見出し画像

心技体より体心技

心技体と言う言葉があります。

「心」「技」「体」どれも重要で、この3つがバランス良くある時が、自身のパフォーマンスを最大限に発揮出来る状態と言えるでしょう。

成長を望む人は、誰もが3つの要素の円をそれぞれ大きくしていきたい考える筈です。スポーツも仕事も人間としても。

今回は僕自身がここ数年体感している、競技における心技体の円を大きくしていく方法を共有したいと思います。


結論は「体」を鍛える事です。

以上!!!


これで終わりにしたら殴られそうなのでちゃんと書きます。すみません、小ボケをかます衝動を抑えられませんでした。

心はプレー中の思考
技はボールを扱う技術
体はコンディション

こんな感じの定義でいきます。

1、体心技伝達の師匠


エスパルスのレジェンド、市川大祐さん(イチくん)は、午前にチームの練習がある日は、午後必ずプールに行き、自分のコンディションを見極めていました。
食事面でも10数年前の当時、聞いたことも無かった酵素を摂り入れていたり、身体のコンディションには相当な意識の高さで向き合っていました。

そんなイチ君が何故ここまでやるのか、理由がありました。

イチ君は、「心技体という言葉があるけど、アスリートにとって一番大事なのは「体」だよ」

「どんなに「心」があっても、コンディションが良くなければ動く事は出来ないし、「技」を持っていても、動けなければその技術を活かす事は出来ない」

よく昼ご飯を食べながらそんな話をしてくれました。

試合に出て、右サイドから美しい放物線を描きアシストしている時も、リハビリの時も、ポジションを奪われレギュラーから外された時も、常に自分に向き合い、身体と向き合い、黙々と準備する姿が僕の目に焼きついています。

そんな姿を見せてくれていたイチ君の言葉は、最高に腹落ちしたのですが、イチ君の言葉を心から実感出来たのはそこから10年の歳月がたった、2019年でした。

2、体にフォーカスするとどうなるか

2018シーズンは6試合の出場、巡ってきたチャンスも試合開始2分で負傷。戦力外通告を受けてもなんらおかしくない結果でした。19シーズン、背水の陣です。

身体について真剣に真面目に楽しく向き合いました。
栄養、トレーニング、ジムワーク、武道家の考えを取り入れてみたり、面白そうなトレーニングをやっている人を真似してみたり、赤ちゃんが寝返りを打つ姿を参考にしたり(マニア過ぎる?笑)、とにかく出来る事は全てやり切ってやろうと。

真剣に身体に向き合うと、例年以上に身体が動くようになってきました。上の図の右下、「体」の円が大きくなった感覚がありました。

身体が動くと、以前は100%で動いていた動きを、90%や95%の力で動けるようになりました。

100%で走ってる時の視野や思考の感覚はなんとなく覚えはあると思います。
徒競走はだいたいの人が経験ありますよね?
周りを眺めてる余裕が無いと思いますし、何か考える余裕もほぼないと思います。

車の運転も、スピードが上がると認知出来るものが減りますし、視野も狭くなります。
テトリスやドクターマリオ(古い?)もレベルが上がり落ちてくるスピードが上がると思考がついてきませんよね。


何が言いたいかと言うと、コンディションを上げる事によって僅かに生まれた、残りの5〜10%の余裕を、他の事に使えるようになる。という事です。

それを思考に使います。
チームの全体像、流れ、プレーの予測、準備、ギリギリの所での判断。
この僅かに余った部分で今まで経験してきたものをピッチで使えるようになりました。駆け引きが出来るようになったんです。心の部分も大きくなりました。

身体が動き、心に余裕があると技術も伴ってきます。身体が思うように動くのでボールを正確に扱えます。反応も良くなるので難しいボールにも対応出来ます。
心に余裕があるから止めたい方向、相手の事を把握出来るポジションを考えられます。より良い準備が出来るようになります。
止める蹴るの練習はとても大事ですが、身体と心が整えば技もある程度ついてくるのです。「技」も大きくなりました。

上の図の「体」を起点に反時計回りで一つずつ大きくなり、以前より大きなバランスの良い「心技体」を作る事が出来たのです。

19シーズン、僕個人の成績は35試合4得点。
34歳にしてキャリアハイを叩き出す事が出来ました。

この結果はたまたまだったのではなく、自分の中の「心技体」が大きくなったからだと確信しています。

4、心技体の育ち方

3つを同時に育てようとしても何から手を付けるか迷うと思います。
どれかを起点にすると、そこに引っ張られるように他の2つも育っていく事がわかったので、一番単純でわかりやすいのではないかと思います。

僕にとっては「体」に向き合う事でこのサイクルが生まれましたが、どこを起点にしてもいいと思います。

人間に限界なんてないし、一つ何かを失っても他の何かが必ずあるはずです。

歳を重ねれば型も付いてくるし、考えも固まってきます。ですが完璧な人はいません。学び続ける気持ちを忘れない事が何より大切だと心から思うここ数年です。

5、実行に移せるか

こう文章を読んで仮に納得したとしても、実際に行動に移すのは難しいと思います。人間の行動パターンは染み付いていて、それを変えるのは大変だなと自分も身をもって感じます。
どうしたら行動に移せるのか。何が自分を突き動かすのか。
僕の場合は選手生命の終わりが鮮明に見えてきた事でした。「時間の有限」を強烈に意識させられ、何かを変えなければいけないと思えました。

「時間には限りがある事」を意識するのは、何かを始める時の後押しになるかもしれませんね。

6、先輩に恵まれた

今回登場したイチ君のように、本当に素晴らしい先輩達に恵まれてきたと思います。感謝しかありません。
偉大な先輩達に続けているかは分かりませんが、後輩達にサッカー選手の面白さ、生き様を伝えていけるよう改めて身が引き締まる投稿になりました。


ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?