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10の7乗の話

これは人間の間引き

得体の知れないウィルスに社会も自分もあたふたしていた頃、
まず最初思ったことは、それだった。
地球外生命体に侵略されるわけでもなく、超越的存在が人間の選別を始めたわけでもないけれど。直感的な感覚はそれだった。

このコロナウィルスが発見され、
日本国内初症例から始まり大型客船が注目を集めていた頃から二年が経った。
2年前の私たちは、そろそる根拠不明な学校閉鎖を、強要されることになる頃だ。
そうして、厚手のガーゼが配られる。なぜかゴムがついていた。
噂通りゴミが入っていたので、傷口に当てるには相応しくないので雑巾にもせずに捨てた。
2年前の自分に耳元でささやきたくなることが目白押し。

2年前の自分はまだ知らなかったけど、
1918~1920年に流行したスペイン風邪 当時の世界人口は18億。
2021年の世界人口は80億弱。この100年で人間は4倍の個体数に増えた。
2100年ごろには世界人口88~108億人(1920年に比べると5~6倍、今の1.25~1.38倍)
ウィルスの増殖率からすると、大したことがないかもしれないけど、
時間軸と個体のサイズを指数関数的に見ると少し面白い

それが、10の7乗の話。

1000万倍という倍率

1/10,000,000
1000万分の1
10の-7乗
普段の生活で、5,10倍の話はよくあるしイメージしやすいけれど、
1000万倍(もしくは分の一)を考えることがないので、
イメージをかっ飛ばす意味でいくつか考えてみる。

サイズ、
地球の直径=約13,000km
↓ 1/10,000,000
人間の身長=130cm(小学校低学年程度)
↓ 1/10,000,000
コロナウィルスのサイズ=0.1μm
これらの間にはほぼほぼ同じ縮尺の関係性が成り立っている。
自分含めた人間が地球に感染したウィルスのようだ。
免疫反応で地球が熱を出す。
樹木は減り毛根は根絶やし。
咳をするように地震や噴火が起きる(日本に住んでいるからか?)
もはやアナロジーにもほどがあるけどイメージは膨らむ。

逆に地球の直径を10,000,000倍してみると、
130,000,000,000km(1,300億km)
1光年が9,461,000,000,000kmなので
約0.013光年=約4.745光日(光で5日間くらいの旅をする距離)
これは、、、光速の体感がないので非常に分かりづらい
けれどあきらめず。
太陽系は半径1.575光年らしいので💦
光で旅しても5日では太陽系の1/100程度までしか行けない
(太陽までは、約8秒。月までは2秒)
太陽系だけ考えても、地球は小さい。とてつもなく小さい。
寿命が1000万倍になれば、5日程度は秒のごとき時間にはなる。

時間は、
この100年を10,000,000倍すると、約10億年前
地球が生まれて約45億年
(±5000万年前の誤差があるらしいから、誤差のスケールでかい!)
10億年前に多細胞生物が生まれたとされている。
単細胞生物やウィルスに比べて体のサイズが大きくなり始める頃と言える?
と、イメージしてみる。

単細胞から10月10日で赤子として生まれ
80年程度の人生を全うする。
地球が生まれて45億年、寿命はあと50億年
自分は42歳、平均寿命の半ば、
地球もちょうどその頃。

イメージを振り切る

日々目の前の仕事で、デザインを行いマネジメントも行うが、
このように非日常のイメージをするのは頭の刺激にもなるし、
新たに勉強になることが多い。

この記事を書くにあたっても、地球の半径は忘れていたし、
光速の定義も調べなおし、ウィルスのサイズ、人間の体積、
などなど調べることになった。(絶対一度は触れても忘れてた!)

建築、政治、経済などなどイメージできることは多いが、
80億の人間を見たことはない。
見たことは無くてもイメージをすることで何かに思いを向けることで、
自分の頭が少し広がった気になれる。基礎知識の復習にもなる。
イメージできることの精度を上げてみる。相対化の緻密化でもある。
大きなことを考えようとすればするほど足元の基礎知識が大切だとも感じる。
(そうでないと、結果が大きくずれるので)
そんなスケールの大きな頭の体操は面白い。

見たこともないウィルスに生活の多くを制約される。
2年前の直感は今も変わらないけれど、
見たことも感じたこともないけどイメージは好き勝手にできる。
日々の生活を見直しつつも、
イメージのスケールを振り切ることで頭の余白ができた気がした。

今日はそんなお話でした。

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