを最新のものに刷新してデザイン思考3.0でワイワイやると、新しい世界が広がってこの時代だからこその楽しみを満喫できる。そのために息を合わせるために学び、プロトコルを合わせて、インプロ、セッションを日々たくさん起こし、何度も何度もいろんなことを試行錯誤していく。そこにゴールはなく、説得や説明もいらない。ひたすら楽しい。充実している。そんなことを目指して今年は思い切り活動しても良いと思ってる。

そして我々の世界認知ってこんなふうに儚く不安定なので、関係性を常に実感できるように学校や会社に通ったり何かを続けたりしている面もある。だからアプリとかでもそのか細い関係性を何度もなぞって手応えを日常的に感じることができる。そこら辺が僕の今後の専門領域になる。がんばる。

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