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インド日記3「機内でのあらぬ疑いとモティ君」

気がつくとフライトの時間が迫っていた。空港に着くや否や全力で走る。搭乗口がやたら遠いため、重い荷物を背負いながらおそらく1000mくらいを全力ダッシュ。

最初の荷物検査で、僕は日本から持ってきた、洗顔料のパーフェクトホイップを没収される。1点で100g以上の液体は持ち込み禁止とのこと。わりとショック。

タイからインドへの飛行機に乗るために4、5回ほどチェックを受けた。何度パスポートとビザを見せれば気がすむのだろう..と嫌気がさしたが、その分セキュリティ的には信頼できた。日本の空港が甘過ぎるのかもしれない。

無事飛行機に乗り込むと、もうそこは東南、西アジア系の人、又はヒッピーしかいないアウェーな空間。飛行機の中を異国人の体臭が立ち込める。

何はともあれ無事、飛行機に乗れたという安堵感とインドへ行けるという期待を胸に膨らませ、ウキウキしていると、スチュワーデスがすごい剣幕で僕らに問いかける。

搭乗者の携帯電話がなくなったらしい。その搭乗者が誰なのかも知らされないまま、なぜだろうか?僕らが持っていることを疑っているようだった。何度もiPhoneをアンロックさせられたり、その携帯電話は本当に自分の所有物ですか?とキツい口調で問い詰められる。周りにいる外国人達に「なにやってんだよ、ジャパニーズ野郎」ってな具合に機内がざわつく。この旅で始めて人種や異文化を感じた瞬間だった。

無事疑いは晴れ、飛行機は飛び立った。
あれだけ飛行機が苦手だった僕も、この頃には怖いという感情が消えていた。大いなる進歩である。

機内食でカレーが出た。チキンカレーとベジタブルカレー、それにロティまで付いていた。どちらも機内食としてはかなり美味かった。ライスもクミン入りのバスマティライスで当然のことながら本格的。ロティだけは不味くて、盛田くんに「どうすか?」と聞かれたので「粉をそのまま口に入れてるようだ」と答えた。

フライト中、左の席にシャイなインド人ぽい男が座っていて、やたら時間を訪ねてきたり、窓閉めていいか?とジェスチャーのみで聞いてきた。時間が経つごとに彼に対して愛着が湧き、僕は心の中で彼をモティ君と名付けた。彼は僕が外の写真を撮りたい素振りを見せると、さっと窓のスクリーンを開いてくれる。お互いの非言語コミュニケーションが嬉しかった。

ちょっとしたトラブルもあったが、やっとインドへ到着する。

この日は、時差を遡っているため、長いので続く..

ここまで読んでくれて本当にありがとうございます!