オールユアーズ的、インターネットと服のはなし(第一回)

【2019年1月31日追記:第三回までの連載でお送りします。】
【2019年2月5日追記:第四回までの連載でお送りします。】

まるで現代に生きる僕らのための予言の書。
みたいなものが、1977年1月に日本語で出版された。

 あなた自身が、自分のために自分で作り出す服装のスタイルについて書いてみたのが、この本です。ファッション・メーカーに命令されて服を着る時代は、もう終わっています。
 自分が何を着ればほんとうの自分になるのか、どんなスタイルをすれば自分がいちばんひきたつのか、最もよく知っているのは、なんと言ったって自分自身です。
 あなたの服装は、あなたが自分でえらびとっている自分自身の生き方にぴったりそったものであるべきなのです。ファッション雑誌の繁栄になってしまっているなんて、とても生き方とは言えません。
 調和の良くないいろんな服を、ごちゃ混ぜにいっぱい持つのは、やめましょう。着ていてとても気分の良くなってくるような服を、数すくなくてもいいからきちんとそろえて、自分のスタイルの基本にしましょう。身につけていると気分が良く、自分に自身がわいてきて、セクシーになり、素敵に見えてハッピーになれるような服を、昔からの仲の良い友だちと同じように、いつまでも大事にしていくのです。
 ファッションの大量生産と大量マーケティングによって、間違った、ロクでもないファッションが、私たちの衣装ダンスの中に大量につめこまれています。
 ありとあらゆるファッションにいつもとりまかれている私たちは、あれやこれやとただやみくもに買うだけです。自分の基本的なスタイルとか、どんな服が自分にとってほんとうに必要なのかということをまったく考えなくなっています。
 しっかりとした主張のある、素敵な装いをしていると、気分が高揚してきます。くだらない服をごちゃごちゃと持つのをやめにすると、生き方まですっきりとしてきます。自分自身を喜ばせるために、服を着てください。うまくいったときには、周りの人たちもそんなあなたにうれしくなっていきます。
 ”チープ・シック” 冒頭文より。
カテリーヌ・ミリネア+キャロル・トロイ・著 
片岡義男・訳
草思社・1977年刊 

”CHEAP CHIC”と題されたこの本は、1977年当時の世相を反映しているにも関わらず、21世紀に生きる僕たちに重要な示唆を与えてくれる。

「嘘だろ…?いま、世の中で言われていることが書いてあるじゃないか!」
ぼくはそう思った。そう思わないかい?そこから続く内容も実にぼくの考えていたことに合致し、いつしかこの本を読み込むようになった。

たぶん、2011年くらいだったと思う。
大きな地震があったり、自分自身も、日本のマインドもかなり変わったタイミングでもあったし、衝撃を受けて読んだことを覚えている。
写真は当時のものなので、ナードなものや、レトロな雰囲気の写真が多いけれど、テキストそれ自体はほとんど今でも通用する内容だ。
ファッションがテーマの書籍ではあるけれど、内容は非常にアンファッション的。「チープ」という題名だけど、安ものの買い物リストではない。

シンプルに自分らしく生きていくためのヒントが書かれている。

ALL YOURSを設立する上で、相当に影響を受けた一冊なのだ。


インターネットとSNSが変えてしまったこと。

個人的に考えている視点を話します。

1982年生まれのぼくが中高校生だった、1990年代前半〜中盤はSNSどころか、インターネットがなかった。

そして、外見や服装が自分のキャラクターを表現するすべてだった。

そこでは、何系の服が好きで。どんなブランドを着て、他のどんなものとスタイリングをして、そのブランドについてどのくらい知っているか?それがイケてるヤツの価値だったし、親や先生、仲間や社会に、自分はどういう人間か?を示すほとんど唯一のツールだった。

服は自己表現だった。だから非常に重要なツールだったし、あるコミュニティに入るためのパスポートのような役割を果たしていたと思う。

この服装をしていると、どんなカルチャーに興味があって、どんな音楽が好きで、どんな趣味があるか。みたいな自分のプロフィールをざっくり示すものだったんですよね。

時はめぐって、2000年代以降に変わってしまったこと。それはインターネットとそれに続くSNSの普及によって、自己表現の領域がオフラインから徐々にオンラインに移行していってしまったことだ。

昔は自分のコミュニティへの所属意識や趣味趣向を、服装で示していたのが、今やそれはあなたの手の中にある。

スマートフォンだ。

なにを感じたか?をtwitterでつぶやき
なにを見たか?をinstagramで写真を投稿し
お気に入りのメディアのポストをfacebookでシェアする。

みたいなことが当たり前になってしまった今、自分を表現する主戦場が変わったのだと思う。都合のいいことに、インターネットは自分のムラを作りやすい。趣味があう人と繋がり、興味があるカテゴリのメディアを選択して見ることができるし、嫌なら付き合わなくていいんだから。服が持ち合わせていた自己表現という機能の一部をSNSが代替してしまった。

つまり、自己表現としての「服装」「ファッション」の役割が希薄化してしまったんじゃないかと。等身大の自分を反映させる無料のツールが手の中にあるのだから。多くの人たちが(昔に比べて)高いコストを出してブランドもののために頑張る必要がなくなったんじゃないかなと。そう考えているわけです。

もちろんファッションが死んだとは言いません。好きな人はたくさんいます。ただ、ファッションそれ自体の機能がSNS上での自己表現のツールになってきているな。とか、外見で差別化したり外に向かって自己表現する。というより、自己を満足させるためにこだわった服やお気に入りの服を買うという方向に変化しているのでは?と感じています。異性よりも同性に共感されるファッションなんかもこの流れにありそうですよね。

そして、さらにSNSが与えたものすごい変化として「明日初めて会う人がどんな人か、検索すれば大体わかってしまう。」ことだ。

以上のように、SNSは服装で個性を発揮するより「自分はこういう人」という表現としては圧倒的に強い。だって、自分がどういう人か会う前にわかってもらえるって、今までになかった変化だ。(それが嫌でSNSをやっていない&鍵をかけてる人の気持ちもわかる。)

見せたい部分しか見せなくてもよくなったから、違った自分になれるツールとして使う。という方法もある。あれ?でもこれも、そもそも服が担ってた機能じゃないか???

自己表現のフィールドが圧倒的に服からSNSに変わった。じゃあ、洋服はどう変わるべきなのか?その問いがオールユアーズをやっている一つの理由でもあるのです。
(第二回へ続く)

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『ステートメント』
ALL YOURSは信じている。
最高の服とは、着ていることすら忘れてしまうものだ。

そこには、カッコいいも悪いも存在しない。
あなたのスタイルがそこにあるだけでいい。

他人にどう見られているかなんて気にしてる場合じゃない。
もっと面白いことが世の中にはある。

誰かの作った流行に惑わされるな。
自分が本当に信じられる事を見つけよう。

自分のやりたいことに集中しよう。
自分の存在は”今”ここにしかないんだから。

自分に素直でいよう。外見にとらわれるな。
本当に美しい姿は、美しい魂に宿る。

自分自身を知り、本質を感じよう。

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コメント1件

読んでいただきありがとうございます…!誰のためでもない、自分の装いをしましょう!!本当に嬉しいです!
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