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2泊3日タイ・バンコク旅行記 2日目前編

1日目はこちら

バンコク旅行、2日目の朝を迎えた。
実のところ1日目は途中から睡魔との闘いであったので、しっかりと睡眠時間を取ってから活動を開始した。

今日は妻が仕事のため、一人での観光になる。
スタート地点とゴール地点は決めていたが、途中の経路は朝の時点ではノープランだった。
とにかく飛び出してみて、あとは好奇心にまかせて体力が続く限り楽しむことにした。
結果的にオリジナリティ溢れる良い旅路となったと思う。


ワット・ポーと対岸のワット・アルン

今日の観光は、ワット・ポーというお寺からスタートする。
こちらはバンコク観光の定番であり、多くの人が訪れる場所と聞いていた。
朝なのでまだ人は少なかったが、流石にツアー客が多い。中国、韓国からの方々が主で、日本からは個人旅行客ばかり出会った。
海外旅行好きとしては、旅先でもっと同志を見かけたいと思ってしまう。

ワット・ポーの中で一番の訪れるべきスポット、涅槃仏へと境内を進んでいく。
団体ツアーの波が去ったところを見計らいながら礼拝堂へと入った。

迫力ある黄金の涅槃仏

流石の大迫力である。
涅槃仏の頭側が入口で、足を中間地点として折り返し、裏側を回って出口へと通じている。
左手に横たわる仏様を眺めながら、静々と堂内を進んでいく。
何ヶ所か写真撮影のための場所が設けられているのだが、角度によって表情が変わって面白い。足の裏の螺鈿細工も見事だった。

背中側に回ると、壁沿いに鉢がずらりと並んでいた。
お金を払うと小さな硬貨がたくさん入った小皿がもらえ、その硬貨を少しずつ鉢へと捨てていく。鉢は108あり、硬貨が煩悩の象徴である。

並ぶ鉢へと小さな硬貨を捨てていく

事前情報によると、最初のほうにたくさん捨てすぎると、最後の鉢まで行く前に手元の硬貨がなくなってしまうとのことだった。
人の波が落ち着いていたので、枚数を着実に制御しながら手元の硬貨を捨てていく。
しかし、半分を過ぎた頃だろうか。後ろから硬貨を鉢へと捨てる音が迫ってきた。

シャリン、シャリン、シャリン。

すごいスピードだ。明らかに差を詰められている。
こちらの心は乱れ、硬貨の枚数もばらついてくる。
そして、ついに背後につけられた。
焦りながら鉢へと硬貨を放り込む。始めたときの穏やかな心地はすっかり失われた。
結果、108の鉢に入れ切れず、90を過ぎたあたりで手元の硬貨はなくなったのであった。心を穏やかに保つにはまだ程遠い。

気を取り直して、ワット・ポー内を見て回る。
歩いていると仏像の前に座る猫を発見した。きっと徳の高い猫だろう。
その後も、お寺の中で何回か猫に出会う。
スタッフのかたにお水をもらっていたりして、しばし周りの観光客で囲んで愛らしく眺める。猫の癒し効果は世界共通であると実感する。

猫と仏像

そろそろ次の目的地に向かおうと思っていた矢先、欧米の男女2人組に声をかけられた。
記念写真を撮ってほしいとのことだったので、スマホを受け取って対応した。
去り際に、Have a nice day! と言われて、慌ててこちらも同じく返した。
誰しもが英会話で習うフレーズだ。日本ではこのシチュエーションに適当な言葉はなんだろう、とふと思った。
偶然出会い、今後関わることはないだろう人へと、今日1日が良い日であるよう伝える。
そこまで深い意識はないのかもしれない。だけども去り際の言葉として、改めていい言葉だな、と思った。

大満足の見応えだったワット・ポーを後にし、少し歩いて川沿いへ向かう。
想定以上に時間が経っていたので、三代寺院として有名なワット・アルンは対岸から眺めるだけと決めた。
Googleマップが指し示すフォトスポットに従い、写真を撮る。人はちらほらやってくる程度で穴場であった。

行き来する船も趣がある


Farm to table

朝から炎天下のバンコクを歩き続けていたので、水分補給のためカフェに入る。
こちらはワット・ポーから10分ほど歩いたところにある。タイティーと自家製アイスクリームが美味しいとのことだ。
ここは全く訪れる予定がなかったのだけれど、Googleマップで近くのカフェ情報を調べ、良さそうだったので伺ってみた。e-SIMでどこでも電波が通じるのは強い。

「こんにちは、何になさいますか」
「タイティーと、…あとアイスクリームありますか?」
「はい、そちらに貼っているのがフレーバーです」
カウンターの手前には、おおよそ10種類ほどが並んでいたと思う。ざっと見て、タイならではかつ珍しいものを選ぶ。
「じゃあ、Jasmine rice leafをお願いします」
「OK、タイティーの甘さはどうしますか? そのままですか、甘さ控えめ(less sweet)ですか、砂糖なし(No sugar)ですか」
「甘さ控えめ(less sweet)でお願いします」
タイ旅行のtipsとして、ドリンクはless sweetにすると、ほどよい甘さになって良いと聞いていたからだ。

タイティーとアイスで回復

タイティーは茶葉の香り、味ともに深みがあって絶品だった。
アイスはjasmineの部分からジャスミンティーの香りを勝手に思い描いていたのだけれど、食べてみてもそのような感じはしない。
考えてみると、ジャスミン米の葉っぱなので全くの別物であった。ほんのり甘い香りのする優しい味でよかったが、尖ってはいなかったので少し悔しい。
お店の雰囲気もとてもよかったので、ワット・ポーの観光ついでにおすすめしたい。

店内はこじんまりとした隠れ家雰囲気


バンコク カフェ巡り

そうこうしている間にランチタイムが近いてきた。
とはいえ先立つものがなく、近場の両替所を探してバーツを手に入れる。
すでに昨日の両替で細かい札を出し切ったので、一万円札を替えることになった。明日の昼には帰国するのに、財布は一気に分厚くなった。
せっかくなので、事前に調べていたランチ候補の中から、少し良い店に行ってみることにした。

目指す店はバンコクのチャイナタウン、ヤワラー地区にある。徒歩20分くらいだっただろうか。
経路上にサンペーン市場というスポットがあったので、抜けて行ってみることにした。

ここがこの旅で一番ローカルな雰囲気を味わえた場所だろう。
狭い道が長々と続き、左右には店が立ち並ぶ。そんな中を人が入り乱れ、バイクが抜けていったり、台車を引く人がいたりする。
所狭しと品物が置かれていて、探せば掘り出し物もありそうではあった。ただ、あまりに混沌とした環境に、市場の途中で脇道に逸れて離脱した。
熱気でほてった身体を休ませるべく、たまたま見つけた近場のカフェへ滑り込む。

狭い道に店が長々と続く

SCR - Song Wat Coffee Roasters

先ほどまでの市場の喧騒から歩いて数分、そこには洗練された空気が漂っていた。
こだわりのコーヒーをバリスタが提供するカフェとして有名だという。
道中で調べたところ、濃いコーヒーとミルクを混ぜ合わせ、半ば凍った状態で提供するDirtyというメニューが人気とのことだった。(フラペチーノのようなものと思われる)
前情報通り、Dirtyをひとつ、とカウンターの店員さんに告げた。

呼び出しの電子ベルを受け取り、混み合う店内で席を確保する。席はほぼ埋まり、テイクアウトの客も来る盛況ぶりだった。
漸く鳴った電子ベルを手に再びカウンターに戻る。
「どうぞ、ラテです」
手渡されたドリンクは、もちろん凍っていない。店員さんの言葉通り、まごうことなくアイスラテである。
どうやらDirtyと言ったのが、Latteと誤解されてしまったようだ。
海外でのオーダーの基本である指差し確認を怠っていた。昨日からの旅路で英語が通じることに浮かれてしまっていた自身を恥じる。

席に戻ると、ちょうど隣のグループが、この店ではこいつが有名なんだよ、と盛り上がりながらDirtyを飲んでいた。思わず横目で見てしまう。
もちろんアイスラテには非は全くない。ミルクと混ざり合っているのに、飲んだ瞬間にコーヒーの香りが鼻に抜ける、とても美味しいラテだった。
ただ、ここでのDirtyの失敗が、数時間後に思わぬ展開を見せるのだった。

ロースター有するシンプルな内装の店内
ほろ苦い思い出となったアイスラテ


NAAM 1608

寄り道を繰り返していたが、ようやく昼食をとる。
こちらは川沿いに建つ小洒落たカフェレストランで評価も高い。
予約がないと入れないかな、とやや躊躇しつつ入ってみる。
「すみません、一人なんですが」
「一人ね。ちょっと待ってください。…大きいテーブルで、これから人が増えたら相席になるけれども、いいですか?」
「大丈夫です。それでお願いします」

中華風のインテリアが効いている

ここでは一通りのタイ料理だけでなくイタリアンも提供しており、メニューがかなり充実していた。もちろん今回はタイ料理からチョイスする。
メニューを隅まで見渡して、マッサマンカレーとレモングラスロンガンティーにした。
先にドリンクを持ってきてくれた店員さんが、よければカウンター席が空いているからそちらの席でもいいですよ、と言ってくれる。
お礼を言って移動し、ドリンクを飲みながらマッサマンカレーを待つ。
すると今度は、予約の入っている13時までですが、空いた川沿いの席へと移動しますかと、気を遣っていただいた。
あれよあれよと、特等席であるチャオプラヤ川を眺められる席を手に入れた。

それからすぐにマッサマンカレーがやってきた。
骨付きの鶏肉やじゃがいも、さつまいもがゴロゴロ入っていてボリュームたっぷりだった。辛めだったけれども、そのぶん旨みも強くてバランスが取れている。
爽やかな香りと甘みのレモングラスロンガンティーを途中に挟んで喉を潤す。
優雅なランチを楽しんだ、バンコクの昼下がりだった。

カウンター席からの景色 川に面した席が人気
チャオプラヤ川を眺めながらのランチとなった


お腹が満たされたので、近辺をぶらぶらすることにした。
このあたりはタラートノイというカフェがたくさんあるうエリアである。
時代を感じさせる小さな町工場のような建物の合間に、唐突に洒落たカフェやフォトスポットが現れる光景の独特さに心惹かれる。
細い折れ曲がった路地が続く中を、欧米系のツアー客が自転車で駆け抜けていった。海外旅行先でのサイクリングは憧れがありながらも、未だやったことがない。いつかは挑戦してみたい。


TIMO & TINTIN

街並みの写真を撮りながら、散歩を続けていると、目の前を歩いていたカップルがとある店へ吸い込まれていった。
店の窓にはコミカルなキャラクターが描かれている。一眼見て、とても気に入ってしまう。Bankokと書かれていることからお土産にも良さそうだ。

雑貨屋かおしゃれな服屋のような店がまえ

入ってみると香ばしいコーヒーの香りが鼻をくすぐった。後ほど調べたところ、ここはアートカフェらしい。
店内ではオリジナルグッズも売っていた。窓の外のキャラクターに心惹かれていたのでお土産に買うことにする。せっかくなのでコーヒーもいただくことにした。
メニューを確認し、そこにあるDirty dirtyという文字に目が止まった。先ほど飲みそこねたDirtyの系統だろう。しかもLimitedと書かれている。
「えー、Dirty dirtyを一つ」
失敗を反省し、今回はメニューの指差しを怠らない。しっかりと意思を伝える。
「あと、あの布の小さい手提げ袋をください」
「あれですね。手提げ袋を買った人には、ステッカーを5枚おまけしているので、お好きなものを選んでください」
「5枚も!? ありがとうございます!」
数十種類はあったステッカーをじっくりと吟味する。こちらのステッカーも買おうか迷っていたので、おまけでもらえることにホクホクしながら選び抜いた。

店内は垂直方向に広く、5階まであり、各階層にそれぞれ趣の異なる椅子やソファが置かれていた。
あちこちにメインキャラクターであるTIMOとTINTIN(どちらがどちらかはわからない)のイラストや、各種アートポスターなどが飾られている。各空間に1グループほどの距離間なので、店内はとても落ち着けた。
手持ちの電子ベルがなって、1階へと注文の品を取りに向かう。

Dirty dirtyとオリジナルキャラクターたち

こちらがDirty dirtyだ。期待に胸を高鳴らせ、カップを手に取る。
一口飲んで、驚いた。
エスプレッソだろうか。コーヒーの苦味、酸味がギュッと凝縮されている。そして相方のミルクもおそらく濃い。濃厚×濃厚の組み合わせだ。
水を一緒に渡してくれたのにも納得した。これはちびちびやりながら、ゆったり過ごすための一品だ。
先述のカフェでの経験がなければ、そもそもDirtyというコーヒーの種類も知らず、この味わいに出会うこともなかっただろう。
どれもが計画外だったが、寄り道を重ねることでよい体験が得られた。

屋上のカフェスペースでのんびりするのも楽しそう


Mother Roaster

あちらこちらと巡った記録を綴ってきたが、実は当初から目当てにしていたカフェがあった。
やっと訪れたるが、こちらのお店である。
これまでのカフェよりも間違いなく知名度は高い。日本人も複数グループいて少し安心する。
ここではオリジナリティあふれるコーヒードリンクを注文することにした。
選んだのはDeep Passionというものだ。なぜなら昨日のビールしかり、パッションフルーツが大好きだからだ。自然の産物なのに種まで美味しいからすごい。

ウッディで味わいのある店内
味わいさっぱり グラデーションが美しい

ここまでで既に多くのコーヒーを試してきたが、合わせるものによってまた違う表情を見せる。
色合いからもわかるように、コーヒーの配分はそこまで多くない。酸味のあるパッションフルーツに合わせるため、コーヒーも浅煎りだったかもしれない。
暑いバンコクでも、あとに残らずすっきりと飲める一杯である。
この辺りで、寄り道していたぶんのツケが回ってくる。予定を消化するための時間が少なくなってきていることに焦りはじめていた。
さらりと飲み干して、次の目的地へと向かうのだった。

店の一角で寝る猫と置物


2日目後半へ続く

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