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チャーシュートッピングではなくチャーシューメン

かつて、業務用食品の営業をしていた時代、お客様である食品卸の常務とユーザーである飲食店に営業同行していました。その際、訪問した飲食店で新業態としてラーメン屋を始める計画があり、そのラーメン屋のメニュー表を見てもらいたいという話になりました。
メニューを見て常務は「チャーシュートッピングではなく、チャーシューメンというメニューにしないとダメだ」とアドバイスしていました。最初は言っていることがイマイチよく分からなかったのですが、下記のようなことです。

<チャーシュートッピングバージョン>
・ラーメン700円
・チャーシュートッピング250円

<チャーシューメンバージョン>
・ラーメン700円
・チャーシューメン950円

確かに、自分に当てはめてみるとチャーシューメンはよくオーダーしますがチャーシュートッピングはあまりオーダーしません。
チャーシューメン950円はそこまで抵抗がありませんが、チャーシュートッピングはチャーシューだけで250円も上がるのか・・と思うと若干躊躇してしまいます。

最近は「全部乗せラーメン」というメニューを導入しているラーメン屋が多く、“オススメ”という表示に惹かれてついつい注文してしまいますが、これがチャーシュー、煮卵、のり、ホウレンソウ、メンマなどが別々のトッピングだったらきっとオーダーしません。別に嫌いという訳ではありませんが、個人的にはのりやメンマをトッピングしてまで食べたいという気持ちにはなりにくいです。

マクドナルドでもドリンクは単品で見るとコンビニで買った方が圧倒的にコスパが良いと思いながらついついバリューセットだと割安な気がしてポテトとドリンクをセットで頼んでしまいます。

かつて台風に備えて自宅に雨戸を付けようと思い、ホームセンターで聞いてみると30万円程度の価格でした。思ったより高いんだと思い、購入を見送りました。しかしその後、マイホームを新たに買い替える際は、30万円の雨戸を付けることに何の躊躇もありませんでした。30万円という価格がそれだけだと高い感じがしますが、数千万円の買い物をすると誤差という感覚になりますね。

人間は心理的に個別の商品の価格が明確だと、それぞれの商品の価値を冷静に判断します。そうすると割高感を感じることが多いです。
他のものとのセットだとなぜか割高感を感じにくいですね。不思議な心理です。

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