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良いチームには「助け合い」がある

 集団、組織、チームを維持し、目的を達成するには、メンバーの豊かなコミュニケーションが重要ですね。
 メンバーが、リーダーのもとで目的を共有し、情報を交換し、個々に課せられた役割を果たすため、スムーズなコミュニケーションは大きな役割を果たすのは、みなさんが日々体験していることでしょう。
 この「コミュニケーション」を機能させるには、「助け合い」が不可欠です。急用ができた人の代わりに代打で仕事をやる、多忙すぎる人の仕事をすこしでも引き受けて負担を軽減してあげる、仕事に行き詰っている人に有益な情報を伝えてアシストする……。私たちの身の回りには、さまざまな助け合いが存在しています。集団を維持していくうえで本能的な行為ではないかと思うことがあります。

 例えば、チスイコウモリです。イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「ホモ・デウス」(河出文庫)の中で紹介されていますが、チスイコウモリは、血にありつけずにいる仲間に、自分が得た血を分け与えるのだそうです。
 さらに、自分がどのチスイコウモリにどのくらいの量の血をあげたかを覚えていて、自分が困ったときは、そのチスイコウモリに同量をもらう(返してもらう)のだそうです。こうすれば、飢えでメンバーが減り、集団が衰退する危機を免れることができます。

 ほかに、南極の皇帝ペンギンも、助け合いで知られています。
 営巣地がブリザード(嵐)に見舞われたとき、集団は温め合うためにひっつき、大きな塊になります。もっとも外側のペンギンたちは嵐に直撃されて体力を消耗します。
 では、ペンギンたちはどんな行動を取るのか。なんと、温かい内側にいるペンギンたちが外側へ移動し、外側のペンギンたちは内側へ入るのです。群れは、これを繰り返します。一部のペンギンにだけ過大な負担がかからないようにするのです。

 また、V字飛行をする雁の集団でも助け合いは見られます。
 先頭はもっと空気抵抗が大きく、体力を消耗します。そこで一定時間飛行したら、別の雁が先頭になるのです。
 ほかの生き物でも、こうした助け合いの行為はたくさんあるはずです。 生き物たちは、本能的に「助け合い」が大切だわかっているのでしょう。

 私たち人間も、困っている人を見たらほおっておけない時があります。「お互い様」の精神は、私たちの集団、チームを衰退させずに維持していくうえで不可欠なのだと思えます。
 良いチームには、決まって助け合いや思いやりが存在しているのです。


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