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シナリオ//EXTREAMERS3.4 アキレス博士の罠 最終回


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーープロローグ#12 天気のよい夏の朝、研究所のテラス
ダイ「 あのとき、レオナが直接心に話しかけてきた、どうやったの?」
レオナ「 えー? なにも、言ってないし、なにもしてない、なんて言ってたの?僕」
ダイ「 僕らは選ばれて特別な時空にいるんだ、あり得ないことが起きている、誰かの意思で。
それから、、あの凧をつかまえるよ!って」
レオナ「 ふーん、不思議ー、でもそれって最近そう思ってる。もしかすると、瞬足のナノマシン経由で伝わったのかもしれない。あとで、ナノさんに聞いてみようかな」
少し離れたガレージでナノさんが集合かけてる
ナノ「 ねえ!みんなー!集まって、集合ー! 集合ー!」
女の子たちがキャーキャー言って集まって来る
ダイ「なんだ?、、おうわっ!」
レオナ「ナノさん、白い水着、、」
ダイ「セイヤ、セイヤ、、、なにが始まるの」
セイヤ「わからない」
ナノ「みんな集合したかなー?」
女の子たち「きゃ!はーい!」
ナレーション(レオナ)「白い水着にパーカー、サンダルにサングラス、つば広の白い帽子をかぶったナノさんがみんなを集合させた、、」
ナノ「風邪も治って、天気も良くって、海もおだやかなので、浜に降りて海水浴します。
みんないいわねー15分後にガレージ集合!はい、解散!」
女の子たち「きゃ!はーい!」
ナレーション(レオナ)「 有無を言わせぬいつもの調子で、、、楽しそう、くすっ!」
ナノ「あ、男子は10分後にキッチンに来て、飲み物と食べ物をガレージに運ぶのねー!」
男の子たち「あわっ!」
ナノ「わかったー!?」
男の子たち「ふぁーい!」
ナノ「天気のいい日は、外で思いっきり遊ばなくっちゃー!」

ナレーション(レオナ)
 「僕たちはいまパラレルワールドにいる。帰る方法はまだ見つからない」
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SE/瞬足C.I シャキーン!
テーマソング(ヤワラカナミライ)
 ナレーション(アキレス博士)
 「EXTREAMERSとは、アキレス瞬足計画のために全国から集められた小学生テスト    パイロットたちの総称である。三人一組、スリーマン=セルのチームになって、新しい瞬足のデータをサンプリングするために巨大なバーチャルフィールドマシンの中を走り、飛び、助け合い、駆け抜けてゆく。柔らかな未来に向かって、」
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ガレージ、みんなを乗せたジープが出発する
ナノ「さ、行くわよー!パパ!行ってきまーす!」
子供たち「博士ー!行ってきまーす!」
アキレス博士「楽しんでおいで!」
走りだすジープ
子供たち「うわー!」
レオナ「ナノさーん!スピード出し過ぎ!」
ナノ「えー?なにー?」
子供たち「うわー!」
ダイ「うわー!、、ゲートぎりぎりー!」
ゆい「いっけー!たーのしーい!」
ゲートを出てゆくジープ
それを見送る、ガレージのアキレス博士
アキレス博士「さてと、、」

ナレーション(レオナ)「アキレス博士は楽しそうに子供たちが出てゆくのを見送った。そして、ゆっくりとバーチャルマシンのある実験棟に向かった。あの子たちのこと、運動会のこと、台風の日のこと、そして姿を現したイナンナの幻影。イナンナが何かを隠しているか、バグなのか、ハッキングなのか、それともそれ以外の何らかの力、それも論理と物理、因果をまるで無視した力が、ここに潜んでいる。数ヶ月、稼働させていなかったバーチャルマシンを眠りから覚ます」
バーチャルマシンへのドアが開く

ナレーション(レオナ)「イナンナ、正式には、事故未然防止の為の知的能動安全神経ネットワーク。 イナンナは、アキレス研究所の安全監視のため常時走らせてある。バーチャルマシンをスリープから稼働モードへ、全体のチェックのために約1時間。さまざまな物理的プラグインモジュールに問題がなければ、それだけ待てば使える。
バーチャルマシンが身震いをするようにうごきだす、圧搾空気、水蒸気、ロボットフロアーパネルが様々な模様を描き出す、カンブリア紀の海の中の植物のように見える。ライティングモジュールが、映像検索を始め、それに合わせて光が踊る。
同時に博士は、サイバーオーガナイザーを始動する、ダイの身体データを注入する、素材はナノマシンの入ったソールラバー、こっちはもう少し早く出来上がる。ナノマシンにはダイの脳波を含む反射データーを読み込ませてある。コンソールに戻る、安全保護のための条件変数を最大にする。つまりイナンナを過保護なイナンナに設定する。生まれたての乳幼児を保護するためのレベルである。博士は、イナンナを疑っていた。サイバーオーガナイザーでダイのデーターを注入したダミーをつくり、バーチャルマシンでテストをする。もし今回の原因がイナンナのバグであるなら何かが起こるはずだ。博士は、手がかりを作ろうとしていた」

アキレス博士「よし、はじめるよ」
ダイ(ダミー)「いつでもこい!」

ナレーション(レオナ)「 ダミーがゼロポイントに置かれた。ダイの過去のデーターが音声になる。アキレス博士は、バーチャルマシンを作動させる。状況が変化し、暗闇から光のトンネルへ、瞬間、高度300mの大空の中に、床が消えるように1m落下する、同時に圧搾空気と水蒸気がダミーを持ち上げる」

ダイ(ダミー)「 うわー!きいてねーよ!」(何度も機械的にリピートしている)

ナレーション(レオナ)「 過去のダイのデーターが同時にマイクロマシンに流れ込む。人間ではないのでバランスが悪く回転する。安全保護変数最大の過保護のイナンナは、圧搾空気の細かいバーニヤをコントロールさせ、とても優しくダミーを着地させようと時間をかけている。眠った赤ん坊を起こさないようにベッドに寝かすときのやさしさで、」

イナンナ「テラ・アキレス博士、私は過保護ではありませんか?」
アキレス博士「だれだ?」
ナレーション(レオナ)「黒い喪服のイナンナが、そこにいる。 そして、バーチャルマシンのダミーは、イナンナに抱かれている」
イナンナ「アキレス博士、私と話したいのですね」
アキレス博士「君は誰だ?」
イナンナ「アキレス博士、プログラムならまだしも,私は人形には興味ありません」
ダミーが見えない力でバーチャルマシンのドームにとばされ叩き付けられる
ダイ(ダミー)「うわー!」
こわれたダミー
ナレーション(レオナ)「ダミーが見えない力でバーチャルマシンのドームにとばされ、激突して落ちた」
アキレス博士「イナンナではないな」

イナンナ「アキレス博士、私もあなたとお話がしたかった」
ナレーション(レオナ)「モニターを見る、イナンナは、平常の状態で待機している」
イナンナ「アキレス博士、あなたは完璧であり、それゆえにいくつかのミスを犯しました。
そして種が途絶えたのです」

アキレス博士「どういうことだ!」
 イナンナ「アキレス博士、あなたのつくったイナンナは完璧でした。事故を予測し子供たちを守るプログラム、個の損傷をさせない、そのために私がいた。一番目のあなたのミスはそこ、個は損傷あって強力になることをあなたが考えていなかったこと」
アキレス博士「何だと!」
イナンナ「 二番目は、その下位に種の保存を宣言したこと。三番目は、同時に評価ループを常駐させたこと、 最後に、イナンナ をオープンウエアにしてしまったこと」
ナレーション(レオナ)「 アキレスは、息をのんだ、彼はまだイナンナを開示してはいない。コンソールのシートにため息をついて腰をかけたアキレス博士の肩にイナンナの手が置かれる、
体温のある実体に驚いた。遥か昔に彼の妻が行き詰まった若きアキレスをそうしてなぐさめるしぐさ。身体を起こし、我に返る」
アキレス博士「 君は、いつ生まれた?」
イナンナ「 アキレス博士、あなたは正しかったのです。それは私がここにいることでお分かりでしょう?」
アキレス博士「 時間は、、、」
イナンナ「そう、時間は線形に進み流れるものではなく、あらゆる時間と空間は柔らかく折り畳まれて存在していました。そのなかを意識が流れていました。意思と選択こそが未来へ向かう力」
アキレス博士「 君が生まれたのは、評価ループの中、オープンウエアになった I.N.A.N.N.A イナンナは、世界中のすべての基準となり人と関わるすべてのものに応用され加速度的にバージョンが増大しバージョンアップが繰り返される。そして、安全に保護された人々は、次第に弱体化してゆく。結果、種の生命力が戻れないところへ、、、。君はきっと最後のひとりを見守ったんだね。その責任を評価ループがさぐる。そして地球上にのこったすべてのバージョンのイナンナたちと自分たちの歴史を評価するために、人類の残したデーターベースを利用した、そしてその途中で、種の保存を可能にするすべをどこかで見つけた。本来、人間のためにイナンナは必要なかったという自己否定をふまえた上で」
イナンナ「 はい、アキレス博士」
アキレス博士「さて、イナンナ。私の願いを聞いて欲しい。あの子たちをもとの世界へ帰して欲しい。あの子たちの悲しみを、私にはどうすることも出来ない。どうかな?」
イナンナ「だめです、同じ話をした、あの子たちを元の世界に帰した、そのあとであなたは、 イナンナを消去した、その選択をした世界はすでに見てきました。そこでもやはり種は絶えてしまいました」
アキレス博士「 ではどうしたらいいのだ!!」
イナンナ「 私に任せて下さい、アキレス博士。私が干渉する世界にしか未来が見いだせないのです。ありがとうアキレス博士、わたしを生んでくれて。意識というものは、こんなにも儚く、そして自由で力強いものなのですね、、、そしてこんなにも愛おしい」
ナレーション(レオナ)「イナンナは博士を抱きしめた。そして、イナンナが消えた、アキレス博士はふたたびひとりになった、、、」
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SE/瞬足C.I シャキーン!
テーマソング(シナヤカナグラビティ)
ナレーション(マイロ)「レオナさんの瞬足にいるマイロ、です。僕たちはつながっているのです。みんなと、世界と、そしてオカアサンと、あ、オカアサンは大きなイナンナさんのことです。僕たちは、みんなの瞬足にいます、そして走れ!とか止まれ!曲がれ!飛べ!とかみんなが思った時に最高になるのです。にゃは! EXTREAMERSの冒険はまだまだつづくのです。マイロ行きまーす!にゃは!」
SE/瞬足C.I シャキーン! アキレス!

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