【タイに住む】[準備編] 5 - 銀行残高証明(知っていたとしても教えません)

短期のビザなし観光であれば要りません。
通常の観光ビザであれば1ヶ月分で構いません。
が、特別観光ビザの場合は6ヶ月分が必要です。

なんの話かというと、空けておくべき日本のスケジュールではなく、ビザ申請時に提出が必要な銀行残高証明書の話です。

英文の 銀行残高証明書 過去6か月分(各月500,000バーツ以上に相当する額の残高が証明できること)

特別観光ビザ(Special Tourist Visa -STV) 申請概要

残高は各月50万バーツ(180万円)以上が確認できるものでないとダメだそうです。

提出理由までは書かれていませんが、要は「遊びに来るならそれなりにお金を落としていってくれるようなひとじゃないとダメ」だということですね。

私のような、貧乏でも毎日楽しく生きる方が幸せだ的なドーパミンの過剰分泌に依存して人生を切り開いてきたような人間には一大事です。

そもそも夫婦でひとつの銀行口座を共有しながら生きてきた私たちにとっては、ふたり分の銀行残高がそもそも用意できません。

私の魂は、夫婦とは人生や財産、権利や義務をふたりで共有するものだと伝え打ち震えています。
相手が苦しいときは自分も苦しいし、相手がお金がないときは自分もお金がないのです。
夏目漱石であれば、それこそが「最も幸福に生まれた人間の一対であるべきはずです」と共感してくれたことでしょう。

でもどんなにググっても、そのような人生訓を包括した観光ビザの取得方法は見つかりません。

なので大使館の職員に直接私の魂の訴えを聞いてもらったところ、「そういう個別的なケースにはお応えできません」とのことでした。

「個人情報に触れない範囲でいいから、こういう場合、他の方はどうしたのかだけでも教えてくれませんか?」と食い下がりましたが、「もし知っていたとしても教えません」とのことでした。

あまりにも間髪入れずに断言されたので、私は何か非常識なことを言ってしまったのかと怯え、打ち震え、詫びて電話を切りました。

それから数日悩んでいろいろ調べていたところ、配偶者や未成年の子供と一緒に渡航申請する場合は戸籍謄本を提出する必要があるという条件を見つけ、これを添付して、もし妻の職業が専業主婦であれば共同生計で通じるのではないかと考えました。

あらためて電話で聞いてみると「奥さんは本当に銀行口座がないのですか?」といぶかしがられつつも、それであればふたり分の残高が証明できれば戸籍謄本と一緒に審査することはできると思います、とのことでした。

蜘蛛の糸を掴みました。

担当の方を弁護するわけではありませんが、でもこちらも聞くときには具体的な方法を提示して判断できるような質問の仕方をしないとダメですね。

最初の担当の方はおそらく毎日「明日は何曜日だ」的な質問をされて精神衛生がすこぶる侵害されているのかもしれません。

我々がこれからも紳士淑女を標榜するなら、この場合しっかり彼女のメンタルヘルスにも配慮して「被扶養者がいる場合は、その人数分の残高とそれが証明できる戸籍謄本を添付すればよいですか?」と具体的に尋ねるのが吉です。

吉なものの、私はこれを前々から把握して計画的に残高管理してきていたわけではありません。
そこではたと気付くわけです。
過去6ヶ月に渡って、各月50万バーツ×2が残されてきているのか?と。

私ももういい年齢です。資産運用の観点から分散投資的なことも始めているので、銀行口座は心許ないです。

そもそもいつの時点の為替レートで計算するんだろう。

たしかに計算してみると、必要な残高額に届かない月があります。

ジーザス、甘いものをたくさんくれ。

もはや祈る気持ちで銀行に行って、残高証明書を取得しに行きます。

6ヶ月分も取得するケースはあまりないようで、1枚の申請書に「発行枚数:6」のように書いて済ますわけにはいきません。
6枚すべてに手書きで、住所氏名連絡先と署名が必要です。
電子申請?オンライン対応?ないです、窓口で紙に書いて申請するしかありません。

私の字は元々目を瞑って書いたみたいに汚く下手なのですが、老眼と握力低下も重なって、書けば書くほど私自身にも読めません。
最後の6枚目などもはやなにかの呪詛を書き連ねた不幸な呪符のようです。

ジーザス、もっと甘いものを。

しかしなぜか親切に受理していただき、後日おそるおそる証明書を受け取りに行くと、幸いにもレートが当時の計算になってくれていたようで、ほんの数千円上回るかたちでクリアできていました。
最近は特に円安バーツ高なので、今のレートなら間違いなくアウトでした。
人生はいつだってぎりぎりセーフです。

本当にラッキーでした。

教訓: ラッキーレート、ハッピーライフ

銀行残高、コンプリート!

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