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【2019 J1 第2節】横浜F・マリノスvsベガルタ仙台 きまぐれマッチプレビュー

1.はじめに

きまぐれマッチプレビューということで、不定期かつクオリティ差はバラバラですが、準備できたときはマッチプレビューを書いていこうかと思います。
基本的には事前の試合をいくつかチェックして記載するつもりです。
(今回は仙台vs浦和を見ました。)

見出し画像は「対戦相手を食ってやろう」という気概のもと、対戦相手地域の名物にしています。
(画像とは関係ないけど、ずんだシェイクとっても美味しいですよね!!)

2.予想スタメン

※()内は筆者がこうしたほうがいいのでは?ということだったり、変えてきそうだと思う選手名が記載してあります。

■横浜F・マリノス

・監督はあまり相手に合わせてスタメンを変えてこないイメージが強い
・空中戦に弱いため、左SBを畠中にして、CBをドゥレにして対策を
・中長距離のボール送りが増えそうなので扇原を
・開幕戦時のコンディションはよさそうだった

■ベガルタ仙台

・こちらも開幕戦時のコンディションはよさそうだった
・こちらの弱点より、開幕戦と同様のスタメンを予想
(SB裏活用のため、よりスピードのあるジャーメインが先発かもしれない)
公式より、椎橋の6週間離脱を発表
契約条項より、海夏はこの試合に出れない

■かみ合わせについて

仙台はボールロスト時、3トップ+Wボランチの5枚でフォアチェック。
WBが撤退する時間を稼ぎ、後方は5バックを形成してきます。
相手のボランチがフォアチェック時にどこまで迎撃にくるかがわかりませんが、浦和との対戦を見た限りだとこのかみ合わせになりそうです。

マリノス側の後方は数的有利、前線は数的不利になるものと思われますので、いかに相手の後方のブロックを崩すかが鍵になるでしょう。

3.攻撃時の攻略法

■後方からのビルドアップ時

前述した通り、仙台はボールロスト時に前5枚でフォアチェックにきます。
浦和戦の際は相手からボールが奪えないやすぐに撤退し、深くまでは追ってきませんでしたが、マリノスのCB(特に畠中)からは良質なボールが供給できるため、ある程度までプレッシャーをかけにくると予想されます。

そのため、後方でボールをまわしつつ下げながら相手前線を引き付ける。
この際にIHも下がることによって、相手を前の5枚と後ろの5枚に分断する。
中央のスペースが空くので、そこにエジガルが下りるか、IHが抜け出してボールをおさめることによって、相手の第1ラインの突破を図ります。

このやり方は昨年のJ1第16節アウェイ仙台戦にて行った方法とほとんど同じものです。

■ブロックの崩し方

浦和戦を見た際に、「5バックは横の動きに対してはマークの受け渡しを行うが、縦の動きに関しては食いつきがよく、深くまでマンツーでついてくる」と感じました。
(横方向は大体担当の隣レーンまではついてきますが、それより先は受け渡していたように見受けられました。)

また、「ボランチはIHに対してマンツーで縦横に密着してついてくる」ということが考えられます。

この特徴を利用した崩しの提案が以下の2パターンになります。
これは途中までは同じです。

①IHが外側に開き、相手ボランチを左右に開かせて中央にスペースを作る
②空けたスペースにエジガルが下りてくる
③下りたエジガルに対し、CBがついてくる
④中央のスペースが空くので、WGがそこ目がけて大外からダイゴナルラン
⑤HVは中央のスペースカバーのため、ハーフスペースから中央へスライド
(この際に中央へ来なければそのままWGを使うという二択をHVに迫る)

■パターン1

⑥WBがハーフスペースをカバーせずに大外にいる
⑦ハーフスペース番であるHVを動かしているので、IHがそこへ侵入

ハーフスペースをカバーしない場合は、IHやインナーラップしたSBがそのスペースに侵入して攻撃を図ります。

■パターン2

⑥WBがハーフスペースをケア
⑦大外が空くので、オーバーラップしたSBがそこへ侵入

ハーフスペースをカバーする場合は、大外が空くため、オーバーラップしたSBや、大外に開いたIHがそこのスペースに侵入します。
深い位置までボールを持ち運び、相手ボランチをディフェンスラインに吸収してからのマイナス方向のクロスが効果的かと思います。

4.守備時の注意点と相手の狙い

■後方からのロングボール

ハモン・ロペス、長沢という前線に高さのある選手の加入もあり、浦和戦の際のベガルタの攻撃はCBやGKからのロングボールが主でした。

上記のように、スタッツにもそれが表れています。(左がベガルタ仙台)

このうち、27本がシュミット、10本が平岡、7本が大岩、11本が永戸になります。
永戸は11本中7本成功と高い成功率を出していました。

マリノスはSBが高い位置に繰り出すため、守備時はSBの裏が空くことになります。
ハモン・ロペスはサイドに流れる傾向があり、ベガルタのディフェンスラインはハモンめがけてロングボールを送っていました。

ハモン・ロペスに対応するのは左CBか後退した左SBになります。
しかし、ハモン・ロペスの身長は185cmです。対する左SBの高野は171cmです。
10cm以上の身長差、エアバトルはかなり不利になります。

一昨年の天皇杯準決勝の柏レイソル戦。右SH起用のハモンに対し、ロングボールを入れられ、180cmある松原に悠々と競り勝っていたことが思い出されます…。

SBの後退が遅れる、または間に合わない場合、ハモンに対してはCBが競りにいくことになります。
それによって全体が左側に寄り、自チームの人数が偏ることになります。

ベガルタは逆サイドのWBが孤立し、こちらのWGと1対1の状態になります。
ここはドリブルやクロスが持ち味の関口。中央のFWやボランチを経由して関口にボールを展開されると左右に大きく振られ、守備対応がかなり難しくなります。

恐らく仙台側もこれがわかっており、こちらの空いたSBの裏へ素早くロングボールを展開し、弱点である空中戦を挑む。
こちらがオーバーロードした際は薄い逆サイドへボールを展開して攻撃。
これが狙いの1つになるかと思います。

■左サイドの攻撃活性化

※図は後述するヒグチコータさんのものを参考にさせていただき、ほとんど同じものを作らせていただきました。

仙台はボランチが後方に下りてきて4バック化し、永戸を高い位置に押し出す。それに続いてWBの関口を高い位置に押し出して左サイドに人数をかけて攻撃をしていることがありました。

こうされると、関口に対してこちらの右SBがスライドして対応することになります。
そのため、相手3トップへのマークは残りのディフェンダーになり、一番外のハモンに対して左SBがつくというミスマッチが発生します。

先ほどのロングボール同様、高さが弱点の今のマリノスにとって、この攻撃はかなり脅威になります。

■対策の提案

先ほどのロングボールを含めた対策として、左SBに身長のある畠中を起用することが1つの提案になります。

空いたCBにはドゥレを起用し、長沢と競れ、かつハモンにも競れるような状態を作れると、相手のロングボールやクロスに対して特別弱いということはなくなるかと思います。
(それでも五分五分くらいだと思っています…)

また、オーバーロードからのアイソレーションですが、こちらはロングボールにそもそも競り勝つのはもちろん、そのこぼれ球の回収をこちらが優位に進められると逆サイドへの展開が防げるため、SB、ボランチ、IHのセカンドボール回収のため、各自が適切にエリア分散して待ち構えてる状況を作ることが大事かと考えます。

5.おわりに

ベガルタ仙台は昨季までのパスで繋ぐスタイルから大きく変わったチームになっていました。
「高さを活かしたエアバトルで相手を上から叩くこと」や、「リトリートした5バックによる5レーン全埋め」などは、今のマリノスが攻守に渡って苦手・弱点としているものの典型になります。

個人的には、相性はかなり悪く、とても難しい試合になるかと思います。
この難しい相手をどう攻略していくか、それを週末楽しみにしています!

そしてベガルタ仙台のサポーターさんたちは戦術分析によるアウトプットをしている方が多いことと、どの方も内容が深いことが印象的でした。
これは渡邉晋監督を始めとする”ベガルタ仙台のサッカー”が魅力的ということの裏付けかと思います。
次の試合、互いのサッカーがぶつかるいい試合を一緒に見ましょう!

6.参考サイト



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