新書『「カッコいい」とは何か』|第3章「しびれる」という体感|1生理的興奮としての「しびれ」
「カッコいい」という判断は、本人にとって、絶対に疑い得ない根拠を持つこととなる。「しびれる」というのは、飢くまで一つの表現だが、とにかく、そんなような何かが、もし体を駆け巡らないならば、それは、人がどれほど崇めようと、自分にとっては、「カッコいい」対象ではないのである――。平野啓一郎が、小説を除いて、ここ十年間で最も書きたかった『「カッコいい」とは何か』。7月16日発売に先駆けて、序章、終章、そして平野が最も重要と位置付ける第3章、4章を限定公開。 「カッコいい」を考えること