人とモノと空間比率

何故、新築する方はモノの収納に大金払うのでしょう。日々の暮らしの中でモノに溢れた生活をしている方に限ってこの傾向があります。

私自身も耳が痛い話しで、生活に必要なモノ以外は何もない、そんな生活をしてみたくなる時があります。

新築・リフォームの坪単価には、モノの収納スペースも入っています。中には生活する居住空間より収納重視のお客様もいます。

モノが多いので収納を多めに計画したいというお客様は、居住スペースが60％、収納スペースが40％。つまり、人とモノのスペース配分が6：4なので、半分近くモノに住んでもらうために大金を支払っているわけです。

理想の家は、人が快適に住める空間であるべきです。新築やリフォームを計画する際、「収納を多くしたいが部屋が狭くなるのは嫌」という相談が多い。実に矛盾しています。

三種の収納

そんな時は、これをお勧めします。「三種の神器」ならぬ「三種の収納」リストづくり。

「使わないけど処分できないモノ」
「滅多に使わないが1年に1回使うモノ」
「使う頻度が高いモノ」

これらの3つを計画の段階で仕分けします。これを整理せずに新居に入っても、今までのようにモノに囲まれた生活に戻るだけです。

お客様が新居に収納するモノは、これまでの暮らしの中で家族がそれぞれの価値観で増やしていった過去の生活習慣の遺産です。

個々で価値基準が違うので、ご主人にとっては大切なモノでも、家族にとっては邪魔で迷惑なモノ。これらをコーチとお客様の家族の生活習慣の棚卸しをします。これが住環境習慣コンディショニングコーチの役割。

家族全員の生活習慣や価値基準のすり合わせをした上で、新居の新たな生活習慣に合わせて、本当に必要なモノと不必要なモノを仕分けして「三種収納リスト」を作るのがベストです。

このリストを作ると、居住空間と収納スペース配分を8：2にすることが可能です。いくら収納を作っても人間の心理として空いているスペースがあると埋めたくなるもの。

収納を作るだけモノは増えていきます。

理想の住まいは、家族全員が笑顔でココロから寛げる空間をつくることであり、モノのためではありません。モノは家族の思考や行動に影響を及ぼします。

すなわち、モノを収納するスペースは、家族の未来思考や行動にまで影響を及ぼすということです。

今回の記事、新築、リフォームをしなくても日常の生活にも応用でます。良かったら参考にして下さい。

【小さな実践】
周りの目に入るモノは何のために必要なモノかなのかを考え、すぐに必要でないものを処分してみる