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人生初ピューロで僕が見たもの~ミラクルギフトパレードとキティちゃんという存在~

注:今回ミラクルギフトパレードのネタバレすっごいあります。

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人生初のピューロランド。目的であるキャラクター大賞は存分に楽しめた。だがもうひとつ、ピューロランドに来たのなら絶対に外せないショー。

ミラクルギフトパレード。

ピューロランド開園25周年を記念して2015年から開催しているショーである。「かわいい」「なかよく」「思いやり」をテーマにキャラクターたちが歌やダンスを披露してくれる。
開演前、モニターにパレードの振り付け動画が流れている。観客は皆ミラクル♡ライトというアイテム(グッズ売り場やパレード前に知恵の木周りにいるお姉さんから購入)を持ち、それをフリフリしてキャラクターと一緒に踊るわけだ。全てのミラクル♡ライトはパレード中、シンクロして同じようにカラフルに光る。ちなみに持っていない人は手を組んで(おねがいポーズ)踊りに参加する。ただ何分周りには大勢の観客がいるので、あまり大きく動くと隣の人にショートアッパーをかましてしまう可能性があり、全然可愛くない争いに発展してしまうかも知れないので、そこは思いやりの心を持って周りに迷惑をかけない程度に参加しよう。

知恵の木周りをうろついているぐでたまはどうやらミラクル♡ライト販売のサポート的な役割で来ていたようだ。相変わらずのやる気のなさだが、むしろそのおかげで初めて参加する僕は少し緊張が和らいだ。

アンニュイなテンションのまま去っていくぐでたま。会場が暗転する。



ミラクルギフトパレードがその幕を開ける…。



まずはゆったりと落ち着いたキティちゃんの語りから。知恵の木が生まれたいきさつを話してくれる。キティちゃんの姿はまだ見えない。

次の瞬間、会場が明転。光り輝く知恵の木。
派手な衣装の妖精たちが一斉に現れ、素敵な歌とダンスでオープニングを盛り上げる。

オープニングにふさわしい壮大でメルヘンな曲。会場に僕以外に何人初めて見に来た人がいたかわからないが、僕と同じようにおそらくこの時点で既に心を奪われていたことだろう。

そして楽曲は流れるように『THE WORLD OF DREAM』(ピュ~ロ~のやつ)へと突入し、カラフルで可愛いフロートに乗ってサンリオキャラクターたちが登場する。
登場キャラクターはマイメロディ嬢、キキララちゃん、プリン君にシナモン君、ぼんぼんりぼんちゃん、クロミ様、あっぱめ~(ピアノちゃん)、メルちゃん、ポチャッコマンズソウル間違えたポチャッコにたあ坊、そしてけろけろけろけろけろけろけろけろっぴ。そうそうたるメンツである。まさにサンリオのウィーアーザワールド状態。

そして勿論彼女がいなければ25周年パレードも締まらない。世界のアイドル。ミス・サンリオ。友情の伝道師。ハローキティと世界一の幸せ者ダニエルがゴンドラに乗って登場。ここで楽曲はさらに壮大さを増す。
ちょっともう僕は泣きそうである。

そして今度は一転、リズミカルでポップな楽曲に変わり、キティちゃん&ダニエルがリズムに合わせそれぞれのキャラクターを紹介していく。全キャラクターがちゃんと声を出して挨拶してくれるのがいい。あっぱめ~に笑いそうになるが。

瞬間、空気が止まる。「何かしら?」とキティちゃん。

ダニエルはしかしパーティを始めようとキティちゃんを促す。
そして始まる『KAWAII FESTIVAL』。初見のこのときは単純に新鮮な気持ちで見ていたが、何度も見ている今だとこの曲のイントロが流れた瞬間、体の中からアドレナリンがブクブクと湧いてきて鳥肌がゾクゾクと立ち上がる最高にワクワクする瞬間である。
そしてこの曲で開演前にレクチャーされた振り付けが出てくる。ミラクル♡ライトを持って踊るキャラクターたちの可愛さが尋常ではない。そう、これは尋常ではない。軽い事件である。

ところでこれらの素晴らしい楽曲を手がけているのは何とあのヒャダイン氏。手加減一切なしでそのあり余る才能をこのミラクルギフトパレードにぶつけてくれたようだ。本当に凄い人である。

留まるところを知らないカワイイの洪水。歌もダンスもハイクオリティ。もうこのまま終わっても充分サンリオ史に残る傑作コンテンツだったと思うが、ここからミラクルギフトパレードはさらに上の領域に足を踏み入れる。

『KAWAII FESTIVAL』が終わると再び空気が止まる。先程キティちゃんだけが気づいたあの空気。今度は勘違いではない。全員が気づいている。

雷鳴と共に現れる黒い集団。光を憎む闇の女王3姉妹とその手下たちである。極悪人の登場だ。
闇の集団は大暴れし知恵の木の光を奪おうとする。そしてこの闇の集団による歌とダンスが凄い。ここまでのカワイイ楽曲とは180度真逆の緊張感のあるスピードナンバー。悪役ならではのカリスマ性を感じさせる“カッコイイ”曲である。女王の歌唱力も凄まじく高い。一方手下たちのダンスの方は中国雑技団かっていうくらい縦横無尽にアクロバティックな動きを見せつけてくれる。こいつらやりたい放題である。
ちなみにこのときは初見なのでまだ全体をざっくり見ているだけだったが、何度も見ていると闇の集団が暴れている最中、クロミ様がマイメロ嬢をかばう仕草を見せるシーンがあることに気づいて、こっそりいつもたまらない気持ちになっている。クロミ様のそういうところがねえ、いいんです。

そして闇の集団のわがままパワーにより、とうとう知恵の木の光が失われてしまう。

全てが絶望の空気に包まれる中、ダニエルが立ち上がる。

「闇の女王を倒すんだ!」。

しかしそれを制止するキティちゃん。誰にだって暗い気持ちになるときはある、それでも思いやりの心があれば分かり合える。闇の女王とも。そう言って女王に寄り添おうとするキティちゃん。
彼女は知恵の木の光を奪った闇の女王にすらその強力な思いやりパワーを浴びせ、菩薩のような底なしの愛で包み込んでしまおうとしているのだ。その眩しいまでの純粋さと優しい歌に女王は戸惑いながらもただ寂しかったんだと本音を吐露し、ついに心を入れ替える。

キティちゃんという存在の大きさを僕はこのとき知った。

悪役を力でねじ伏せるのではなく心で理解する。ストーリーとして見てしまうと決して斬新ではない。むしろベタだ。
しかしこの平井“ファラオ”光、34歳(乾燥肌)。あまり人生を語るのは好きではないが、全くもって華やかな人生ではなく、身近な人間や社会などの汚い部分をいろいろと見てしまったがゆえに悩み、荒んでいた時期が短くなかった。そんな僕の心にキティちゃんの一点の曇りすらない純粋さはあまりにも美しく、強く響いたのだ。
おそらく似たような理由から、大人になればなるほどシンプルイズベストの良さが理解できるようになる人は多いと思うが、キティちゃんという存在はきっとこの世で最もシンプルイズベストの道をずっと昔から迷いなく突っ走ってきた存在なのだと思う。
そしてこれ以降僕は変なキティちゃんスイッチのようなものが入ってしまったのか、これまでそんなには興味なかったキティちゃんがとてつもなく可愛く見えるようになってしまったのだ。今ではクロミ様に次ぐくらいに好きなキャラクターである。

そうしてキティちゃんの奥義、スーパーギャラクシー思いやりビームにより心を入れ替えた女王(真っ黒だった衣装が瞬時に真っ白に!)と共に、光を取り戻した知恵の木の下で楽しいパーティが再開される。
壮大で感動的なエンディング曲。地球上で最も平和な世界がここにはある。サンリオ男子の源誠一郎も言っていたが、ここは大いに泣いていいところである。僕は回を重ねるほどに涙を我慢できなくなっている。

そしてキャラクターたちはまたフロートに乗り、観客に手を振りながらゆっくりと帰っていく。


以上がミラクルギフトパレード、その全貌である。
終演後、僕は少しの間放心状態となってしまったが、歌、ダンス、ストーリー、可愛さ、そしてキティちゃんという存在の大きさ。その全てが予想を遥かに超える素晴らしいショーであった。

1990年の開園以降、黄金期を迎えていると言われる現在のピューロランド。
その黄金期を支えるサンリオ史に燦然と輝く傑作コンテンツ、ミラクルギフトパレード。
誰一人としてこれを見ずにその生涯を終えることなど許されない。


カワイイの答えはここにある!

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