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どこへでも行ける

「豪華客船に乗ってる気分だったわ」


先日、母と4歳の娘と私で、マジックショーを見に行った。


母の習い事の先生がご案内してくれた近くの文化センターで行われたマジックショー。席も前から5列目でよく見えた。


昔からある、お札を使ったマジック。観客席から舞台にあげてみんなで参加型のマジック。観客者のお金を預かって破ったと思ったら、1枚になって戻ってきたり、テーブルの上のお花が突然消えたり。


ちょっと、眠そうで、ぐずっていた娘も、途中からゲラゲラ大笑いしていた。


そのマジックショーの方は、普段は、豪華客船に乗ってアジアを中心に活動されているそう。長旅で、少しでもみんなを楽しませようと マジックを見せてくれるだけでなく、みんなで楽しむそんなマジックなように思えた。


私の母は、昔から苦労があってか、旅行へ行くことがほとんどなかった。時々、実家の九州へ戻るくらい。今はもう戻ることはほとんどない。


高齢になって、時間とお金ができても、腰が曲がってしまって、近くの旅行に行くこともなくなってしまった。テレビを見るたびに、綺麗だね。見てみたいわーって言葉にするので、誘うことがあるが。「いいわ。行けないわ。」と旅行へ行くことも拒む。娘として連れて行きたい。美しい世界を自分の目で見せてあげたいのに、それを見せてあげられないのは残念。寂しい。そう思っていた。


マジックショーの帰り、母が「豪華客船に乗ってる気分だったわ」


この言葉にほっとした。


母は孫と娘と豪華客船に乗って、旅してる気分を味わってた。すごく楽しそうだった。


私はもう一緒に旅行に行けない。残念だ。そう思ってたけど、近くで楽しめることはいっぱいあるな。


近くに立派な芸術施設がある。また母と一緒にお出かけしよう。

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