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意識の謎(養老孟司さん)

要約=======
意識はどこにあるのか?
そもそも意識とはなにかよくわかっていない。ものごとには場所があるものとないものがある。身体の部位には場所がある。空間を占めている。肺はなにをしているか?呼吸。呼吸はどこにあるか?心臓は循環している。循環はどこにあるか?運動はどこにあるか?など。機能(はたらき)は場所が決まっていない。脳は場所がわかるけれど意識はどこにありますか?というのは循環がどこにあるかを聞かれることと同じ。
・意識はなぜ存在するのか?
生物に必要だからあるとすると一体どういう必要があるのか?ない場合よりも脳が上手に動くのではないか。意識を含めた問題を説明することは非常にやっかい。徹底的に誤解が起こるから。例えば、よく脳が命令を出しているという人がいるけれど、水を飲みたいから飲んだ場合、水が飲みたいというのは実はあとから。脳が水を飲む方に向かって動き出してから決まること。意識がそうやって辻褄を合わせている。飲みたいから飲んだんだよ、と自分で説明している。これは脳波を測定する実験をすればわかる。この差は大体0.5秒くらい。これは認めると大変な議論になる。法律にもろにからんでくるから。犯罪をしたら脳が勝手に動いた。自分のせいではないという理屈が通ってしまうから。意識や脳にかかわることは簡単に分かりやすく言えない。もともと意識は正体不明なもの。例えば重力はわけがわからない。なぜ力を抜いたら落ちるのか?物理学で定義している。だけど意識は物理に定義されていない。正体不明なものを議論してもぐちゃぐちゃになるだけ。面倒くさい議論になる。

普通に自分がいると思っている状態をそもそも説明できるか?自分とは何か?どうして自分は自分だと思っていられるのか?朝起きたら虫になっていた。意識は自分は自分だと思っている。意識はすごく変。自分て何かというと根本はナビの矢印と思っている。頭の中のナビで現在位置を示す矢印。動物ひとには現在位置が分かるようになっている。それがわたし。それが壊れると面白いことが起こる。脳卒中の発作を起こしたひとでまず起こったのは「自分が水になっていく。液体のようになって広がっていく感じ。どんどん広がっていく。」頭の中に現在位置があったものが壊れる。最終的には自分が宇宙世界と一致してしまう。それは世界との一体感といって滝にうたれたり断食したりして体験するようなことと同じ感じになる。非常に気持ち良いそう。ナビはみんな持っているもので、ナビの矢印が壊れればナビ自体が自分になる。人間は頭の中に持っているものを自分で創る。持っているということに気づいていないだけ。


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