『血を吸うカメラ』

『血を吸うカメラ』
1960年、イギリス
監督:マイケル・パウエル

at 銀座メゾンエルメス ル・ステゥディオ

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原題『Peeping Tom』=のぞき魔


鑑賞後、隣にいらっしゃったマダムが、
「あーん、気持ち悪いの見ちゃった〜」
と、声に出して言っていました。

たしかに、これは気持ち悪い映画です。

主人公は、最高の恐怖を撮るために、殺人を繰り返します。

当日配布されたパンフレットによると、
同年にアルフレッド・ヒッチコック監督『サイコ』があり、
それと並び称されるパウエル監督のサイコホラーの代表作だそうです。

神経症が蔓延した現代では、
この映画の主人公のようなキャラクターは珍しくないのかもしれません。
気持ち悪いのも、映像ではなく、主人公の精神構造です。

カラー映画であり、配色もカラフルで、
むしろそれによって主人公の病んだ精神構造を、
ポップに見せてしまっている感じすらします。

さらに気持ちが悪いことに、劇中に出てくる回想シーンが、
パウエル自身のものであるということです。

自身の殺人行為を主人公に撮らせ、その映像を主人公が見、
さらにその状態を観客に見せる。
監督は観客が「見ることを見る」に至ることを想定し、作品を撮っている。

怖い…

ついに地上に降り立つことができなかった、
もしくは解き放たれることのなかった、
主人公の精神を見舞うとともに、
「映画を見る」という行為を強く印象づけたこの作品に、恐怖です。


#映画 #イラスト #血を吸うカメラ #銀座メゾンエルメス #ルステュディオ 

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川央ヒロコ

映画のこと(もしかしたらたまに違うこと)を、 なるべくネタバレの無いように書いていこうと思います。 より多くの方が、映画館へ足を運びますように...🎥 http://hrk-kawanaka.com
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