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「企画書に感動!?」[指定企画]地方観光DX!フリーランスチームで、全国の困っている地域の活性化をいくつ手がけられるか(2)

こちらは私が参加しているランサーズ株式会社主催の「新しい働き方LAB」の「研究員制度」指定企画「地方観光DX」の研究計画書noteの「報告書」です。
※一般的なブログではないのでちょっとわかりにくいと思います。



晩秋の杵築市で

秋はすぐ前、と書いたのはつい最近かと思いきや、すでに冬入り。
気づけば冬景を撮影する日々。
写真は大分県杵築の城下町で。

おかげさまで「新しい働き方LAB」での研究員期間は終了し、ここに報告書を提出する日となりました。

総括の前に 〜データ〜

さて、この期間中に僕が携わった企画は次のとおり
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自分の会社を代表社として企画書を提出(主体的に参加)・・・3件
ほかのメンバーさんの会社で提出(チームメンバーとして参加)・・・3件
プロジェクトマネージャーとして参加・・・うち1件
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プロポーザル通過・・・1件

なんとか1件契約をいただくことができ、非常にありがたい機会でした。
ここで今回の参加実験のタイトルを振り返りましょう。
それは次のお題でした。

地方観光DX!フリーランスチームで、全国各地の活性化プロジェクトをいくつ手がけられるか?

それではこの「課題」を自分自身は全うできたたのか、(ちょい辛めに)総括してみます。

◎「フリーランスチームが結集」したら、めっちゃすごい情報を見た

まずはLABすごいぞ!と思ったことから。
なにがすごいかというと、1年で四百本以上の「仕事の種」があるんだという事実を目の当たりにしたことです。

どういうことなんでしょう?
それは・・・400件以上のプロポーザル情報をメンバーのまくさんはじめ、スタッフが探し当てたのです。
これ、実はとても大変なことなんです。

どうやって探すかというと・・・非常にアナログ。
各行政機関の入札情報のページをひたすらチェックするのです!
しかも日々。

ちなみに弊社では年間20本見つけられれば多い方なのでいかにこの数字が突出しているかがわかります。

さらに数だけではなく、これまで「うちの会社では参加できないだろう」と勝手に思っていた基準が、実は全く違っていて「参加できた」と言う事実を知ったことも驚きでした。

プロポーザル参加には通常、その自治体なり政府の入札資格が必要。僕の会社もいくつか持っているのだが、その資格がないと参加できないと思い込んでいた。

これ、実は間違いでないのだが最近では入札資格がなくても「入札資格を取るための基準を満たしていれば」参加が可能と言う案件が非常に大いことが大発見だった。

※資格を取るには通常、年に1回程度の募集期間に、複数の(ちょい面倒な)書類を書いて提出する必要があった。

400件以上の生データを、マネージャーさんたちが精査し、さらに絞り込みます。
そこからチームを編成して参加できるプロジェクトに加わるという仕組みで、冒頭のデータはその中で僕が参加できたもの。

プロジェクトメンバーにはすごい人がいた!


専門家集団が集まるだけあり、自分の目線では生まれなかった「企画の切り口」がゾクゾク出てきたのはとても強みです。

例えば、データサイエンスの専門家。
エビデンスがあるデータを客観的に示し、なおかつ的確な企画テーマへ導くプロセスは、魔法を見ているようでした。

そしてコーポレートワークのスペシャリスト。
例えばアポイントメントや、取材交渉の処理能力の秀逸さ。
彼女のようなデスクが車内にいると、全てうまく進むんだろうなと思わせます。

こうした出会いは今回のLAB最大の喜びです。予想外の才能を持った方に出会え、その手法を(無料で!笑)目の前で見られるという、なんと贅沢なプロジェクトでしょう。


異ジャンルのPM(プロジェクトマネージャー)をやってみたらすごい人にあった

写真や映像のプロジェクトマネージャー業務は僕の日常です。
それで食べているようなものなのですが、コンテンツ制作の専門家であるがゆえに、それ以外のプロジェクトに主体的に携わる機会は多くはありません。

そこで今回挑戦したのは熊本県でのPR業務のプロポーザルです。写真と映像もPRのうちに入るのですが、あくまでもツールの一つ。
このプロポーザルは宣伝が着地点であり、従って媒体の買い付けや展開も業務に含まれていた、普段であれば絶対に手を出さない領域でした。
その分野は弊社で言えば事業パートナーさんである、広告会社などエージェントさんの領域でもあるからです。

しかし今回は僕の事業とも、パートナーさんやクライアントさんとも全くしがらみのない熊本県。堂々と参加できました。

ここで僕にとって大きな出会いがありました。
企画の目玉がイマイチパンチが弱く、そこで相談したのがブランディングマネージャーとして活躍しているあるディレクターさん。

彼とのミーティングは新しい知見や、発想が出る出る。すいません同じ言語じゃないですよね、この会話。というくらいとても素晴らしい時間だったのです。

結局クリエイティブの中で働いているならば、ネットワークを広げ視界を広く持たなければいけない、という極めて基本的なことをリマインドできる機会となったのです。
ちなみにこのコンペは落ちましたが、諸般の事情で、ある程度予想済みだったので後悔してません 笑

「ひとりじゃないよ」
大分県日田市の町中で

しかし冷静に振り返りたいこともあります。



▲課題1 「全国各地の活性化プロジェクト」と言い切れるのか?

ここからは反省点や課題を挙げてみたいと思います。
まず実験当初のテーマだった「地方観光DX 全国各地の活性化プロジェクトにどれだけ」関わることができたのでしょうか?

今回契約できた案件は「写真撮影業務」です。
これは今回の実験で関わるべき「地方観光DX」と言い切れるかと言うと、どうなんだろう?

強引に結びつけるとするのならば、メンバーが撮ったさまざまな写真が、クライアント様のWEBを通じて集客に結びつけば、DXと言えなくはないでしょう。だけどやはり厳しい 笑

分野としてはうちの会社がこれまでも事業としている業務で、そういう面では目新しさはありません。

そして地域活性化に資するか?これも残念ながら否です。
そういう面では契約は取れてはいるものの、案件そのものは狙いとは外れていますね。参加したメンバーとの出会いや、仕事のプロセスは極めて実験的で有益なので、こちらをフォーカスしておくべきなのかもしれません。

では地方活性化に資するプロジェクトはあったのでしょうか?
実は明確にあったのです。しかも案件が取れています。
残念ながら僕はこのプロジェクトには加わっていません。
色々な理由はあるのですが、直接的にはタイミング的に参加できないものが多かったのです。

これまでの日常業務をこなしながら、新しい案件に主体的に関わっていくのはかなりの時間と労力を必要とします。

「地方活性化」に関われるプロジェクトは複数あったのですが、時間と労力が原因で参加できなかったのでした。


▲課題2 企画の「総合」クオリティは決して高くなかった」

ドキりとする言葉かもしれませんが、あえて。
一つのプロポーザルに参加することを決め、メンバーで色々な企画を出し合う。ここまではとてもクオリティが高かったのはとても大きな収穫でした。

しかしそれを企画書に落とし込む段階で「まとめきれていない企画書」「隙だらけの企画書」が自身の案件だけではなく、いくつかみられたのもまた事実でした。

どうしてそうなるのか?
ひとえに自身も含めたプロジェクトマネージャーのリソース不足と、コミュニケーションの時間切れに他ならないかと思います。

いい企画は、カタチにしてこそいい企画書となります。
実現するには、メンバーみんなが集まって客観的に贅肉を削ぎ落とし、洗練されたテキストに起こす必要があります。
そのための時間があまりにも限られていました。

ある方はミーティングを決める際の「その日のその時間はダメ」があまりにも多かった、どこまで本気で参加しているんだろう、という本音を語ってくれました。

実験ではありますが、事業として実験でもなんでもなく、「仕事」です。
そのマインドを、みんなで保つことが結構難しいものだなと思っています。
実験、というワードは変えた方がいいのかもしれません。

また実験であるにもかかわらず、
・自分のスキル以外のことに挑戦する姿勢が見えない人
・もしかして「仕事だけ探しにきていますか」的な方
・受け身なメンバーも意外に多かった
ことも、参加してみて感じたことでもあります。

結局他人がどうこうではなく、こうした実験ではいかに自分が挑戦し続けるか、が重要なのだというのも得られた知見の一つです。



なぜ企画書のクオリティが落ちたのか

前項に少し話を戻します。
すごいメンバーがたくさんいるのに、企画書自体のクオリティは決して高くなかった理由の一つが時間とコミュニケーションの不足でした。

これはフリーランス独自の課題でもあると感じます。
幅広いメンバーが集まると言うことは、経験値もかなり異なると言うことを意味します。

1期から連続参加している方は別として、初対面的な方が多く、メンバーのスキルを完全に掴みきれていないままプロジェクトがスタートしています。
つまりまとめ上げる人の時間的、肉体的な労力は相当必要だと言うこと。

複数のプロジェクトに参加して、最も感動したはアイデアの豊富さとユニークさでした。
だけど、せっかくのアイデアが、企画書の中に、なんというか「ストーリー」として投影されていないものが複数あったのです。
もったいない。実にもったいない!

これを克服するには
◎いかに時間を確保できるか
◎メンバー間でどれだけ揉めるか(コミュニケーションを上げるか)
の2つに尽きると思います。
フリーランスの集まりだからこそ、この2点は確保したいものです。
逆にこれをクリアできるチームは最強だと、僕は断言します。

フリーランスというキーワードは曲者である


今回の企画書では「フリーランス」というワードはあえて使いませんでした。
企画書で使ったのは「専門家が集まって今回のために組んだ特別なチーム」というような表現です。

ランサーズの仕事の中でも、そうなのですが、特にお役所の事業では持続性と信頼が求められます。

それに対して「フリーランス」という呼称には「自由」のイメージが強く、しかもその印象はあまり良くないのが現状でもあります。
自由を取り違えているフリーランスがいるのも残念ながら事実なのです。
(決して多数派ではありませんので念のため)

僕がパートナーと法人を作ったのも、信頼性と持続性を持たせるためでもあります。

フリーランスという生き方はかなり市民権を持ってきてはますが、いまだ偏見も多いのも現状であり、それを打ち消すには今回のようなチーム制作でいかにクオリティの高いクリエイティブができるかにかかっていると思います。

つまり「伸び代」が非常に大きく、しかもそのポジションは今のところ“早い者勝ち”(=チャンスを見つけた人)でもあるのではないでしょうか。

2024年から応用できる=活かさなければ何も生まれない

僕にとってLABに参加したことで、事業のポートフォリオが良い意味で変わる可能性が出てきました。
これまではテレビ番組や、プロモーション撮影、映像プロモーションといったコンテンツ制作が事業の柱でした。
今後はこうなるといいというプランがこちら
◎1→コンテンツ制作は事業の半分程度
◎2→残りはコンテンツを含む何かのプロジェクト
◎3→2を今回知り合ったメンバーとか、今後出会う人たちと一緒に挑戦していく

狙うところは収入アップではなく、売上の安定性です。
コンテンツ制作は社会情勢を如実に反映し、非常に不安定とも言えます。
長年の懸念である事業の安定性を得るには、ポートフォリオを複数化し、なるべくマージンを持たせる必要があります。
そのために必要な知見を得ることができたと考えています。

知見というのがポイントで、活かさなければ何も生まれないことを意味しています。

“人生の運転席”に座ってみた景色

法人格はあるものの、フリーランスという生き方を選んではや20年。
その中でフリーランスだからできるSomething Newは間違いなく今回のプロジェクトで得た、ある事実です。

それは、フリーランスは決して孤独ではないということ。
ただし自分から行動を起こすに限ります。

生き方を車の運転に例えるなら、フリーランスは1人で運転席に座り、好きな道を走ります。
だけど横を見れば同じような車が何台も並んでおり、キャラバンのように進んでいる。
そんな景色を僕は今回確かに見ることができました。

当初検証したかった、「異なる分野のフリーランスが組んで生まれる化学反応」。ではその反応は如何なるものかというと(僕は高校時代は化学専攻!)。

それは自分のスキルをツールとして、さらに広いプロジェクトを立ち上げるチャンスが、少なくとも毎年400個はあることを見つけたこと。

で、それが一個結実すると、翌年はさらにそれを実績にステップできること。

そして自身のスキル「映像と写真」がDXではめっちゃ強力なツールになることを確信したこと。

それが僕が目の当たりにした“化学反応”でした。

不意に出会ったうつくしきもの
こんな化学反応は楽しい

おわりに

もしあなたが会社員でフリーランスになろうとして心配なことはなんだろう。
もしあなたがすでにフリーランスで、困っていることはなんだろう。

その一つは
・やはり1人でできるか、
・とっかかりが不安
という2つは大きいのではないだろうか。

大丈夫。心配しないで。
フリーランスは1人じゃないことを
仕事のきっかけは少なくとも年間400本はあることを
LABは証明してくれたから。

#私の働き方実験

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