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ハイブランドを着れば人の格は上がるか?

いよいよ否が応でも年末感を感じる時期になってきましたね。学生の頃はクリスマスには高級ホテルをリザーブして最上階の高級レストランでディナーを食べなきゃいけないのかと思ってましたが、一回もやったことがありません。眺めのいいレストランには行きましたけど。雰囲気作りが足りないと理不尽に怒られたのも今となってはいい思い出です。

 
前回のnoteでスタイリストとして現場で感じるメディアのヒエラルキーや権威性について書いたのですが、

全くファッションの話を絡めてなかったので今回はファッションの権威性について書いてみようと思います。

 
僕は個人の方のスタイリングやブランディングにも携わっていますが、あまり積極的にハイブランドへはお連れしません。セレクトショップで結果、ハイブランドをオススメすることはありますが。あ、一応ハイブランドの定義としてはデパートの特選フロアに入ってるようなショップを指します。

 
何故かと言えば、分かりやすいブランド物を着ると逆に没個性になってしまう場合があるから。

 
どんなに頑張っても、シャネルを着た人、エルメスを持ってる人という印象になってしまうくらい、ハイブランドには歴史と伝統から来る圧倒的な存在感・権威性がある。それを凌駕できるようなオーラがあるか、それくらいの迫力が必要な場面や仕事でなければ気軽にオススメできるようなものではないし、一般の方には特に必要がないわけです。ブランドマニアだったりファッショニスタの方はまた別枠ですが。

 
正直、ハイブランドの価格というのは看板代が大きい。
同じようなクオリティーでも名前が乗っただけで倍以上の値段になったりする。実際どこそこの製作を請け負っている工場のダウンはネームタグがないだけで半額以下なんてことはザラです。だからバイヤーとしての経験も活かしてなるべくコスパの良いブランドをオススメするのですけど。

 
その上でハイブランドを買える財力がある、というアピールのために着ている人も多いですが、これまたツッコミ所が多く。大抵が安っぽく見えます。人数が多いほど安っぽさが倍増。無駄に広いパーティ会場とかで集団で撮ってると最高にダサ…以下略。高級ブランドを着ている=格が高いにはならないんですよ。それで引っかかるのは一部の人。

 
洋服は「着こなす」という言葉がありますが、あくまで人間が主で洋服が従でなければ。それが逆転すると、服に人格を乗っ取られてしまう。金満な感じだけが目立ったり、自己顕示欲の塊に見えてしまったり、良くない部分ばかりが目立ってしまうんですよね。

 
つまり、洋服の格を利用するには「着る人の格」も大事になってくるということです。その服を「着こなせる」だけのオーラや経験があるか?馬と騎手の関係やPCのスペックと使う人の関係に似ているかも知れません。

  
着る人にそれなりのパワーがあれば、ファストファッションのジャケットを着ていてもハイブランドかのように見せてしまうもの。それが正しい「格」という言葉の使い方だと思います。

  
タレントさんの衣装でも、実はZARAだったり誰でも知ってる駅ビルブランドなんてことは結構あるんです。それでもテレビで映えて見えるのは、やっぱりタレント力なんですよね。タレントオーラ・人間力が服を引き上げて衣装に格上げさせている。これは現場でひしひしと感じるところです。

 
権威性という意味では、確かにブランドネームを借りることで身に付く部分はある。ブランド物を着ることで付く自信もある。でも昔のようにブランドに「頼る」のではなく、個性の表現やブランディングのひとつとして自分が選択して「使う」という考え方のほうが今はしっくり来ます。
 
 
例え特別でないブランドを着ていたとしても、井川遥さんや石田ゆり子さんが着ていたらそれなりに見えてしまうはず。そして「この人ならそれなりのブランドを着てるに違いない」と勝手に思い込ませてしまうポジショニング。これが出来れば最強です。

 
よく”格上げファッション”なんて言葉を使ったりしますが、確かに耳触りは良い。でも本当は自分自身で着てるアイテムの格を上げるくらいでなければ。そもそもファストファッションで格上げとかは、ちょっと何言ってるか分からないです。ぜひ生暖かい目で見守ってあげてください。

 
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