もしもあなたが、今日から広告の薬機法チェックを担当してくださいと言われたら

このnoteは、企業内の担当者が薬機法・景表法チェックを行う場合の手順とポイントについて書いたものです。

薬機法・景表法に気を付けなければいけない。
って、具体的にどこをチェックして何に気を付ければいいの???


という疑問を解消する目的で書きました。

・新しく化粧品や健康食品の取扱いを始める企業
・内製化で何となくやってるけど…とうやむやになっている企業
外注→内製化に切り替えたい!と思っている企業

にとって、読んで損のない内容となっています。

また、提出する記事を事前にチェックしたい場合にも同じポイントをチェックすればOK!ライターやPR投稿をするインフルエンサー、代理店としてメーカーとの間に入っている方にもぴったりの内容です。

書いた人:薬機法専門行政書士 ひらさこ
元化粧品メーカー広告制作&薬機法・景表法チェック担当。
最初はチェック担当として制作物について「ここは薬機法NGです」などとダメ出しをしていました。
当然制作サイドからは「代替案をくれ」と言われます。訴求の低い曖昧な代案では納得してもらえないのでセールスライティングの勉強をして「薬機法NGにならない訴求の強い言い換え」を提案できるよう尽力してきました。
(結局最終的にライティングは自分がやっていました。)

今ではチェック側と制作側の橋渡し役として出番を頂いています。

薬機法・景表法チェックはマスト

「10秒に1本売れてる!シミが消えるクリーム」と
「気になる目尻のエイジングケア(年齢に応じたケア)に」

どちらも同じ商品のコピーだとしたら売れるのはシミが消えるとはっきり言ってくれているキャッチコピーの方でしょう。

ただ、広告表現に対する規制は年々強化されています。
薬機法・景表法の両サイドからの視線を意識していく必要があります。
特に景表法は「消費者贔屓」です。

「広告審査に落ちたから、仕方なく対応する」という思考は危険です。
審査が通っていても、法律的にOKとのお墨付きを得たわけではありません。

「なんとなく対応」を卒業して、今すぐチェック体制を整えましょう!!


もしもあなたが、今日から広告の薬機法チェックを担当してくださいと言われたら


本題に入ります。
架空の事例で薬機法・景表法チェックの手順とポイントに触れていきます。新米薬機法チェック担当者に抜擢されたつもりで、読み進めてみてください。

法務担当から、化粧品広告の薬機法・景表法チェック担当に

あなたはとあるD2Cメーカーで法務を担当しています。
ある日、社長から「新しい事業として化粧品事業を展開していく」と言われました。
「化粧品事業は薬機法の縛りで広告の表現でNGが多いらしいから法務が見てあげてね!最近は景表法も厳しいらしいからそっちも忘れずに!」と。

プロジェクトが進んでいくと、パッケージや店頭POPなど色々な広告のチェックが舞い込みます。

さあ、どのようにチェックを進めていきましょう・・・?


薬機法チェックのやり方

薬機法の特徴
・美容・健康訴求をする商品を販売するときに関わる
・化粧品では「ここまでしか言えない」という範囲が決まっている

薬機法が関わるシーンは「美容健康訴求をする商品を売るとき」です。
例)
「肌のトラブルを予防する」「髪に艶を出す」「ニキビを治す」「生理痛を緩和する」など訴求する商品を売るときには薬機法が関わります。


化粧品の場合訴求できる効果がリスト化されている
例)
「毛髪にはり、こしを与える。」「肌にツヤを与える。」「爪を保護する。」


薬機法チェックの流れ
①抵触する表現の洗い出し
医薬品等適正広告基準化粧品等の適正広告ガイドラインを確認しながら、広告内の薬機法に抵触する可能性のある表現を洗い出します。

②言い換え表現の検討
NGから、OKへの言い換え表現を検討します。

\時短POINT/
最近では①②の流れがおこなえるAIツールもあります。
言い換えが単一ではあるものの、楽さと速さを求めるのであれば一次チェックはツールに頼るのも1つです。

\POINT/
言い換えワードの提案とありますが、言葉以外の部分にも気を配る必要があります。LPやインフルエンサー投稿など画像を含む場合には、写真や装飾も踏まえてチェックをしていきましょう。


景表法チェックのやり方

景表法の特徴
・ジャンル問わず、商品サービスを広告するときに関わる
・広告であることを隠すのはNG
・盛りすぎて嘘になってしまうのはNG

景表法は、美容健康分野でなくても関わる法律です。
肉屋の広告、パソコン教室の広告、エステの広告、どんなジャンルであっても関わりがあります。

広告であることを隠す「ステマ」はNG
2023年10月から、ステマ広告が禁止されました。
広告であることが伝わるように対応が必要です。

自社の商品を良く見せ、選んでもらうための広告ですが「盛りすぎはNG」
あくまで事実に基づく範囲での表現が求められます。

景表法チェックの流れ
①ステマ対応
例えば、インスタグラマー商品を紹介してもらう依頼を行う場合には#PRなどの表示が必要です。

#PR  や 「プロモーションに参加しています」といった明示を広告内のドコにどのような表現で行うか?

例の場合であれば、あらかじめ社内で対応を検討しておき、インフルエンサーに事前配布資料としてレギュレーションを固めておきましょう。

チェックのときには、レギュレーション通りに記載されているかチェックすればOKです。

②商品の品質を事実以上に盛りすぎて嘘になっていないか?
根拠に基づいて行われた表示かどうか?という視点でのチェックをしてください。

③条件について盛りすぎて嘘になっていないか?
例えば、「購入者全員が貰える」としつつ金額や人数に制限がある場合など、実際の条件とは違う条件にすり替わっていないか?という視点でチェックしてください。

\POINT/
景品(おまけ)の域を超えた景品をつけるなど、取引条件そのものがNGな場合もあるので、この点もチェックが必要です。


まとめ

薬機法・景表法チェックの流れとポイントをまとめました。
薬機法・景表法といったコンプライアンス対策は、力を入れにくい部分ですが法規制強化の流れから対応はマストです。

・AIツールで手軽にチェックする
・自社で薬機法がわかる人材を育てる
・いっそ外部に委託する

など…対応策も1つではありません。
企業の状況に合わせて対応策を検討すると良いでしょう。

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