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ドルガバ炎上騒動の真相と我々が学ぶべきこと。

先週は久々にファッションの話題が世間を賑わせましたね。超マイナスな話題でしたが。

ニュースでも結構取り上げられていたのでほとんどの方がご存知だと思いますが、ドルガバでの中国でのショーが開催中止となり、同ブランドの製品も市場から一斉に撤去されています。まさに最悪の事態です。

 
自分の分野でもあり多くの局のニュースを見ましたが、どうも表層的な問題を取り上げて終わっているような気がしています。問題の本質がカットされているのです。

 
なぜデザイナー2人が雁首揃えて「ごめんなさい」と完全降伏することになったのか?

 
発端はドルチェ&ガッバーナが投稿した広告動画でした。

”ピザやパスタといったイタリア料理を箸で食べる方法”を中国語で解説する、というもの。これが「文化をバカにしている」と捉えられ、一部で炎上し始めます。

 
TVのニュースなどでは、さもこれが原因!というように報じられていますが、違います。その後にもっと酷い事態が起こっているんです。

 
先の動画について批判的な意見を投稿した一般のユーザーに対し、なんとデザイナーのひとりであるステファノ・ガッバーナが直メッセージで意見をしたのです。そして一歩も引かないユーザーに対してこんな投稿まで、、

「中国のスタッフが勝手に動画を削除しやがったんだ!」

「全てのインタビューで”中国はクソみたいな国”だと言ってやる」

「汚く臭いマフィアめ」

「こんなんでオレがビビると思うのかい?ハハハ!」(以上神崎超意訳)

などなど…いくら元々血の気が多いと噂の人物とはいえ、煽り耐性がなさすぎますよね。5chだったら半年ROMってろと言われるレベル。即刻SNSやめましょう。

 
この先どうなったか分かりますよね?
このやり取りが公に流出したわけです。しかも他のユーザーにも同じような内容を送っていたというおまけ付きで。


しかもガッバーナさん、それを知るやこういう時の常套手段に。

「アカウントをハッキングされたんだ!これはボクじゃない!」

 
はいウソ!こういう時の言い逃れ方は万国共通なのが面白い。

 
ここまで燃料を与えたら炎上しない方がおかしい。という訳で、ショーに参加予定だったモデルやセレブが次々と不参加を表明。ドルガバ本体もショーの開催を断念した、というのが事件の本質です。

 
正直、箸の動画だけでこんな事になるの?と思った方も多いのでは。それは発端に過ぎず、デザイナー自身が中国に差別的な思想を持っていたという事の方が大きな問題になったんです。

 
なぜこの部分が完全にカットされて報じられているのか不思議でなりません。ブランド側から配慮の依頼があった?な訳ないか。
 

最初に触れたように騒動はこれでは収まらず、中国本土ではドルガバの商品が店舗から消えるなど不買運動も起こっています。

もうやめて!ドルガバのHPは0よ!
今回の騒動には中国特有の事情もあり、行動の決済権がタレントやショップ個々人にあること、外国による中国文化の揶揄に対して過剰に反応することなども大きく影響していると言えます。

 
炎上の炎が燃え広がったのは、先の侮蔑的なやり取りが発覚した11月21日。そしてショーの中止から不買運動まで、わずか4時間です。謝罪も遅きに失し、販売再開される日は来ても今と同じ水準の市場には戻らないでしょう。

 
これを対岸の火事として、こちらが燃えないようにするために何を学ぶべきでしょうか。

 
まず自分のSNSスキルを知っておかなければなりません。

 
はっきり言って、個人同士の詰まらないやり取りが原因でブランドが撤退に追い込まれるような事態になったのです。批判に対して上手くかわしたりスルーする技術が絶対的に必要です。それが難しい、怒りが我慢できないという人はSNSを辞める、企業なら担当に任せるというのも立派なリスクヘッジだと思います。日本でも前澤社長が昔やらかしましたけどね。

 
そもそもSNSで立場の違う人たちでも直で繋がれてしまうようになって、距離が縮まりすぎたんです。それを上手く利用する人も居ていいですが、例えば安室奈美恵さんのように極力余計な発信・発言はしないという選択肢も、再評価されていいと思います。

 
ファッション界で言えばマルタンマルジェラ。
ほとんど写真も現存していないほど自身の露出を嫌い、その後はブランドを離れデザインチームが運営していましたがやはりチームも表に出ず、独特の世界観を長年維持することに成功しました。現在はジョンガリアーノになりましたが。

 
そして、リスペクトを忘れてはいけない。

 
特定の国に対してどういう感情を抱くかは自由ですが、そこで商売している以上はリスペクトや理解を深めなければ。これはつい最近日本でも似たようなことありましたけども。お金になるから仕方なく売ってるけどというのでは、どこかで破綻してしまいますよね。

 
今、売上で言えば日本より中国市場の方が大きくなっています。それでもまずは日本に出したい、という海外ブランドも多い。

 
その理由は「世界一品質に厳しい日本で認められたら、どこにでも自信を持って出せるから」というもの。日本をリスペクトして来てくれるからこそ、我々も受け入れて成功するのでしょう。

 
SNSがインフラのようになって、簡単にコミュニケーションを取ったり稼げるようになったりし過ぎたのかも知れない。今回の騒動を見て、原点である相手の顔が見える一対一のコミュニケーションを、足で稼ぐ営業を見直す必要があるのかなと感じました。不便を知っていてこその便利です。

 
そういえば最後中国語で謝罪してましたが、もし日本で騒動が起こって外国人の責任者が「マコト二〜モウシワケ〜アリマセンデシタ〜」って言われたら本気で謝ってます?と思っちゃう気がするけど、その辺どうなんでしょうか。

 
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