三回_2x

オールユアーズ的、インターネットと服のはなし(第三回)

着たくないのに、毎日着てしまう服。

前々回から色々述べてきましたが、今回はオールユアーズが考えるモノづくりのお話。

オールユアーズが作りたいのはファッション的な服でも、巷によくある「機能服」でもないんです。『着ていることを忘れてしまう服。』が作りたいのです。

以前のnoteで、僕はこう言いました。

「ファッションじゃない服を作りたい。ものすごいスピードで”消費”されていく服じゃなくて、すぐにダメになって捨ててしまうような服じゃなくて、気に入ったものがずっと着られて、着ていることすら忘れてしまう。着てくださる人の生活の一部になる。それこそ ”第二の皮膚” のような。僕らは『インターネット時代のワークウェア』を作ってるんだ。」
「ファッションに気を使っている場合じゃないくらい、やりたいことがある人へ。ファッションなんかより、大事なことがある人へ。かっこいいのは、あなたの服じゃない。あなたのやっていることだ。それを助けるツールとして、僕たちのプロダクトを提供したい。」

では、僕の言う『着ていることすら忘れてしまう。』とはどういうことなのか?その要素を今回と次回の最終回で語ろうと思います。

簡単に定義すると。

『着ていることすら忘れてしまう服』とは、朝起きたときに、考えずに手にとってしまうような服。コーディネートや、色合わせなどを考える以上に、生理的な理由で選んでしまうような服。

まさに、『着たくないのに、毎日着てしまう』そんな服のことだ。

カシミアよりディッキーズの素材の方がいい素材だって思ってる。

服はファッションであると同時に、 ”耐久消費財” な側面を持っています。使用するのは一度きりじゃあありません。着たあとに必ずケアが発生します。

そう、洗濯しなきゃいけないんですよね。

また服は、飾っておくわけじゃなくて、着用するものです。身にまとうもの。そうすると、カラダの動きについていかなきゃならないし、肘や膝は擦れるし、お尻の部分だって座ったりして摩擦があります。

着るだけで、少なからずダメージがあります。
そして、洗濯をするというのも、少なからず摩擦が生じるので、洗濯時にも徐々にダメージが加わります。

スレたり、シワになったりを気にしないで着られて、公園の朝露とかで多少濡れたベンチに座っても全然気にならない。あ、もちろんカラダについてくるのでつっぱったり、引っかかったりしない。洗濯時も気にせず洗濯機へ放り込める。

そんな服があったらいいと思いながら作っているわけです。

と言うわけで、『着ていることすら忘れてしまう』条件としてこんなことがあげられると思います。

◉着ている時のストレスから開放する。
◉ケア(洗濯、保管)のストレスから開放する。
◉選ぶときのストレスから開放する。

着心地がよくて、丸洗いできて、朝起きるとこればかり着てしまう。
目指しているのは、そんな製品。

そういう定義をつけていくと、今までの服の価値観に多少疑問が出てくるんですよね。この考えで見ると、世の中で「良い」とされているもの。例えばカシミアの製品は着ている時にも気を使うし、洗濯はいちいちクリーニング出さなきゃいけないし、(まあ、実際は洗えるのだけど、メーカーは推奨していない。洗うにしても気を使うのでダルい)選ぶときも高価なので気を使う。

毎日着たり、気にせず着られるという思想からは真逆の製品だと言える。

ここが服の矛盾だと思っていて、例えば家電だと、値段が高ければ耐久性が上がったり、自分でフィルターなどを掃除してくれたり、手間がかからず長い間使えるものになるはずなのに。服は高いコストを支払って、メンテナンスにも時間とコストがかかるモノを「高級」「良いもの」として扱う。

つまり、アパレル業界では「いい素材=希少価値が高い=高価」な素材のことをいう。業界で「いい素材」って言われるものが、必ずしもユーザーにとって「優れた素材」ではないんじゃないかって思っているわけです。

それは「豊かさ」の象徴が金銭的なモノやコトだった時代の象徴物であると思う。その価値観、バブリーでちょっとダサく感じでしまうのは僕だけだろうか? 僕らは既存の「高級」には全く関心がない。躊躇なく選ぶことができて、丸洗いできて、着心地がいい。そんな服の方が優れたプロダクトだと思っているんですね。

逆にファストファッションは、ケアの時のことをあまり考えない。洗濯時などの耐久性をそんなに意識しないで(ところにより、わざと品質を下げる)、捨てる苦痛を緩和させて、新作を躊躇せず買い換えられるクオリティにトレードオフすることが「品質が高い」とされている側面もある。(ただし、基本的にはちゃんと着られるクオリティにしているところが、大手メーカーのすごいところでもある。)

その考え方も合理的ではあるし、僕もそういう領域で働いてきた人間でもあるけれど、今考えるとなんか違和感あったりする。

一番美しいのは、その素材の希少価値性以上にプロダクトそれ自身が用途に対して完璧に機能することであり、その人の生活にフィットし、身につけているものなど忘れてしまって、その人の能力や魅力を最大にすることだ。

そっちの方が良くない?
僕はそう思う。

まあ、これはあくまで僕らの価値観の話だ。これを支持してくれる人たちに僕らの服を着て欲しいと思っている。と言う意味で、僕らの服は以前のnoteでも書いたように「おしゃれ着」じゃないし「ファッション」でもない。「生きるための服」なのだ。


機能からさえ解き放たれたい。

僕らはそういう価値観でモノづくりをしています。その中でもう一つ言っておきたい事があって。

正直、僕らの製品は機能的だって言われるんだけど、機能スペックだったら他社製品の方が良い。

例えば、ONE SWING PARKA。

透湿撥水性のあるジャケットが欲しければ、アウトドアブランドの方が優れている。「この商品の『撥水性』の能力は他社と比べて、どのくらいですか?」というお問い合わせに対しては、素直に他社のアウトドアジャケットをオススメしています。「撥水性」だけならね。(僕、アウトドアブランド好きなので、用途に応じてお勧めできるジャケット知ってます。)

このパーカーが優れているのは、コットンをベースに作られているってこと。だから、「雨の日用」じゃないんです。雨の日でも、それ以外でも、どんな天候でも着ていて変じゃない。シャカシャカいわないし。外から部屋に、部屋から外に。出たり入ったりするときに、いちいち脱がなくても、いい。

仕事から、遊びまで。ピーカンから、雨の日まで。

日常をシームレスにつなげるというのがこの製品の本質であり、実際ユーザーさんはそれを感じてくれている。「水を弾くパーカー」と言っているけれど、実は数字に表れない、「生活の要」ってやつを目指した製品なのです。これは、一般的には機能って言わない。数字で計れないからだ。

もう一つ紹介したい、HIGH KICK もそう。

これも『ストレッチパンツ』というジャンルでは同じように見える。
でも、このジーンズは穿いていただいた方はわかると思うのですが、ただの『ストレッチジーンズ』を買っているのではなく、『このパンツで得られる体験』を買っていただいている。

ストレッチに優れているパンツは世の中にたくさんある。スウェットパンツやジャージーみたいなものも同じ類に分類されるだろう。

でも、このパンツは、見た目は普通のジーンズなので、普段着ているスタイルを大幅に変えることなく、あなたの脚にインストールできる。100%ジーンズの見た目をしているのに、スウェットパンツのようなはき心地で、動いているときも、座っているときも、コットンの優しい柔らかい肌触りをストレスなく感じる事ができる。

僕自身もそうだったけど、このプロダクトが開発されてから生活が変わった。出張で持っていく着替えが減ったし、なんならこのまま寝ても違和感を感じない。気にしない事が増えれば、荷物が減る。荷物が減れば、それがそのまま行動力に変わる。だから、毎日着てしまうのだ。(この文章を書いている今も着ている。)

シンプルなプロダクトを日々の活動のエモーションに変えていく。
機能を享受するのではなく、エモーショナルに生活を変える。僕はそんなことが出来れば最高だと思うわけです。

という事で、これがモノづくりの思想の根幹をなす部分なのだけど、それって細部を語ると、どういうことなのか…???

次回はちょっとだけ因数分解していきたいと思います。

ステートメント

ALL YOURSは信じている。
最高の服とは、着ていることすら忘れてしまうものだ。

そこには、カッコいいも悪いも存在しない。
あなたのスタイルがそこにあるだけでいい。

他人にどう見られているかなんて気にしてる場合じゃない。
もっと面白いことが世の中にはある。

誰かの作った流行に惑わされるな。
自分が本当に信じられる事を見つけよう。

自分のやりたいことに集中しよう。
自分の存在は”今”ここにしかないんだから。

自分に素直でいよう。外見にとらわれるな。
本当に美しい姿は、美しい魂に宿る。

自分自身を知り、本質を感じよう。

ALL YOURS

ALL YOURS


住所:東京都世田谷区池尻2−15−8
TEL:03-6413-8455
HP:https://coop.allyours.jp/
クラウドファンディング:https://camp-fire.jp/channels/all_yours
facebook:https://www.facebook.com/allyours.jp/
instagram:https://www.instagram.com/allyours_jp/
twitter:https://twitter.com/allyours_jp


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートいただいたお金は、ALL YOURSのコミュニティである「共犯集団」の運営資金として使わせていただきます。もしご興味あればご参加もお待ちしております! https://camp-fire.jp/projects/view/111003

感謝!シェアリツイしていただけたら勝手にフォローさせていただきます!
32

オールユアーズの木村まさし

「インターネット時代のワークウェア」という着ていることを意識させない服を作っています。CAMPFIREにて24ヶ月連続クラウドファンディングに挑戦後、今は全国47都道府県でりあるいべんとやってます!https://store.allyours.jp/

オールユアーズ的

ALL YOURSは信じている。 最高の服とは、着ていることすら忘れてしまうものだ。 そこには、カッコいいも悪いも存在しない。 あなたのスタイルがそこにあるだけでいい。 他人にどう見られているかなんて気にしてる場合じゃない。 もっと面白いことが世の中にはある。 誰かの...

コメント2件

痛快でした。柳井さんも自社の服を「部品」って言っていますが、ユニクロはファッションじゃないですね。
川中さま
ありがとうございます!最終回今書いてますので、ぜひ最後までお付き合いください!よろしくお願いします!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。