安全・安心が生み出す「静かな熱狂」 〜『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』読書会

 佐渡島庸平さんの『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜』について、オンライン&リアルで読書会を開催しました。(CMC読書会24

この本は、NewsPicksでのコミュニティ関連特集記事などをきっかけに、佐渡島さんがnoteのクローズド部分に綴ってきた原稿をNewsPicks Bookとして書籍化したもの。箕輪厚介さん編集ということで発売前から話題となりました(本書内にも佐渡島さんx箕輪さん 対談が収録されています)。2018年5月の出版直後には、コミュニティビジネスに関わる人の間でかなり話題になっていました。その頃に読んだ方も多いのでは?

今回、発売直後の ”熱狂” がすこし収まった時期をみて、読書会の課題図書としてチョイスしました。1ヶ月間のオンライン読書会のあと、9月はじめにリアルに顔を合わせる読書会を開催したので、そちらを中心にレポートします。

集まったのはこんな人たち

渋谷・道玄坂にある BOOK LAB TOKYOで開催した読書会には、5人の方が参加してくださいました。自己紹介を兼ねて「この本に興味をもったきっかけ」「最近あった” NOT ALONE” な出来事は?」を語ったあと、本題に入っていきます。

▲読書会終了時に撮影(左から為本さん、堺、彩子さん、三橋さん)。川西さんは途中退席のため撮りそこねました…

以下では、当日盛り上がったキーワードを中心に簡単に紹介します。

安全・安心へつながる後押し

大人数のコミュニティに新たに加わると、安全・安心の場であるはずなのに、その場で発言や行動するのに勇気がいる、という話がありました。職場でもそうだし、オンラインサロンのような場でも同じように感じると。

そのとき大切なのは、本書でも触れられていた「安全・安心」だという意見に、みな同意していました。佐渡島さんが開いたコルクラボでは、初めて発言した際に「聖なる一歩」というスタンプを送る慣例があるのだとか。こういう後押しっていいですよね。

同じような施策として、ランチ会 や uniposのようなサンキューポイントの話も出ていました。後押し、大事!

熱量・熱狂への違和感 = 静かな熱狂

僕から問題提起したのは、最近「コミュニティ」をテーマにした話題で決まって登場する「熱量」や「熱狂」というキーワード。もちろん、沈滞してまったく動かない場というのはコミュニティですらないでしょう。さりとて、毎日どっかんどかんと事件やイベントが起きて「うひょ〜」とお祭りになる場は激しすぎてついていけないという話をしました。みなさん、共感してくれたみたい。

なので、本書に登場する「静かな熱狂」というキーワードは響きました。集まる必然あるつながりのなかで、じわじわ(メラメラ?)と起きる火こそが、コミュニティを中長期的に意味あるものにするのではないかと感じます。

佐渡島さん自身、前著『ぼくらの仮説が世界をつくる』で、「1枚目のドミノはたった一人の熱狂」と書いていたことを振り返り、「どうも、そうではなさそうだ」ということで今回提示したのが「静かな熱狂」です。僕には、この言葉がとてもしっくりきています。

関連して、「帰ってきやすさ」「関わらない自由」というフレーズが飛び出し、「コミュニティの目的がシンプルだと静かな熱狂が起きやすいのでは?」ということでテニス掲示板やゴルファーレジデンスも話題になりました。

ネット空間上の身体性ってなんだろう?

「ネット空間にリアルと同じような身体性を持たせないと…」というフレーズがあります(p.63)。読書会では、ここでいう「身体性」ってなんだろう?という問いかけがありました。

これは、オンラインだけでコミュニティは成り立つのか、という問いでもあります。これに対しては、スタンプや絵文字はバカにならない効果あり、という意見。また、ZoomやRemottyなどの顔がみえるコミュニケーションが大切だよね、という話も…。

身体性って、距離感、肌感なのかな、と感じます。

「孤独だけど一人じゃない」って?

書名”WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.” を日本語でどう表現するか。
本書あとがきには「我々は孤独だが、一人ではない」とあります。「孤独」と「一人」の語感の違いは人それぞれ。僕は当初「一人だが、孤独ではない」の方が合っているのではないかと考えていました。

読書会では、「わからないものを残しておく余白」が対話を呼ぶ、「悩み、問いを共有できる関係」が NOT ALONE ではないか、という話に発展しました。

最後には「足りていないコミュニケーションを埋めるためにコミュニティがあるのかも」という言葉が彩子さんから飛び出し、一同うなづいていました。

おまけ:アップデート主義を実感!

本書は「アップデート主義」で発行したとありましたが、読書会で同じ本を持ち寄って知ったアップデートポイントを1つご紹介します。

第2章の「ファンのピラミッドを作る」節にCommiter, Accepter, Liker, Userの図があります。これが、初版第1刷(2018年5月10日 発行)ではピラミッド型だったのに、5月30日発行の第2刷では同心円で表現されていました。 節タイトルは「ピラミッド」のままですね… (^^;)


なお、読書会には、これまでのCMC読書会の課題図書もできるだけ持っていきました。いろんな角度からコミュニティに関わる人が集まったので読了本や気になる本が多かったみたい。喜んでもらえてよかったです(けど、重かった…w)

▲これまでの課題図書たち

※今回読んだ本は、【CMC読書会】コミュニティ運営のヒントを本から学ぼう!の課題図書でした。隔月開催しているので、よかったら覗いてみてください。
https://www.facebook.com/groups/CMCbookclub/


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Hiroshi SAKAI

堺寛。「つながりの芽を育てる」コミュニティカタリスト。IT企業での社内Q&Aコミュニティ立ち上げ経験からコミュニティ運営にはまり、以降20年にわたってインナーコミュニケーションの大切さを追い続けています。言葉のごちそう収集家。

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その言葉を耳にすると、心がよろこぶ。 なぜかは分からないけど元気になる。 本、映画、誰かとの会話でいただいた、そんな言葉たちを記録していきます。
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