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【2019 ルヴァンカップ グループステージ 第3節】横浜F・マリノス vs V・ファーレン長崎 サクサクレビュー

1.はじめに

4月というのに雨降りしきり、風も強い非常に寒い中でのナイトゲーム。
ビルドアップが中々うまくいかず、前進が難しい試合となりました。

個の頑張りは見られてもチームとして機能していないのがむずがゆいです。
新加入選手の初試合でもあったので、ある程度は仕方ないのかなと思っています。

前にも記載しましたが、カップ戦は特別見直すこともなく、自分が見たときの感想をつらつらと書くような形でのレビューになります。

では、いってみましょう。

2.スタメン

・リーグ戦から総取り換えの先発
・ワダタク移籍後初先発
・リーグでも起用されるであろう渓太はパートタイム出場

3.長崎の守備について

縦にも横にも圧縮し、コンパクトにした4-4-2
・2トップの片方はアンカーを見て、もう片方はCBへ寄せる

長崎の守備ブロックの特徴は、ボール方向へ縦横に圧縮したコンパクトな陣形を敷き、スペースを消してボール奪取を試みることです。

メリットとしては、縦方向だけでなく、横方向にも圧縮するため、相手のパスコースを少なくすることができること。また、ボールを取りこぼしても別の味方がすぐそこにいるので、フォローが素早いことと、セカンドボールが拾いやすくなることがあります。

デメリットとしては、ボールがある方向へ人を寄せるため、逆サイドへ展開されたときのスライドする距離が大きくなることです。この距離が大きいということは、その分走るということになります。この守り方はかなりなスタミナを求められます

相手の狙いは密集してスペースを消すことなので、やられて嫌なことは密集できず、広がざるをえない状況を作られ、スペースを消しきれなくなることです。
しかし、マリノスのサイドバックたちは内側に絞っていました。
これだと圧縮した相手を広げることはできず、相手にとってみれば広がる必要がないため守りやすい状況が維持されます。なので、この動きはあまり効果的ではないです。

しかも外側へのパスコースも消えるため、それを作ろうとウイングは後ろに下がってきてパスを受けようとします。しかし、低い位置でウイングがもらってもゴールまで遠いため、あまり相手の脅威になりません。

サイドバックが広がると、パスコースの選択肢が豊富になります。
また、ウイングへのパスコースも確保されるため、不用意に後ろに下がらなくていいようになります。

ボールロスト時も後方に人数がそろっているため、リスクも少ないです。
このようにすることがよかったのではないか、と試合を見てて思いました。

また、相手が横にも圧縮するのなら、とことん横に寄せてしまうのも有効な手段だと思います。

①片方のサイドでボールを回し、相手を密集させる
②逆サイドのWGが孤立して浮く形になる
③中央を経由し、サイドチェンジのボールを出す

扇原はこのような対角へのロングパスを得意とする選手です。その特徴を最大限に活用できます。
また、両ウイングはドリブル突破が得意な選手です。
このようにサイドチェンジすると、相手のスライドが間に合わない、または間に合っても1対1の状況を作れるので、ウイングの特徴も活かせるようになります。

実際試合でこの形は扇原や康太から長いパスが出たシーンが何回かあり、渓太やイッペイもよく突破していました。純粋に選手の質で相手に勝負を挑めるので有効的な攻撃だったと思います。
特に渓太は絶好調で、ボールを持って仕掛けると高い確率で突破し、クロスやシュートに繋げていた印象が強かったです。リーグ戦にもこの好調具合を持っていって活躍してほしいですね!

4.ビルドアップ時の左右の状況

■左サイド

・ティーラトンがハーフスペースに上がる(中に絞りながら上がる)
・康太が左サイドの外側に下りてくる

左サイドは、ティーラトンは縦方向に移動することが多く、空いた外側に康太が下りてくるシーンが多かったです。

ティーラトンは広瀬をモデルにしたんでしょうかね。かなり高い位置まで移動していました。しかも扇原からの距離も遠かったことが多かった印象です。
また、康太もティーラトンがいなくなった箇所へ下りていたため、扇原の横にスペースが空くような状況ができていました。
カウンター時に扇原の周りを相手ボランチによく使われていました。また、サイドの守備が康太になってしまうため、ここも不利なように見えました。

■右サイド

・和田が中に絞る
・大津が大外に移動する
・大津が外にきたので、イッペイは中に移動する

右サイドは和田がかなり中に絞っていたことと、大津が大外によく開いていたことが印象的でした。大津の移動に合わせ、イッペイは内側のポジションを取っていることが多かったです。

大津へパスを通しても低い位置なので、外を取っても大きな脅威にならず。和田が絞るのでカウンター時に大外が空いてしまいます。
内側がベースポジションの大津がいないため、扇原の前方がポッカリと空くことになります。
また、イッペイが中央に絞るため、前線の中央部分は人が多く渋滞になってしまいます。

左右共に扇原の周りが薄くなってしまうような状況でしたので、相手に中央を簡単に使われて攻撃されることが多く、それが原因で苦戦したのではないのかと思います。

5.おわりに

途中出場した風希についてですが、インサイドハーフ起用ではなく、フォワードでの起用でした。
0トップ的な役割でしたが、味方の動きに合わせ、誰もいないスペースに自分が移動することにより、円滑にビルドアップできるような状況を作ろうと尽力していたように思います。
裏抜けを図って深さも作っていたため、総じて「スペースを作ったり使ったりすることがうまい選手」という印象を強く持ちました。

ターンする機会が少なく、どこまで振り向く力があるかわかりませんでしたが、スペースを見る目がいいので、インサイドハーフ起用のほうがハマりそうですね。今後どのようになるか、楽しみにしています。

中々うまくいかなかった試合ですが、まだまだ、両サイドバックはマリノスのサイドバックソフトインストール中の段階ですし、相手に合わせてやり方を柔軟に変えるということが誰が変わってもできるようになるのは中々難しいことだと思います。
練習から互いに確認しながら、ある程度時間をかけて習熟度や理解度が増せばいいのかなと、気長に待ちたいと思います。

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