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ギル・スコット=ヘロンさん

過日5月27日は、Gil Scott=Heron(ギル・スコット=ヘロン)さんの命日でした。2011年、ニューヨークの病院で亡くなりました。享年62歳。

黒いディラン!?

ギル・スコットさんは1949年シカゴ生まれで、70年代から詩人 / ミュージシャンとしての活動を開始。社会批判などを織り込んだメッセージ性の強いアーティストなので、"黒いディラン"の異名を持っています。
昨今では"ラップの始祖"、"ヒップホップ界のゴッドファーザー"などと表現されることもあるようです。

代表曲『The Bottle』

♪Uno、Dos、Tres、Quatro
スペイン語のカウントで始まるこの曲を知ったのは'90年代初頭のアシッドジャズ・ブームの最中でした。メッセージ性云々というより、単純にギル・スコットの『The Bottle』が超クールだ、という情報だけがありました。
『The Bottle』のクールさは自分の中では今もなお変わらず、マイルス・デイビスさんの『死刑台のエレベーター』と並んでクールな曲の代名詞となっています。

『The Bottle』がアル中、ジャンキーに向けた曲ということは、だいぶ後になって知りました。
「子供の頃からアル中になろうと思ってそうなったやつなど一人もいない」
そんなギル・スコットさんも晩年は薬物中毒による入退院を繰り返していたそうです。

インテリジェンス

ギル・スコットさんのどの写真を見ても、インテリジェンスを感じます。おじいちゃんになってからの写真も然りです。大学を2年休学して小説を書いたり、復学後はジャズ好きなインテリとつるんでいたそうです。他のアーティストにはないこの知性がギル・スコットさんの魅力なのかもしれません。
歌唱力を武器にしているアーティストではありませんが、ギル・スコットさんの持つ知性とジャジーでグルーヴィーなトラックはまるで"クールの見本"のようです。

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