P13_撮影、撮影、撮影! 丨 『東京彗星』オンラインパンフレット_映画制作とは④

映画制作がどうやって進むのかを書くシリーズです。23日まで毎日更新します。

①プリ・プロダクション
②ロケハン、オーディション、リハーサル
③撮影(のときに考えてること)

につづき、今日は具体的な本作の撮影を振り返ります。

25分の短編である本作の撮影は、

・メイン撮影(出演者が物語を演じるメインの芝居)…4日
・実景撮影(
風景など人物がからまない撮影)…1日
・サブ撮影(
劇中のTVニュース映像などの撮影)…2日

合計7日間でした。

〈メイン撮影〉


使用カメラ:ARRI ALEXA Mini、Black Magic URSA Mini

メイン撮影は、メインキャストをはじめストーリーに関わる芝居を中心とした撮影です。ゴジラやガメラのような映画の場合は、特撮がからむシーンは特撮監督や特技監督が(ガメラの監督は金子修介さんですが、特技監督は樋口真嗣さん)、激しいアクションシーンはアクション監督が(るろ剣の監督は大友啓史さんですが、アクション監督は谷垣健治さん)、など同じ映画の中でもより専門性の高い監督が演出するシーンもあります。そういった特殊撮影ではない、通常の人間の芝居を撮影するのがメイン撮影、とここではしています。

では、日々を追っていきます!

※ここからはぶっちゃけ、未鑑賞の方にはまったく意味不明だと思います。が!ご覧になってくださった方、もしくは未来に観てくださったかたがいずれここを見つけることを願って、記します!
※多少のネタバレ写真あります。


2017年4月19日(水)メイン1日目

文京区のパチンコ屋ロケからスタート。



2カット撮って近くのアパートへ移動。兄弟が暮らすアパートのシーン。

トップ、序盤、中盤と3シーンあり、それぞれ登場人物や天候も違うのでセッティングを変えながら撮影していく。榎本"CHAMP"光永さんは生まれて始めての演技。大西利空さんと一緒に、キャラクターをつくっていく。

日が沈んでから、夜のトラック車内のシーン。



キャストが解散したあと、吹き替えでトラック運転席での運転シーン。アクアラインを往復。

2017年4月20日(木)メイン2日目

銭湯前で、昼のトラック車内のシーンからスタート。

その後銭湯へ。ロビー、大浴場のシーン。

ほんとに熱いお湯を沸かしてもらったのと、ちょっとしたアクションシーンなのでキャスト・スタッフは大変だったと思う。すんまへん。

午後、文京区湯島小学校へ移動。老人ホームのホールでボランティアエキストラの方々に集まってもらい、この映画でいちばん人数の多いシーンの撮影。廊下のシーンを撮影。



その後エレベーターでラストシーンを撮る予定だったが、香盤がおしていたので断念。ラストシーンをどこで撮るかは考え直し。

日が暮れる頃、味の素スタジアム前の道路へ移動。ヒッチハイク、喧嘩のアクションシーンの現場リハーサル。ここの時間がないため、シーンの後半をまるごと落とすことに。前半に集中して何回か撮り、終了。


2017年4月21日(金)メイン3日目


新宿集合で、静岡へ。朝から田んぼ道、神社、ドローン撮影。

そして、午前中のうちにトンネルへ。昼に日光を活かし、前半シーンを。

照明や芝居のセッティングを丁寧におこなう。日が落ちたら、照明を凝って夜中設定の後半を撮影。

ギリギリまで粘って、なんとか良いものが撮れた。
この日で榎本 “CHAMP”光永さんはオールアップ(全出演シーン撮影終了)。メインキャストが揃う最終日なので、ひとあし早く集合写真を。

夜に静岡から東京へ戻り、メインスタッフで新宿をロケハン。エレベーターのかわりにラストシーンを新宿で撮影することに。

2017年4月22日(土)メイン4日目


公園で、死体が放置されているショットからスタート。

近くの高層マンションで、2シーン撮影。

さらに近くの道路、橋をロケバスで走りながら、疎開バスのシーン。

終了後、静岡へ。
岩手のシーンを一連。疎開施設の部屋、廊下、食堂。

そのあいだに、東京のシーンだが運送会社事務所、トイレ個室のシーンを撮影。

東京へ戻り、ラストシーンを新宿で。

結果、エレベーターよりはるかに良いロケーションとなった。深夜、メイン撮影がひとまず終了。


〈実景撮影、サブ撮影〉


実景(人物の芝居がない風景ショットなど)、サブ撮影(メインキャストの芝居ではなくテレビの中のシーンなど)は日本では助監督さんが演出したり、ハリウッドでは "セカンドユニット"といって本筋とは関係のないショットのための別班監督がたって撮影することが多いようです。変な話、シリーズもので尻すぼみになってきたときの続編なんかは、1作目のセカンド・ユニットの監督がメイン監督に昇格したりってのがあります。クリストファー・ノーランはセカンドユニットつくらず全シーン全カット自分でみることで有名です。たぶんキャメロンもそうだ。だから僕も、そうです。

2017年4月23日(日)実景、サブシーン、合成素材


AM、官房長官の記者会見シーンを会議室で。報道カメラ設定なので、シネマカメラではなくデジタル・ビデオカメラで撮影。カーテンと、台と、政治家バッヂでなんとか記者会見を表現。テロップを入れたらわりとそれっぽく見えました。よかった。


その後大西利空さん、篠田諒さん、そして両親役の中山さおりさん、大矢晃弘さんに集合してもらい、iphoneを渡してお台場で好きに撮影しながら遊んでもらいました。

カメラマンと僕で尾行して、ときどき駆け寄って指示出してたので相当怪しかったと思います。これがどのシーンなのかは本編でお確かめください!これにて篠田諒さんオールアップ。

午後にお台場シーンが終了、キャストは解散してカメラマン、僕、そしてプロデューサーで実景撮影へ。プロデューサーの車にカメラを設置して、都内をぐるぐる。なるべく “人がいなくなった東京”に見える場所をまわりました。主に湾岸地域。


最後は夜のお台場へ。アクアシティのテラスから海を超えた東京をのぞみます。レインボーブリッジを入れて、じっと撮影。彗星衝突カットの下絵です。これをVFXのBillに送って、彗星を合成してもらいます。


2017年4月25日(火)唯一の岩手ロケ


岩手県宮古市田老にある、日本最大の津波防波堤へ、キャストとカメラマンと一緒に行きました。

早朝の新幹線とローカル線、現地のタクシーを利用して到着したのは午後。津波防波堤でたたずむ主人公と疎開担当のおじさんのカットを2カットと、災害復旧工事中の看板を撮影し、事務所にお礼を言ってとんぼ帰りです。これにて大西利空さん、藤田信さんオールアップ。

2017年5月12日(金)ニュース映像撮影


文京区のニュース映像撮影スタジオTONEGAWAさんにて、劇中のTV画面内のニュース映像を撮影。劇中に登場するすべてのニュース・トピックの完全原稿を制作したうえで、報道原稿に詳しい友人に校正してもらった原稿は、70P超。

僕の大学時代の友人で現役フリーアナウンサーの石田浩子さんと、元アナウンサーの西村真二さんにそれぞれ同じ原稿を読んでもらい、編集で各シーンに振り分けさせてもらいました。

これにて、全撮影が終了。


岩手ロケ〜ニュース映像撮影の合間に仮編集をはさんでいるので、さあこれから編集ってことでもないんですが、とにかく撮影素材は揃いました。

とはいえ、まだ冷蔵庫に食材が揃っただけです。
料理して、盛り付けるのはこれからです。

どんなに食材が良くても、調理をしくじったらまずくなってしまいます。
いい素材が撮れたとき、それは嬉しくもありますが、「いい素材だったのにアガリ(完成作品)は微妙だったね」と言われるプレッシャーのはじまりでもあります。

撮影部、照明部、俳優部、録音部、制作部、演出部…各キャスト・スタッフは素晴らしい仕事をしてくれました。

しかしそれを活かすも殺すも、僕の編集、仕上げのウデ次第なのです。

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映画『東京彗星』オンラインパンフレット

短編映画『東京彗星』の、公式サイトでも紙のパンフレットでもない、オンラインパンフレット。 通常の映画のパンフレットには入りきらない、またはハマらないような生々しい話、詳しい話などを書いています。
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