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辺野古基地建設の県民投票についてまとめました#9

正式名称は「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票条例」です。

住民の心境、法律、国政側の政策、外交。。。
様々なことが絡んでいるのでとても難しいですが、沖縄県民にすこしでも興味を持って頂いて有益なものとなるよう情報を調べました。

経緯

2018年5月:市民団体「辺野古」県民投票の会(元山仁士郎代表)が県民投票に向けた署名集めを開始。

2018年9月:必要数となる有権者の50分の1(約2万3千筆)の約4倍にあたる92,848筆の署名を集め、県議会への条例案提出を直接請求。

2018年10月:「社民・社大・結連合」と日本共産党らが中心となって沖縄県議会に選択肢を「賛成」「反対」の2択とした条例案を提出。これに対し、沖縄・自民党と公明党は「賛成」「反対」に加えて「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えた4択とする案を提出したが、4択案を賛成少数で否決し、2択案が賛成多数で可決成立。

2018年10月31日:条例公布。

2018年11月~12月:うるま市・沖縄市・宜野湾市・糸満市・宮古島市・本部町・金武町・与那国町・石垣市の9市町で選挙事務執行のための補正予算案を否決。
うるま市・沖縄市・宜野湾市・宮古島市・石垣市の5市は原案執行権(議会で否決された予算案を首長の判断で実行できる権限)も行使せず。

2019年1月29日:県議会にて「賛成」「反対」に「どちらでもない」を追加し3択とする条例改正案が可決成立。これに伴い、反対していた5市を含めた全県実施が決定。

個人的な意見としては「泣く泣く容認」

そもそもこのようなブログで政治に関わる意見を発信したところで何もメリットはないです。(基地に完全反対しない意見は、それだけで非難する人も多い)
しかし、沖縄はしっかりとした地方自治を実現してほしいという想いもあるため、あえて発言したいと思います。

2018年9月の沖縄県知事選では、明らかに普天間基地返還が争点となっており、反対派である玉城知事が大差をつけて当選したことはその民意の表れであるといえます。
しかし、県知事という役職は基地問題以外にも重要な決定事項がたくさんある役職です。
今回の県民投票について、改めて争点を絞って県民投票を行うことは民意を明確にするという意味では大きな一歩だと思います。

では、なぜ県民投票を反対する人たちがいるのでしょうか。大きく以下の2つが考えられます。
1.約5億5千万円もの税金を使ってまで確認する必要があるのか。
2.辺野古基地埋め立てのみが論点となっており、普天間飛行場の危険性除去に関する意見が汲み取れない

世界中で新基地に賛成する地域住民なんて、軍用地収入に頼っている人や軍人相手の商売をしたい人以外はいないと思います。そりゃ無くて済むなら無くしたいです。
しかし、世界情勢を踏まえるとどこかしらに軍事力による牽制が必要なことも事実です。問題はその負担をどこがどうやって担うかです。

個人的には、「辺野古埋め立ては普天間基地移設のためであるなら泣く泣く容認」という考えです。

普天間基地は危険

普天間基地は、素人でも明らかに危険だとわかるぐらい住宅地に隣接しています。(実際に普天間基地での訓練事故は複数回起きています)

直接的な事故がないにしても隣の人と会話できないくらいの騒音が頻繁にあります。(オスプレイなんて近くで飛ぶと地響きがするレベルです)

普天間基地問題は遡れば、1990年代の太田知事と村山首相の時代から始まります。
これまで、鳩山首相の「最低でも県外」発言の撤回があったり、仲井眞知事が安部首相と辺野古移設交渉後の「良い正月が迎えられる」発言があったり。その度に県民は政界に振り回されています。
しかもその間に、米兵による少女暴行事件、沖縄国際大学へのヘリ落下、軍属による強姦殺人、その他飲酒運転事故など全国ニュースではほとんど報道されない事故・事件も複数起きており、県民の怒りのボルテージはどんどん上がっているわけです。(ちなみに日米地位協定により日本の法でさばけないこともある)

戦争で4分の1もの県民が亡くなった上に、戦後70年を過ぎた今でも日本の7割もの米軍基地が集中している。早くどうにかしてくれよ。」という思いが湧き上がるのも当然です。

基地完全反対派の意見は上記を見ても十二分にわかります。
なのですが、なのですが、、、反対ばかりしていても何か合理的な解決策を見つけないと何も前進しないというのも事実です。
絶対に誰もが納得する100%の解決策というのは存在しないでしょう。だれかがどこかで損や得をすることにはなるわけで、それを一方的な感情論でなく建設的に協議すべきです。

私個人の意見としては、辺野古への普天間基地移設により周辺住民の安全性が高まり、国からの振興予算も増やしてもらうことで、県全体のインフラ整備や貧困問題の解決につなげるという手が一番合理的だと思っています。
(これも最適解とはいえませんが・・・)

誰だって自分の住むところに基地なんてない方がいい

もちろん、辺野古埋め立てで豊かな自然は失われるし、外交問題により新たな危険性が膨らむかもしれません。市街地から離れることでより危険性の高い訓練が行われることもあるかもしれません。

しかし、何を取るか自分たちで決め動かないと日本政府に愚痴を言ってるだけでは停滞しているだけです。
もっといえば、政府だけに一任せず、沖縄県民自身が米軍の組織自体をもっと深く知り、世界のどこにどれだけの軍事力を置くべきなのか対等に議論できるような人材を育てることも一つの手かもしれません。

だからこそ今回の県民投票では「普天間基地移設に繋がるなら容認」や「普天間基地がそのままでも反対」や「普天間基地返還の上、辺野古も反対」など、より次の議論につながるような選択肢があっても良かったのではないかと思います。

いづれにしても沖縄の将来を決めるのは沖縄の人です。
是非20代30代の方にももっと県民投票に興味を持って頂き、近くの人と基地問題だけでなく政治や経済問題についてもオープンに議論できる雰囲気になってほしいなと強く思います。

県民投票を通して、正直な気持ちをぶつけ合うことが、沖縄県や日本の将来を変える一歩になるかもしれません。

#県民投票 #沖縄基地問題

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